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2019年の「一服いかが?」



2019年2月14日(木) <ミチカ・マグノリア大特集>

2019年3月1日(金) <海蝕洞つき別荘!

2019年3月12日(火) <楽しい妄想「海の家」 プクサーナ編>
             <ペルーのプライベート・ビーチ問題>


2019年8月9日(金) <さよなら、働き者のFIAT君!>

2019年12月30日(月) <もしや猫たちの置きみやげ?>


2019年2月14日(木) 午後5時半の室温28.8℃ 湿度56% 外気温26.7℃ 快晴&そよ風、のち曇り
<ミチカ・マグノリア大特集(^^)/>

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庭の真上でせめぎあう、アンデスと海。
冬とは逆で、左は山から押し寄せてくる雲。
そして右が、海からやってくる快晴です。


 この夏は、けっこう山側強し!です。
 そのおかげなのか、エル・ニーニョといっても、数年前のエル・ニーニョのような耐え難い暑さではありません。
 ときどき曇ってほっとしますし、また今日は暑くなりましたが、さらっとした風が吹いて快適です。


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家がここまで埋もれてしまいました…


 山が勝とうが海が勝とうが、それには関係なしに、わが家のジャングル化は着実に進んでおります。
 スイカズラ、ジャスミン、白いつるバラがよく咲いて、昼も夜も良い香りです。
 奥にみえるペルーナイト柳の並木も、ほんとに立派になりました!おかげさまで。


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 でも、この夏いちばんのニュースは、何といってもミチカ・マグノリアの開花!
 (ちょうど今週は、ペルーナイト女子会が開かれるとか…、ぜひお出かけ前にちょっとご覧くださいね!)


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 「もしかしてこれつぼみ?!」とさいしょに気づいたのは、昨年の11月はじめ。
 植えてからもう六年目ですから、そろそろ咲いてくれないかな…と思っていました!嬉し!


 ただマグノリアはいろんな品種があるので、何色のどんな花が咲くかは、花開くまではわかりません。
 このつぼみも細すぎるような気もして、一か月にわたって毎日わくわく朝一番で、観察&心配しておりました。


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 2018年12月4日。
 つぼみは何度か上着を脱ぎすてながら、ゆっくりゆっくり育っていきます。
 ずいぶんと日数のかかるものなのですね。
 でもここまで大きくなったので、すぐにも咲くかと思ったのですが、これからまだ一週間かかったのでした。


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 2018年12月7日。
 茶色のさいごの上着を脱いで、ついに花びらが見えてきました。
 良かった、白い花なのはまちがいなさそう!


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 2018年12月8日。
 もう今にもほころびそうです……が、まだここから数日かかりました。
 そのぶん育ち続けて、想像以上に大きな花が咲いたわけですが。


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 2018年12月11日朝。やっと開花!!

 私が長年、心底ほしいと思っていた、クリーム色の大きな花を咲かせるタイサンボクでした!
 びっくりするほどの大きさ(人の顔くらいあるかも)と美しさに、複雑なすばらしい香りが伴っています。
 ジャスミンの花とレモンの花の香りをまぜて、そこにディオリッシモ香水を数滴たらしたような…


 さいしょの花はちょうど顔の高さで咲いてくれたので、何度も何度も香りをたしかめに行きました。
 これからも下のほうの枝は、払わずに残しておこうと思います。


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 2018年12月12日。
 きのうは丸いかわいらしい姿でしたが、翌日には花びらを大きく開いた、妖艶な姿に大変身!


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 2018年12月14日。
 四日目になると白い花びらが朽ちはじめましたが、さいごまで堂々たるものです。


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 2018年12月24日。
 表面的な盛りを過ぎたところで、内部充実の時期に入ったようです。人と同じ!(^^)


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 2019年2月12日。
 今はここまで大きくなっています。赤いタネが実るのが楽しみです。
 みちかさんによると、実にも良い香りがあるそうです。


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 さいしょの花が咲いた12月11日から、年明けの1月7日まで、なんと28もの花がつぎつぎと咲いてくれました。
 待降節から咲き始めて、ちょうどクリスマス期間いっぱい咲いてくれるなんて、最高ですね!


 みちかさん改めてありがとうございます、年末年始の大きな楽しみができました!

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 マグノリアの花はどの段階もすてきですが、やはり咲き初めの、この奥ゆかしい風情はたまりませんね!
 花びらはシルクサテンそのもので、こんなきれいなものがあるから、ついまた地球に生まれて来てしまうのですよねー
 (そろそろ卒業したいんですけどねー)


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 咲いてすぐの花軸。
 たぶん上のワラビ状のところが雌蕊で、下が雄蕊の集まりなのでは?と思います。
 翌日には下の雄蕊はすべて散ってしまい、右の写真のようにワイン色の軸があらわになります。


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 蜜蜂がひっきりなしにやってきます。
 主に花粉を集めているようでした。


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 こちらは、檜扇でちょっと顔を隠した、五節の舞姫風のマグノリア。
 咲いて二日目なので、花びらの上にはもう雄蕊が散り積もっています。


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 五節の舞姫は、優雅に檜扇を掲げたまま、美しく年をとってゆきました。

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 今年は咲かなかったほうのミチカ・マグノリア。来年はこちらも咲きそうな気がします!

