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2020年8月‐11月 非常事態令下の「一服いかが?」
<その4>



非常事態令下のペルーえーかげんにせーよ日記

2020年9月4日(金)
(19)<8年目のミモザ>


2020年9月16日(水)
(20)<またまた意味不明な微調整>


2020年10月1日(木)
(21)<新たなる31日間のはじまりはじまり〜>


2020年10月14日(水)
(22)<リマもそれなりに新緑の季節>
<楽しい妄想 「海の家」 マラ川扇状地編(その3)>


2020年10月29日(木)
(23)<妖術師への道、第一歩>


2020年11月15日(日)
(24)<ビスカチャの次はメリノ羊かー>
(と思ってたらもう辞めちゃったけど)
<楽しい妄想 「海の家」 〜またふりだしに戻る編〜>


2020年11月17日(火)
(25)<こんどはカッシアを出してしまった…かも>


2020年11月29日(日)
(26)<楽しい妄想 「海の家」 マラ川扇状地編(その4)>


2020年9月4日(金) 午後10時の室温21.1℃ 外気温16.5℃ 晴れのち曇り
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(19)
<8年目のミモザ>



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空しく廊下に放置されたままの
湯沸かし器……


 非常事態令がさらに一か月、つまり9月末まで、意味もなく延期された当地ペルー。
 リマの場合は、引き続き夜間および日曜終日が外出禁止となっております。

 おっかげさまでわが家では、その後も冷水シャワー続行中です。
 結局一か月以上待って、やっと湯沸かし本体は受け取りましたが、それから一週間、取り付けの人が来る気配はまったくありません…


 前回、「水シャワーのおかげでさいきん風邪をひきません」などと威張ったとたん、天罰テキメンで熱を出し、数日ひっくり返っておりました。
 それがいつもの風邪だったのか、あるいはC君だったのか、まったくわかりませんし知りたくもありません。
 宿六の実家がミニクラスター状態になった直後でしたから、可能性はありそうですが、どっちにしてもリマの人は、たぶんもうほとんど全員かかってるんじゃないのかなあ?


 永吉君一家も、この冬はめずらしく家族全員が熱を出しましたが、幸いじきに治って、その後はみな元気にしています。

 ところで、ここ20年ほどペルーのニュースは見ていなかった私、今回の騒ぎで、初めて現大統領の苗字を覚えましたが(それまでは「ビスカチャ(アンデスの齧歯類)ぽい感じ?」という程度に認識しておりました)、あの人、なんかいちいち無礼ですよね。


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いつのまにか再開されていた
週末のオーガニック市


 だいぶ前に、「無責任なペルー国民とは違い、私はキチっとしているから風邪をひかないのだ」などとほざいていましたが、それだけでもお里が知れるというものです(…まあペルーの政治家は全員さいしょから知れてるけど…)
 まったく、感染者への不当な差別を、大統領じきじきに広めてどうしようというのでしょう。風邪なんか、だらしなかろうがキチっとしていようが、だれでもひくときにはひくわい。


 夜間や日曜だけの、極めて中途半端&無意味な社会隔離政策も、「だらしない国民がフラフラ遊び歩けないようにしてやる!」という懲罰じみたにおいがありありで、無礼にもほどがあります。もちろん私はペルーらしからぬ静かな夜は大好きですが、それはそれ、これはこれ。

 週末のオーガニック市も、そのあおりで、今はやむなく金曜と土曜に開かれているようです。
 C君などより、消毒剤をかけられて喘息発作を起こすほうが、わたしゃよっぽどこわいので、とりあえず宿六に様子を見てきてもらいました。


 すると、写真のように売り子さんは宇宙服スタイルで、お金は棒の先にくっつけた籠でやりとりし、更に払うお金も戻ってくるお釣りも、上からアルコールをふりかけるのだそうです……(クレジットカードにまでかけてた店もあった由…)
 また各出店の前には囲いがあって、厳しく人数制限をしているそうです…(同じ空間でそんなことして、ほんとに意味があるのかな?余計な手間で待ち時間が長くなったら、売り手も買い手もかえって風邪ひきやすくなるんじゃないかな…??)