 マグノリアと競い合うように、となりで大きく育っているのは、巨大トウワタのフラウィウス君。
 いつのまにかこんなに立派になって、モナルカ蝶の幼虫たちの良い住まいとなっております。


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 この夏は、ついに!ペルーナイト・マンゴーにも、初めてひとつだけ実がつきました。
 これも熟すまでは品種はわかりません。
 こちらの園芸店は、そういうところみな本当にテキトーですが、おかげでかえって楽しみです。


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 前の夏から花をつけ始めたペルーナイト・チリモヤ。
 今年も、地味で小さいのに、呆れるほど派手な香りの(tutti frutti味チューインガムの香りの)花を、たくさんつけました。


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 そして初めて、緑の怪獣めいたかわいい実がひとつついて、これもペルーナイト会員のみなさまにご報告できる!と喜んでいたのですが…
 先日宿六が、よりによってこの枝を切ってしまいました…
 (私がどれくらい怒ったかは、みなさまのご想像におまかせします…
 いやーひさびさに宿六がやらかしてくれました、さいきん、かなりそつなく生きていたんですけど(笑))


 本人にかわりまして、ご出資下さった皆さまにお詫び申し上げます<(_ _)>
 でも果樹は、いちど実をつけると調子が出ますから、来年はきっともっとたくさん実をつけてくれることでしょう。


 宿六には、果樹には今後無断でさわらないように、厳重に言い渡しておきました…

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夕方薄暗くなったころ、急に開いたティアレ


 さて先週は、タネから育てた大事な大事なティアレが、はじめて咲きました!
 この夏は嬉しいことが多いなあ。
 クチナシによく似た香りですが、クチナシほどおしつけがましくない、ふわっと優しいところのある香りです。


 もしかしてもしかすると、これはペルーで最初に咲いたティアレかも?!…なんてちょっと思っておりますが、どうでしょうね。

 リマで長年、ティアレの苗を探しまわりましたが、少なくとも私はまだ当地では見たことがありません。
 思い出のある花木なので、どうしてもあきらめきれず、はるばるハワイから送ってもらったタネ、それも二度目の挑戦でやっとうまくいきました。
 2016年10月ごろに種まきしたので、ここまで来るのに二年以上かかっていますね。


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 たしか四十粒ほど蒔きましたが、さいしょの冬(リマ特有のじめじめした冬)をこえるのが難しく、9本だけ生き残りました。
 その後はゆっくりながら順調で、二度目の冬は余裕でのりこえ、この春から勢いづいて大きな葉を出すようになりました。


 いずれは地植えにしたいものです!
 何年か鉢で順応させたあとなら、大丈夫かもしれません。


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 ここでちょっと幽体離脱して、25年前のタヒチへ…

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 これは50センチくらいの、小ぶりなティアレのようです。

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 花はほとんど写っていませんが、これもティアレ。かなり大きくなるのですね。
 うちの小さなティアレも、いつか庭におろして、これくらいに育ってくれたらいいなあ!


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 タヒチでは、初めて見たティアレ、プルメリア、ハイビスカス、ココヤシにすっかり魅了されて帰ってきましたが、そういえば今やそのすべてが、うちで元気に育っています。
 やっぱり強く強く願ったことって、たしかに形になるのですよね。


 また、植物の育てやすさから考えると、実のところリマってけっこう穴場なのかもしれませんね!
 バラやハイビスカス、ルリマツリ、アリッサム、ジャスミン、ランタナ、ガザニアなどなど、ほとんど一年中咲いていますから、花のたえない庭がほしい人にはもってこいです。
 ないものねだりの私は、むしろ冬枯れの景色が懐かしかったりしますけれど…



 さて、ペルーナイト女子の部のみなさま、週末はいつものように楽しい集まりとなりますように!
 ちょっと生霊飛ばしますんで、どうぞよろしく!いつのまにかお酒が目減りしていたら、それはきっとわたし。



2019年3月1日(金) 午後5時の室温29.1℃ 湿度48%(暑いけどさわやか) 外気温28.1℃ 快晴
<pacollamaさんに超おすすめ!
海蝕洞つき別荘!


  (今回ほとんどgoogle earthからの拝借です<(_ _)>)


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 リマからパンアメリカン道を南へ下ってじきの、サンタ・マリア・デル・マール。
 リマ度かなり薄めの(笑)、なかなかきれいなところです。


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 google earthで上からみると、こうなっています。
 この左の岬が、実はすごい海蝕洞スポットらしいのです!!
 それもぜんぶ、トンネル状に反対側まで穴があいたぶん!


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 少なくとも六か所、google earthで確認できます。
 ただ残念なことに、この岬ぜんたいが会員制コンドミニアムになっていて、コネがないと中に入れてもらえません。
 (ペルーの海辺はプライベートビーチだらけ、外部者は入れないところがやたらと多いですね。
 いったいどういう経緯でそうなってしまったのか、そのうち調べてみたいです)


 でもなぜかgoogle streetの撮影車は、この岬にうまいこと入り込めたようなんです。
 海蝕洞もちゃんと写っているので、そちらで見てみましょう!



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 まず1番。
 このお宅なんかもう、海蝕洞門の「上」に部屋がのっかっていますね!すごいなー。
 おそらく眠れないほどの波音ではないかと思われます。
 これほどトンネル状の海蝕洞を満喫&体感できるところも、そうそうはないでしょうね。


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 2番と3番の白いお宅は、同じ家です。
 つまりこのおうちは、二つの海蝕洞にはさまれているのですね!


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 向こうの外海も見えます。
 自宅の居間から、海蝕洞門を通り抜ける荒波を見下ろす……pacollamaさんには理想のお宅ではないでしょうか?!


 (右手の多肉植物やユッカの植え込み、海にはいいですよね。
 まさにこういう、水を浪費しなくてすむ庭を、「妄想の海の家」に作ろうと思っています(^^))


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 上のお宅を、少し引いて見たところ。
 うーんやっぱり、ずーーーーっと先では、このお宅の地盤もたぶん海に浸食されますよね…
 決してすぐではないでしょうが…


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 3番の海蝕洞は、左の写真のように、道の下をくぐって、反対側まで海水を噴き出しています。

 要するに1、2、3の海蝕洞は、岬を完全に横に貫いていて、その上に人が橋をかけたんですね。
 自然もおもしろいですが、人間もなかなかおもしろいこと思いつきますよねー



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4番は小さいですが、これも丘のむこうの外海とつながっているようです。

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5番はなかなか立派な海蝕洞。
これくらいなら海蝕洞門って呼んでいいのかな?


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 5番の隣の小さな入り江も、この狭さからして、もとは海蝕洞だったのかもしれませんね。
 (…まさか、とは思いますが、ふたつの大きなアパート建設のために、こわしちゃったんじゃあないでしょうね…??)


 以上すべてgoogle earthより拝借しました。
 google streetのおかげで、見に行けない海蝕洞群を見物できました!


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 ひとつだけ自分の目で見られるのが、この岬でいちばん立派な6番の海蝕洞です。
 コンドミニアムの外の公道から、うまいぐあいに見下ろせるのです。


 この右のお宅もすごいですよね、庭先に波ががんがん押し寄せる海蝕洞!ですから!
 私はこわくて住めそうにないですが、地形好きな方にはもうたまらん物件でしょうね!


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 少し右に移動してみると、トンネル状になっているのがよくわかります。
 手前には、リゾート感あふれるデザインのアパートが建っています。


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 このアパートのテラスからは、こんなふうに見えるのでしょうね。

 あ、波が押し寄せてきました!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ(トンネル内を波が通る音)…バッシャーーーーン!(出口で波が砕ける音)
 …と、少し離れた道まで大きな音が響いてきます。
 すぐ目の前に住んでたら、いったいどんな感じでしょうね?!


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 こちらは海蝕洞岬の、入り江をはさんだ反対側の、崖に並ぶ別荘群。
 海蝕洞と一体化した家々はすてきですが、私はやっぱり高いところのほうが、安心感があっていいかな…
 (まあここまで急傾斜だと、別の意味であぶないかもしれませんが、リマは極端に雨が少ないので基本だいじょうぶ)


 きっと中はそれぞれが、絵日記のほうでご紹介した海の家みたいな、何でも揃った小宇宙となっているのでしょうね。
 ここで浮世をきれいに忘れて、海→ビール→ピザ→海→ビール→バーベキュー→海→ビール→セビッチェ…と循環し続ける数か月を、みなさん過ごされるのでしょうか。


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 三月に入りましたが、暑い夏はまだまだ続きます。

 やっぱり夏の海には、私には縁のないワイルド系のお兄さんや、短毛種の犬がよく似合いますね!
 海もワイルド系のお兄さんも短毛種の犬も、私は少し離れたところから眺めるのがいいな…(^^)



2019年3月12日(火) 午後5時の室温28.0℃ 湿度49% 外気温26.7℃ 快晴!
<楽しい妄想「海の家」 プクサーナ編>


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 昨年は、プクサーナでの海の家計画に、かなり乗り気になっておりました。
 諸般の事情でこの件はとりやめにしましたが、なかなか味わい深いところでしたので、少しお目にかけますね。


 リマからほど近いので夏は大賑わいのプクサーナですが、魚市場の裏側に、思いがけない静かな別世界があります。70年代の古いコンドミニアムです。

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輝かしい二月の朝のプクサーナ!