 でもいちばん目についたのは、お客さん側のピリピリした様子だったそうです。
 とつぜん、腕をぐーっと伸ばしたどこかの奥さんに、「あっちいけ!」とどつかれたりしたそうなので、まだしばらくは買い出しは宿六にまかせようと思います。
 恐怖にとりつかれた人たちを見るのは、それだけでしんどいですから。



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 世間がどんなにおかしくなっていても、ありがたいことに季節は、いつもどおりに移り変わっていきます。
 みなさまのペルーナイト枇杷が、ただいま素晴らしいことになっております!
 実が甘く熟す前に、小鳥たちがつついてしまうのが残念ですが、それでも少しずつ味見して爽やかな酸味を楽しんでおります。



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 チャスキは、まだ枇杷の実が青いうちから、せっせと自分で収獲していました…
 二頭とも枇杷が大好物なので、小鳥につつかれた実は(つまり大半の実は)、アルパカたちのおやつとなっています。



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満開のミチカ桜。
後ろの緑は「ペルーナイト柳」です。



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 ミチカ桜の長い長いお花見シーズンも、そろそろおしまい。ほかより遅く咲き始めた、いちばん白い花の木も、もうすっかり葉桜です。
 きょう、たぶん今年さいごの白いつぼみが開きました。



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 かわって満開となったのがミモザです。


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 ミモザの梢でゆらゆらしながら、リマの冬らしからぬ陽射しを楽しむインコちゃん。
 昨年からブラブラと枝に残ったままの、タネ入りの鞘がお目当てのようです。


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 夜になっても香り高いミモザ。
 白い光が点々と写り込んでいるのは、リマ名物のガルーア、霧雨のつぶつぶです!



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 このミモザ、パチャカマックに引越してすぐ、フランクリン君に植えてもらったのでした。
 あれからもう丸7年になるのですね。



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 あのころは、ミモザもミチカ桜も小さくて、庭がガラーンとしていましたねえ。
 家も、見るからに新築です(右手の私の部屋なんて、このときまだ窓入ってないですよ…)
 丸7年の間に実にいろんなことがありましたが、やっぱり今がいちばん心が安定していて、毎日が楽しいです。
 アルパカと猫とよく育った木々に負うところ多し、です。



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 移植がむずかしいというミモザ、よくぞフランクリン君のテキトーな植え付けを生き延びて、こんなに大きく育ってくれました。
 だいぶあとになってからフランクリン君が、「長年園芸店やってますが、ミモザの移植がうまくいったのは、お宅だけです…」などと言うのでびっくりでした、知らなくてよかった。


 ミモザの花には、毎日無数の蜜蜂がやってきます。昼前に木陰に立つと、ミモザの木じたいがブンブンとうなっているようです!


2020年9月16日(水) 午後5時の室温22.1℃ 外気温18.9℃ 快晴!のち曇り
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(20)
<またまた意味不明な微調整>



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低糖質&手抜きケーキ。
ココナツ粉、アーモンド粉、卵、ライムの
電子レンジケーキと、
ラカント入り生クリーム


 自称「キチンとしている」ビスカチャ?大統領は、やはり汚職もキチンとしているらしい…と最近わかったそうですね、どうでもいいことですが。
 そのキチンとおじさんが、さきほどまたいらん発表をしたようです。


 それによりますと、日曜日の外出禁止令は撤廃、だそうです。
 ただし「感染拡大予防のため」、日曜日は自家用車では出かけちゃいけない由。いまさら感染拡大予防って、あーた……
 それに乗り合いバスで皆がこぞって出かけたほうが、よほど感染拡大するような気もしますけど…


 また夜間外出禁止令は、開始時刻がちょこっと遅くなり、夜11時から、だそうです。
 ただ集会や家族の集まり等の禁止は続行、だそうです。これもどうでもいいことです、誰も守っていませんから。


 今回のこの発表も、やはりいつも通り、「いっしょけんめい考えて働いているふり」にすぎず、実際には社会に余計な混乱を呼ぶだけの、ただの迷惑ですね。
 もう慣れたとはいえ、ちょっとムカっときたので、気分転換に低糖質デザートを作って食べました。



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枇杷の木にやってきたインコたち。
これもわりと低糖質デザート。



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 インコたちはかなり不器用で、食べながらポトンポトンと実を落とすので、それを学習したアルパカたちが急いで走ってきます。


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 そのアルパカの気配に驚いて、あわてて飛び立つインコたち…
 インコは数十羽でやってきますから、彼らに長居をされると、ほかの小鳥のぶんがなくなってしまいます。
 だからアルパカたち、結果的にいい仕事してくれてます。



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四種目のハチドリ到来!