 小さな波静かな入り江を囲んで、古風な白い家々が並んでいます。
 コンドミニアムとはいえ浜は公共なので、ここには誰でも入れます(かなり最近まで私は知らなかったのですが)。


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 一時は管理が行き届かず、荒れ果てていたそうですが、近年はコンドミニアム住人の努力でとてもきれいに整えられています。
 こじんまりとしたところなので、入り江で遊ぶ子供の声と波音とがまじりあって、家々の壁にのどかに反響し、ペルーではないどこか別の国にいるようです…


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植え込みのモザイクも、住人のみなさんの作品だとか。

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ここは時間が止まっています。


 入り江の最前列に並んでいるのは、70年代の古風な海の家で、なんとも風情があります。

 この中の一軒も、しばらく前に売りに出ていたようですが、惜しいことに広告を見落としていました…
 でも昨夏、このへんをうろうろしていて仲良くなった住人から、家々のうしろの崖にある、更地の一区画を紹介してもらいました。


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 許可をもらってその崖によじのぼってみると、こんな眺めです。

 プクサーナの魅力は、単なる別荘地、観光地ではなく、漁師さんがたくさんいる漁港でもあること。
 だからいわゆるリゾートらしいきれいな眺め、ではまったくありませんが、多くの漁船が出入りする様子がよく見える、とても活気ある風景です。
 波音や海鳥の啼き声や漁船のエンジン音が、崖の上までほどよく響いてきます。



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 眼下の入り江はとても静かです。
 でもそこから堤防沿いにちょっと行けば、外海からひっきりなしに大波が流れ込む、大迫力の風景に変わります。


 小高いところに家を建て、気が向いたら下におりて堤防を散歩する…というのは、理想の暮らしですね!

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冷たい霧の朝



 また夏休みが終ると、この入り江はとても静かになるので、冬の海を楽しむのにも向いています。

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 ここの土地にはもうひとつ、あまり大きな声では言えない魅力があります。
 それは、自分の区画の背後の、所有者のない土地の不法占拠が、事実上可能、ということです。


 さすがペルー、不法占拠にも「正しい手順」があるらしいんですね(^-^;
 まずは自分がほしいところまでしっかり囲って、「ここに住んでます」アピールをするための小屋など建てて、まわりは極力こぎれいに維持(緑化すれば理想的)。
 そしてプクサーナのお役所には、その年から「不法占拠分も含めた税金」をきちんと支払い、そのままながーーく占拠を続ければ、遅かれ早かれ自分のものとなるようです。


 この写真のお宅も、本来の所有地は左の岩の上だけで、背後の大きな庭はすべて不法占拠と思われます。
 不法占拠といっても、誰もここを使わず荒れ地にしておくより、こぎれいに維持してくれたほうが、よほどコンドミニアムやひいてはプクサーナのためになりますよね。


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 同じお宅の庭を、前から拝見。物見やぐらのようなものまでかわいらしく作ってあります。
 海辺に向く植物もよくわかって、海の家妄想の良い参考になりますー



 せっかくペルーに住んでいるのですから、一度はこういう、「時間さえかければ法的に問題とならない不法占拠」をやってみたいものです(笑)
 それもここの土地に惹かれた大きな理由のひとつです。


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 中には入り江にまで不法侵入して、自分専用のミニ桟橋を作ってしまったお宅もあるようです。
 そこではじつに夏らしい、楽し気な光景が展開されています、いいですねー


 うしろの崖の上にある黄色い柵や小屋も、すべて「ただいま不法占拠中」という目印。
 さきにちょっと費用をかけて囲ってしまった者勝ち、のようです。


 もともと世界中の土地所有権が、そうやって発生したのでしょうけれど…
 その過程を今でも見ることができるペルー。おもしろいです。


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 プクサーナは、船を借りて外海に出ると、ガラっと表情がかわるところも大好きです。
 島で守られた港は波も静かでのんびりしていますが、外海は荒々しく、海の生き物もとても多くて見飽きません。


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小さな釣り船に追いすがるインカアジサシの群れ。


 インカアジサシの、クワックワックワックワックワックワッ…と単調に啼き続ける声がまた、長い長い夏の、けだるい午後にぴったりです。
 それを聞きながらお昼寝してみたいです。


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 プクサーナにはフンボルトペンギンもいます。
 去年ひさびさに船を出してもらったら、ものすごーーーく殖えていてびっくりしました!
 灰色の雛もちらほら見えています。


 ……(妄想発動)もしあの土地に家を建てたら、「うちから500mのところに、たくさん野生のフンボルトペンギンがいます」と言えるわけですよ。
 それもすごく楽しそうですよね!


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もちろんオタリアもうじゃうじゃ。

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魚市場に毎日、魚の内臓をもらいに行くちゃっかりオタリア。

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ほかにもプクサーナの魅力といえば、港に停泊する釣り船の色鮮やかさ…

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ここでも海鳥たちが、おこぼれをじっと待っています。

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 ただ残念なことに、漁港であり、海が豊かであることが、問題も引き起こしています。
 近年、どういうわけかペルー北部から、無数の漁船がプクサーナにやってくるようになりました。
 そしてそれらの漁船が、港の水をひどく汚染していることが、去年あたりから大問題となっています。


 この写真の上のほうに、もう水面が見えないほど、無数の中型漁船が停泊しているのが見えると思います。

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 でもちょっと前までは、こんなじゃなかったんです。
 たとえば2011年の同じ場所は、写真のようなのんびりした雰囲気でした。
 当時も、外部の漁船が少しは来ていましたが、ほとんどは地元の小さな釣り船ばかりでした。


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 昨年、プクサーナのお役所でいろいろ調べていたとき、たまたま修理を終えて海に戻る漁船にあいました。
 これも北部ピメンテルからはるばる来た船でした。


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プクサーナには、みごとな海蝕洞もあります。
ほんと楽しいところなんですけどねえ…


 気になっていた土地のほうは、その後一年以上待っても書類が揃わず(プクサーナの別荘地は境界問題が多いようです)、そのあいだに私たちのほうもいろいろ事情が変わってしまいました。
 プクサーナが好きで、また海の家がほしいのに変わりはありませんが、購入も家の建築も維持も、ぜんぶうんと手がかかりそうなこの物件は、やめて正解という結論となりました。


 60代70代にかけて使う家ですし(妄想〜)、もうちょっと平たい土地で、維持管理も人任せにできないと困りそうです。
 そして海水も、ペルーで望める範囲内できれいなところ、がいいですね、やっぱり。


<ペルーのプライベート・ビーチ問題>


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 プクサーナには高級会員制コンドミニアムもあります。
 先日、写真のコンドミニアム「ポセイドン」(名前がちょっと…(^-^;)の分譲地が、めずらしくお手頃価格で売り出されていたので、冷やかしで問い合わせてみました。


 すると、結局はとても高いとわかりました。
 土地代とは別に、クラブへの入会金が2万ドル!(約220万円)、また管理費も毎月1100ソル(約3万7000円)だそうで(ご参考までペルーの最低賃金は現在930ソル)、さらに購入前には、会員資格にふさわしい人間かどうか、こちらが審査されるそうです。
 たいへん恐れ入りましたと、すぐ引き下がりました(笑)


 写真は、そのコンドミニアムの「プライベート」ビーチです。

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 先日、ペルーの多すぎるプライベート・ビーチが謎、というお話をいたしましたが、やはり本当は、海辺はすべての国民のものだそうです。
 したがって、どんなお高い会員制コンドミニアムの浜であっても、法律上、船で上陸するのは自由だそうです。


 とはいえ実際には、わざわざいやな思いをするために、そんなことする人はいないでしょうけれど。
 また大抵のコンドミニアムでは、左の写真でもわかるように海中に網など張って、外部からの船や遊泳者が入れないようにしています…


 また浜までの道が一本しかないため、事実上のプライベートビーチ化しているところも多いようです。
 Google earthでコンドミニアム「ポセイドン」を見ると、ここも矢印の一本道しか進入路がありません。
 そしてこの道は、入り口に厳重な門があって、出入りを厳しく管理しているので、ポセイドンの会員以外はぜったいに浜までたどり着けないわけです。


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上の道から覗いたチョリージョスのレガッタクラブ
(13年前の写真なので、いまはきっともっとゴージャスかと…)


 要するに地元の人にしてみたら、いつも遊びに行っていた近所の浜が、ある日とつぜんコンドミニアムに組み込まれ、二度と入れなくなった、なんてことがほうぼうで起きているわけです。

 そこで以前、オンブズマン制度を利用して、コンドミニアムが私物化している浜を一般に開放するよう、多くの訴えが出されたそうです。
 (アシアのガビオタス浜、プクサーナのナプロ浜、プンタネグラ浜など)


 それに対するコンドミニアム側の回答が、なかなかふるっていました。
 いわく、それは公平ではない差別的な訴えである、と。


 「ペルー最初の会員制クラブ『レガッタクラブ』が各地に占有している広大な浜も、完全に私物化されているではないか。
 それなのに、後発の我々に浜の開放を迫るのは、差別である。
 まずはレガッタクラブのプライベートビーチを開放すべきであり、そのあとでならこちらもきちんと対応する」
 と回答し、結局そのままになっているらしいです。



 というのもレガッタクラブには、ペルーのエスタブリッシュメントを自認する財界政界の化けも…失礼、皆さんが大勢所属しているため、誰も手が出せないのですね。

 以上、昨年知り合ったリマ南海岸にめっぽう詳しい弁護士さんから伺った話の概要です。
 (私は裏はとっておりませんが、ものすごくペルーらしい、ものすごくありそうな話と思います!)


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 こちらはGoogle Earthで見たチョリージョスのレガッタクラブ。
 同クラブは、緑の線で囲った部分(チョリージョスの一等地)の海辺を、かんぜんに私物化しています。
 たしかにこれはちょっとひどいですよね…


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 でもペルーの場合、つくづく困ってしまうのは、こういった事実上のプライベート・ビーチと、公共の浜との落差が大きすぎるところです。
 夏休み中でも平日なら、公共の浜も写真みたいに空いていて、ゆっくり海を楽しめます。


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 でも週末には人でいっぱいになり、つけっぱなしのラジオが鳴り響く中、鍋ごと持ち込まれた料理やビール、こぼれた炭酸ジュースのにおいがあたりに充満し、おしめをつけた子供たちは普段着のまま海に入り、野良犬もそこらじゅうをかけまわり………


 プライベートビーチがほしくなる気持ちも、たしかにわかっちゃいますよね……

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 さいごにふたたびプクサーナ。
 高級会員制コンドミニアムでは、さいきん「サンセットバー」(笑)なるものが人気のようです。


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 リマの気候では、暑すぎるか寒すぎるかどっちか…の時が多そうではありますが、でもすてきはすてきですよね!
 いいなこのバブル感。


 とまあこんな具合に、今年も海にはぜんぜん行かずに、脳内海ばかり満喫しております!