 今までうちの庭に来るハチドリは三種でしたが、先週新顔さんが登場。住人が増えるのはほんと嬉しいなあ!
 colibri de cora(ホソフタオハチドリ)君ですが、私はずーっと、尾が長いからcolibri de cola というんだな…と思い込んでいました。
 でもさっき本をよく見たら、違うつづりで大笑い……とっても日本人的勘違いでした。


 学名(Thaumastura cora)に含まれるcoraは、18世紀おフランスのしょうもないインカもの小説(読んだことはありませんが、ほぼまちがいなくしょうもない小説でしょう)に出てくる、ある女司祭の名前をとってつけられたそうです。


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 冬のあいだは山で過ごすオウギオハチドリ君、今年は9月2日に帰ってきました。
 毎年必ず9月10日前後に戻ってくるので、とてもおもしろく思っていますが、今年はパチャカマックの上天気に釣られて、少し予定を早めたのかもしれませんね。


 さて、非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記も、(20)まで来てしまいましたが、ほんともう飽きたなあ。
 あと一回くらいで終りにできますように…



2020年10月1日(木) 午後5時の室温23.9℃ 外気温20.1℃ 晴れのち曇り
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(21)
<新たなる31日間のはじまりはじまり〜>



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今年はもう初夏になってしまったらしく、
早くも藤の花が咲き始めました。
昨年は三つだけでしたが、
今年は十以上つぼみがついています。


 庭仕事がはかどる季節なので、ちょっとご無沙汰しました。
 非常事態令は期待?通りまた一か月延長されまして、10月末まで、となりました。でもたぶん年末まで続けるそうです。
 もはや誰も決まりを守っていない、何の意味もない非常事態令ですから、この際もう永遠に出しっぱなしにしておくことにして、たまーに平常時令ってのを出すほうがいいんでないの??



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桑の実とミチカ桜のさくらんぼも
熟し始めました


 それから来たる10月8日の祝日は、「なし」になるそうです、「ペルーは今こそ国民の働きを必要としている、1日でも多く働け!」ということだそうです。
 半年以上も自由に仕事する権利を奪っておいて、それはないよねえ(だから私は現在の地球の民主主義なんてものは、ハナから一切信用してないのだ…)。


 いつもは二日間の独立記念日も、今年は同じ理屈で一日だけでしたが、うちの永吉君には、祝日はカレンダー通りにきちんと休んでもらいます。
 私ももとは、サラリーマンの連れ合い(前の連れ合いがサラリーマンだった…のではなく、今の連れ合いが元サラリーマンだったという意(笑))、ただでさえ少ない祝日を、勝手に減らされる不愉快さ、わかりすぎますから!



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枇杷の実はそろそろおしまい。


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というかインコたちの働きで、
早めに強制終了です…
こう大勢でやってこられてはね…



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いつのまにかずいぶん高いところで
花が咲くようになったナツメヤシ


 今花盛りなのは、ナツメヤシ。雄花には独特の粉っぽい甘い香りがあり、蜜蜂がたくさんやってきます。

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2015年3月、植えた直後のナツメヤシ。


 矢印のが、左の写真の大きなナツメヤシです。当時はこんなに背が低くて、幹もひょろっとしていました。
 日が射すと隠れるところがなくて、焼けつくように暑かった庭も、今ではナツメヤシの大きな傘にすっぽりと覆われて、とても過ごしやすくなりました。
 芝への水まきも、ずっと少なくてすむようになりました。これぞナツメヤシのオアシス効果ですね。
 うちでは主にアルパカたちが、そのオアシスの快適さを享受しています。まあ一応ラクダ科ですし、似合わないこともないか。



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 きのう中庭にやってきた、珍しいお客さん。
 とても人なれした様子だったので、餌付けしてみようかな、と思ったのですが…うちには炭水化物が、ぜんぜんない…
 何かないか?とわあわあ言っているうちに、ハシンタ二世が攻撃をしかけ、ガラス戸をバシっと叩いたとたん、飛んで行ってしまいました。
 まあこういう鳩はとっても大食いですから、居つかれても困ったかも。これで良かったのでしょう。



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 おかげさまで湯沸かし器は、先月なかばにやっと取り付け完了しました。が……
 半年もお湯を使わなかったせいで、給湯管が錆びで詰まったらしく、お湯がぜんぜん出ないという事態に…
 幸いだましだまし十日ほど使ううちに、自然と解決しましたが、なにやら非常に長ーい時の流れを感じましたです。


 そういえばこの6月、3ヵ月間の幽閉ののち、やっと自動車で外出できるようになったとき、門が錆びついて開かない!出かけられない!事件なんてのもありましたね。ほんっと変な年ですねえ。


2020年10月14日(水) 午前11時の室温23.1℃ 外気温19.9℃ 明るい曇り、もうすぐ晴れそう
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(22)
<リマもそれなりに新緑の季節>