2019年8月9日(金) 午後5時の室温・湿度17.9℃/81% 外気温と湿度16.7℃/85% 曇り
<さよなら、働き者のFIAT君!>



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 長年乗ったフィアット君と、今週とうとうお別れしました。
 「エル・ニーニョの炎天下のパンアメリカン道で立往生」という事件以来、遠出はちょっと…と思うようになりました。(そのときは例によって園芸店のフランクリン君に救出してもらいました)
 でも完璧に修理したので、あと二年くらいは使う予定でした。


 それが先週、なんとなく中古車ディーラーに見てもらったところ、すぐ売れてしまって、とつぜんのお別れとなりました。
 ペルーも最近はオートマ車ばかりなので、マニュアル車のフィアット君としては、ちょうど良い売り時だったと思います。



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10年間ありがとう!
泥まみれになってよく走ってくれました。



 ナンバープレートに宿六の個人情報?が書き込まれていたのも、愛着があった理由のひとつです。
 宿六の頭文字のうち二つと、ふたご座生まれを表しているらしい「2」。
 さらに購入時期(宿六44歳の2月)まで明記されている、というおもしろい偶然でした(^^)/
 このナンバーは一生忘れられませんね。



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 このFIAT Palio Adventureは、デザインはイタリアですが製造はブラジル。
 主にインドやブラジルでよく売れたらしく、そのせいかクーラーが猛烈にきく車でした、少し困るくらいに…


 全長4.3mと小ぶりながら、エンジンは1.8あって、ラゲッジスぺースも堂々の460リットル!
 最低車高はデータがありませんが、たぶん19か20。
 二人暮らしのペルーには、めちゃくちゃぴったりな車で、もうたまらなく便利でした。


 もちろん内装はプラスティックだらけ、贅沢感ゼロですが、そこがまたとてもアンデス向き。
 FIATの名から少々不安だった「変な故障」とかも、まったくの杞憂でした。


 第三世界向けゆえ、もちろん日本では販売されず、そのちょっとしたレア感(笑)もけっこう好もしかったです。


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「ぜんぶ入った!」


 四人分の大荷物もすっと収まる大容量!
 (pacollamaさんcalleretiroさんの御手と御荷物にだけ、特別出演していただいております)



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家の建築時も大活躍!


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 そしてつい先日まで、フルに働いてくれました。

 (パチャカマックというのはおもしろいところで、素焼きの鉢を焼いては売り、焼いては売りしているお宅、なんていうのが近所にあったりします。
 そこでは、文字通り焼きたてでホカホカしている鉢を、とても安く売ってくれます)



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 お別れしたフィアット君の先代も、同じモデルでした。
 うちの必要にぴったりで、外観も当時としては気が利いていて、宿六も私も好きすぎ!たからです。


 この二台のパリオ君が、ワロチリ、ナスカ、アレキーパ、プーノ、クスコ、ワンカーヨ、ワンカベリカなどなど、ペルーのあちこちにスイスイと連れていってくれました。


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 先代の、レトロ感あふれる青色のFIATエンブレムも、懐かしいですねえ。
 でもこのころはペルーのナンバープレートは黄色!で、どんな車も二割増しでカッコ悪く見えるのは残念でした…



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いまどきの素敵なコンパクトSUVのみなさま
(右端のフィアット500は違うけど、あんまりかわいくてついカタログを…)



 自動車を手放すときは、いつもとても寂しいです。
 パチャカマックでは、自動車なしで50代夫婦は生きていけませんから、まさに身体の一部でした。


 今年は猫たちも旅立っていきましたし、ああサヨナラだけが人生……と一瞬おちこみかけましたが、感傷にひたっているヒマはありません。
 残ったのは車高の低い小型車だけ、大至急フィアット君のあとつぎを探さないと、リマ以外のどこにも行けません。


 そこで今週は日・月・火・水と、自動車会社を手当たり次第にまわりました。
 もともとペルーではブランド数が限られている上に、ベンツとか高級車は最初からのけたので、ますます少なくなりましたが、それでも思った以上の台数を見ることになりました。


 必須条件は、小ぶりな車体、じゅうぶんな車高、大容量のラゲッジスペース、標高4000m以上でも惜しげのない頑丈さ、そしてローン不要なお手頃価格。

 今はコンパクトSUV大流行で、また独立記念日セール中でもあり、けっこう候補があるのではと甘く考えていましたが…
 これがなかなか難しい。ほとんどのコンパクトSUVは、とても都会向きな雰囲気なんですね。
 期待のフィアットも、パリオ君後継車が条件に合わず、すぐ脱落。



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車の好みは古くさい私たちですが…
これは大好き!大助かり!
背景はスペインのMadrigal de Altas Torresの鄙びた広場
(ぜんぜんカメラのいらない状況だけど!)