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隔年で豊作になる桃。
今年はやる気たっぷりの模様。


 名誉なことに、人口比では世界一多く死者を出しているというペルーですが(*)、その後もずるずると規制緩和中です。

 ((*)ペルーでの死者の数え方には非常にあやしいところがあり、そのせいでペルーの印象がわるくなって、だいぶ損をしているような気もしますね…
 また藪医者の多さも大問題です。先日、永吉君の弟のひとりがコローナとは関係ない肺炎に罹ったのですが、近所の藪医者は一目見ただけで「これは新型コローナ」と断言、なにやら非常に強い薬を四、五種類も処方し、あやうくそれで弟君は重い健康被害にあうところでした。
 薬を飲めば飲むほど衰弱していくのを見て、案じた家族が試しに全部やめさせたところ、ただちに元気になったそうです。


 こういう医者を当地ではmatasanos(健康人を殺す医者)と呼びますが、リマではmatasanosがらみのひどい話を、本当によく聞きます。
 ペルー全体での死者数中には、matasanosの手にかかった人が相当数含まれているのでは…と思います…)


 国際線はとうとう、本当にとうとう、近隣のパナマ、エクアドル、コロンビア、ボリビア、チリ、パラグアイ、ウルグアイとの便は再開されたようですね。
 でも乗る前には、複数のわけわかんない誓約書にサインさせられたり(…誓約書がいったい何の役に立つというの???)、マスクの上から更にフェイスシールド着用とか、たいへんめんどくさそうです。


 やれやれ…これだけウィルスが蔓延した上に、密室状態で飛ぶ機内でフェイスシールドなど使って、意味があると本気で思っているのかなあ(ウィルスがピンポン玉くらいのサイズだというなら、わかりますけれど…)
 でも少なくともマスクは、機内でのお肌やのどの乾燥防止に役立ちますね。これからは、どこの航路でマスクを使っても、変な目で見られず助かりそうです。
 今まではペルー・スペイン間などでマスクをしていると、「悪い病気持ちなの?」という目で見られるので、照明が消えるのを待ってこっそり出したりしていました。



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米国産の、緑色の花が咲くトウワタ。
初夏の気分にぴったりな色です。
今年はタネをつけますように!


 ところでこの、非常事態令に伴う国境封鎖というのも、やはりペルーほどの大国(いろんな意味でね……)となりますと、なかなか徹底は難しいようです。
 現に二か月ほど前、宿六の実家で葬儀(コローナとは無関係)があったときも、なぜかいるはずのないブラジル在住親族が、ちゃんと出席していましたから…(ブラジル側は国境を開けているので、アマゾン川の船でちょろっと国境を渡ってしまえば、官憲には気づかれずペルー入国&出国できてしまうらしく…)
 世界中がこんなにおかしくなっていても、ペルーのテキトーになんとかしちゃおう精神が健在なのは、たいへんけっこうなことだと思います。


 さてその後もわがパチャカマックでは、百害あって一利なしの道路への漂白剤噴霧をガンガンやっています。
 それで私は引き続き家にいますが、買い出し係の宿六の話では、リマ市内では今なお、物々しい防護服姿でお買い物をする人が多いそうです。
 ろくに洗いもしない(ペルーの場合そうに決まってるかと…)マスクや防護服より、少し食事内容でも見直したほうが、よほど伝染病予防効果があると思うんですけどねえ。


 またスーパーマーケットのウォンでは、このたびあらゆる商品の返品を、一切受け付けないことにしたそうです。感染予防のためとか言っていますが、完全にただの便乗手抜きですね。
 で、先日宿六に化粧品購入を依頼したところ、「ウォンでは返品できないから、間違うといけないので」と言って、買ってきませんでした。コラおぬしまで便乗するな。



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ハカランダの葉っぱが伸びてきました。
来月(たぶん)の開花が楽しみです!
うしろには昨年のタネがぶらぶらしています。



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 門の外の通路に数株植えておいたアスパラガスが雑草化。じぶんでどんどん増えて、けっこうばかにならない収穫量となってきました。
 アスパラガスはよけいな世話をせず、ほっておいたほうがよく育つようです…
 ほぼ通年収獲できますが、やはり春のアスパラカスは格別においしいです、アスパラギン酸そのもの!という味です。
 この夏は通路のあいているところを(もうあまりないけど)、ぜんぶアスパラ畑化しようかと思います。



<楽しい妄想 「海の家」 マラ川扇状地編(その3)>



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第一印象、かなりいいです!
歩道も緑地も小さな池も、
きちんと手入れされているようです。