 しまいには頭がくらくらするほど販売店歩きをして、いろいろ浦島な発見もありました。
 スペイン旅行で借りたトヨタ車に後部カメラがついていて、わーさすが日本の技術!なんて思ってたのですが、今は大抵の車についているのですね〜
 ひえーぜんぜん知らんかった!


 余計な機能満載の車が多いのも、なかなかの驚きでした。
 いちばん面白かったのが、シトロエンやプジョーの、マッサージ椅子になる座席…(それって運転中に使う機能なの?)
 あとこれもシトロエンですが、運転席、助手席、後部座席と、それぞれ違う音楽が聴けるシステム、なんてのもありました。


 そういうのは本当に楽しいけど……なくてもぜんぜんいいですよねえ??
 よぶんな機能のせいで、不必要に割高になっているんじゃないかな、というのはどのメーカーでも感じました。
 車は元気に前に進めば、とりあえずじゅうぶんなのです…


 さて最終的には、やはり手堅く!むかしフィアット君を選んだときと、同じ精神で決定しました。
 つまり、「ヨーロッパブランドが第三世界向けに作っている、経済的かつ頑丈な車」、という路線です。
 じっさい私たちは第三世界の、それも都会じゃないところに住んでいますから、そういう車がやっぱりいちばん使いやすいです。
 二週間後(たぶん…)の受け取りが楽しみです!



2019年12月30日(月) 午後8時の室温26.0℃ 外気温22.7℃ 快晴のち曇り
<もしや猫たちの置きみやげ?>



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 悲しさも楽しさも際立った、その時々に生きていることをしっかり実感できる一年でした。

 昨年の暮れ、とつぜん猫たちに老いが現れはじめたころ、みちかマグノリアが初めてつぼみをつけて、大いに心をなぐさめてくれました。
 また年が明けると、初めて実生のティアレも咲いて、その香りが物悲しい日々を少し明るくしてくれました。


 なので秋の初め、4月5月にとうとう猫たちが旅立ったときには、「こんな悲しいことがあったのだから、今度はきっとハカランダが花を咲かせてくれるはず!」と思っていました。
 でも花期の11月になっても、葉ばかり茂って花はかげもかたちもなくて、内心ちょっとがっかりでした。


 ところがある日、緑一色のハカランダの足元に、なぜか薄紫色の花が落ちているのに気づきました。


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 木を見上げても花は見当たらず、またご近所にハカランダはないですし……まさか幻覚?…これもペットロスの症状?!
 少々あわてましたが、外に出てみてわかりました。
 よりによって壁のむこう側、お隣との境にある通路側にだけ、花が咲いていたのでした。



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 ちょっとひねくれた初開花でしたけれど、一度咲き始めればこっちのものです!
 来年がとても楽しみです。
 ぜひアルパカ謹製・新鮮肥料を、たっぷりといれてやりましょう。


 (落ちていた花がらは、もちろんすぐにアルパカたちが食べてしまいました)


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 通路といえば、こんな花も。
 庭ほどは手がまわらず、あまりに殺風景だったので、たまに思いつくと手持ちのサボテンをさしたり、余った花を植えたりしていましたが、いまやそれらが全部むくむく育ってジャングル化しています。


 特に育ちがいいのが、このヘリオトロープ。
 当地原産だけに気候がぴったりなのでしょうね、大株に育って一年中咲いています。
 あいかわらずごちゃごちゃホコリっぽい外から帰宅して、一歩門を入ると、ふわっとヘリオトロープの香りに包まれて、なんともほっとします。



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 またアスパラガスも、通路で大繁茂中です。
 細かな葉がもしゃもしゃしたのがアスパラガスの株で、右はしにあるのが、食べ忘れて育ちすぎた可食部です。


 もともとは、
 「忘れっぽい永吉君が、通路の水まきを忘れないようにするには、何か口に入るものを植えたらいいのでは?」
 と思ったのがきっかけです。


 これが大当たりで、永吉君一家はアスパラガスが大好きになり、おかげでけっこうまめに水をまいてくれています。
 私たちも何本か食べてみましたが、とりたてはまったく別の野菜!でした。



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 今はこうして、アスパラガスのこぼれダネもたくさん芽吹いています。
 来年は、車が通る幅だけ残して、あとは通路をぜんぶアスパラ畑にしてしまえ!と思っています。



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 庭のほうは、アルパカ強剪定の効果おそるべし!の一言。
 生き残ったバラがいま、咲きくるっております。



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 恩人?たるアルパカたちには、咲き終った花がらや、剪定した葉をちょいちょいさしあげています。
 小さな棘くらいは、まったく気にせず食べてしまいます。


 アルパカ好みの植物順位は、
 1)バラ(花と葉っぱ両方)
 2)桑の葉
 3)ビワの葉
 4)アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)
 のようです。

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 ものすごく喜んでくれるので、けっこう剪定作業の励みにもなっております。


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 さて、しだいに夏めいてきますと、こんどは昨年初めて咲いたみちかマグノリアが、また花をつけてくれました。
 今年は、お正月の庭、初夏のスペイン、暮れの庭、と、三回もマグノリアの開花に立ち会えました。
 さらにはもう一本のみちかマグノリアにも、いま初めてのつぼみがついています!!



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 何年たっても花がつかなかった、北米産のアスクレピアス(トウワタ)も、今年はとうとう咲いてくれました。


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 薄緑色で、芯がきれいな紫色の、ちょっとめずらしいトウワタです。
 くどい色が多いアスクレピアスの中では、とても品のいい花と思います。



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 そしてこちらは、なんとか立ち木仕立てにしようとしている、藤の苗。


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 これにもとうとう、初めてつぼみがつきました!
 どうも今年は紫花が、わが庭の独自テーマみたいですね。



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 品種もなにもわからない藤の苗ですが、短めの花房らしくて嬉しいです。
 長すぎる藤花は、あまり好みではないので。



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 なんだか庭が、やっきになってなぐさめてくれているようで、いろいろびっくりの一年間でした。
 いまや庭の一部となった猫たち(魂は空高く飛び立っていきましたが、ぬけがらは確かに庭の一部になっています)が、ちょっと手を(あのかわいい手を…)ちょいちょいっとまわして、花々を目覚めさせてくれたのかも、しれません。


 それでもやっぱりクリスマスは、物悲しかったです。
 クリスマスツリーのオーナメントには、若い頃の猫たちがいつもいたずらして遊んでいたので、今年はどうしても出して飾る気持ちになれませんでした。
 なのでツリーには明かりだけ灯し、あとはカーテンに新調のイルミネーションをつけて、それで終りにしました。



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 そしてきのうは、今年さいごの買い出し日。
 市場のパーティグッズ店は、新年用の黄色い縁起物でいっぱいです。


 その明るい色を見ていたら、少し元気が出てきました。
 そこで千円分ほどあれこれ買って、さっき寂しいクリスマスツリーに飾ってみました。


 「光る黄色いネクタイ」とか「光る黄色い蜂さんカチューシャ」とかは、お正月にアルパカたちにつけてみようと、もちろん思っております。

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「年末年始ツリー」もわるくないですね、けっこうかわいい!


 今年はペットロス予防のために、やや暴走気味ながらうんと遊んで、大正解だったなあと思います。
 今まで自分の人生について、えもいわれない「鳴かず飛ばず感」?のようなものを感じていましたが、思い切って遊んでいるうちに、どうもそれまで吹っ飛んでしまったようです。


 小学生のころ、学校で変な宿題が出ました。
 日本史上の、いつどこのどんな人物に生まれたいか、考えて作文に書きなさい、という課題です。


 私は一瞬も迷わず、
 「江戸時代の豪商の一人娘に生まれて、いつもきれいな着物やかんざしで着飾って、毎日おいしいお弁当を持って、歌舞伎やお能を見に行って、一生楽しく暮らしたい」
 などと書いて、あとで母にものすごく叱られました。


 「なんて気力のない、情けない子なんでしょう!
 同級生の優秀な〇〇君は、『僕は幕末の志士となり、日本の未来のために戦いぬいて、若くして死んで後世に名を残したい』と書いたそうよ。
 どうしてお前には、そういう気概というものがないのかしらね?まったくいい恥をかかされたわ」と。



     上をムーいて、桑を食べよう♪

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 いま改めて、55歳にして私は強く思います。残りの人生、やっぱり私は楽しく遊んで暮らしたい、と!(笑)
 結局私は小学校のころから、周囲から何を言われようと(周囲がまたずいぶんとうるさい環境だったのですが…)、がんこに自分でありつづけたんだな、という妙な満足感もあります。


 ちょうど今年のように、動物たちを心ゆくまでかわいがり、木や花を育て、たくさん旅行をして、言葉を失うほどきれいなものを山ほど見て、自分でもそれに負けないほどきれいなものをたくさん作る。自分のために作る。
 それこそが私の人生の目的だと、はっきりと認識、いえ再認識できたのは、もしかすると猫ショックのおかげかも?しれません。


 母よ(今生で母役を引き受けてくれた人よ)、きれいなものばかりを身近に引き寄せ、心からおもしろおかしく生きたいと思うのは、決して無気力のゆえではないのですよ。
 苦労をすることだけが、正しく偉い生き方ではないのです。私も身に覚えがありますが、たいていの苦労は、実は自分で好き好んで作っているのですから。
 そして、きれいなものに囲まれて、とことん楽しい生き方をするにも、やはりそれなりの気力が必要なのですよ…


 …あ、でも豪商の一人娘になるのは、今生では物理的にむりだから、豪商の奥さんというのはどうかな、宿六君?
 具体的な手段のほうはおまかせするので、来年も(…いえ、来年こそは…)どうぞよろしく!



 2020年は楽しい年になりそうです。
 みなさま穏やかな美しい新年をお迎えください!



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