 前の夏、非常事態令が出る前に見物してきた物件をご紹介します。
 地下水豊富なマラ川扇状地の、下ブハマ浜(Playa Bujama Baja)にある海辺のコンドミニアムです。



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 地下水利用の小ぶりな池のまわりに、別荘地が配置されています。
 より正確には、湿地を宅地化するために、この池を掘ったのだろうと思います。排水できて景観もよくなり野鳥もやってきて、一石三鳥ということです。
 そして池のむこう、すぐのところが下ブハマ浜です。



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 池に面した別荘地。この水鏡を見ながら過ごすのは、とても気分よさそうです。
 波の音はかすかに聞こえる程度で、海が好きだけどこわい私には、ちょうどいい感じです。
 家は二階建てにすれば、水平線くらいはちらっと見えそうです。



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 以前訪問したマラ川河口近くのコンドミニアムは、中央の池は魅力的でしたが、敷地が広すぎて、あちこち荒れ果てていたのが難でした。
 でもここは小じんまりとしているぶん、手入れが行き届いているのが好印象です。
 ひとつだけ問題となりそうなのは、池に面した土地が、道よりだいぶ低くなっていること。池の前なのでしかたないですが、基礎工事には手間と費用がかかりそうですね。



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 この日は日曜だったので、ほうぼうのお宅で、家族連れが楽しそうに過ごしていました。
 家のデザインはけっこう自由らしく、ただ前庭スペースを残して、二階建て+屋上の白い家、というのは内規で決まっているようです。
 ほとんどのお宅では、その前庭に小さなプールを作っています。



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 敷地内にはプールつきクラブハウスがあり、また海水浴できる浜もすぐそこですが、それでもやっぱりみなさん自分の家のプールがいいのですね…


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こちらのお宅もミニプールつき。


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 この写真の左手の土地も、売りに出ていましたが…
 おとなりさんの、このむき出しのプールを見ながら過ごすのは、ちょっと気が進みませんね…



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 さて気になる浜の雰囲気は、どんなでしょうか?
 別荘地を抜けてぷらぷらっと数分も歩けば、もう海に出ます。無精者には、この近さはなによりです。



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 夏休み中の日曜日なので、もっと混んでいるかと思いましたが…


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 とっても空いています。
 夏のあいだ、コンドミニアムの住人はたいてい金曜午後にやって来て、日曜の昼すぎにはリマに引き上げてしまうそうです。



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 もちろんここも公共の浜、でもブハマ浜では2キロ以上に渡ってコンドミニアムが建ち並んでいるため、事実上のプライベート浜化しています。
 誰でも入れる上ブハマ浜から、わざわざ数キロ歩いて下ブハマ浜まで来る人はまずいない、ということですね。それだけに浜の清潔さもきわだっています。


 うーんいかん……ここはかなり気に入りました。わが家から車で片道一時間、というのも実に程いいですし。


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 入り口に掲示されていた、コンドミニアム住人のための、夏休み親睦パーティのご案内…


2月15日(土)、浜辺での親睦フィエスタにぜひご参加を!

<参加費> ひとり70ソル(…高い)
<費用に含まれるもの> DJと照明、給仕二名、会場の装飾、仮設トイレ二つ
<飲み物> 生ビール、ピスコ1本、ミネラル水と炭酸ジュース各1本
氷は一晩中供給、酒類の持ち込み自由
<席数> 10テーブル(各テーブルの定員10名)


お早目のご予約を願います



 こういうリマのパーティって……とうとう一生、何が楽しいのかわからずに終りそうです〜
 DJつきということは、話はできないほどうるさいでしょうから、要するにひたすら飲んで踊る…のか…?それも薄暗い浜辺で…?
 もしここに家を持ったとしたら(妄想発動)、夏の金曜土曜には、できるだけ来ないほうがよさそうですね。



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 海霧が押し寄せ始めたマラ川を渡って、おうちに帰ります。
 混雑するパンアメリカン道からは見逃しがちですが、この橋の上からの眺め、じつはなかなかの絶景です。


 1537年、クスコなど領地のぶんどりあいをしていたフランシスコ・ピサロとディエゴ・デ・アルマルゴが、最初で最後の?話し合い解決を試みたのが、このプレインカ遺跡でのことだった…とされています(少なくともこのあたりでは、そういわれています)。
 もちろんうまくいかず、翌年にはアルマグロが、41年にはピサロが殺害されたわけですが。あらむなし。


 昨年再訪したトルヒーヨ(スペインのほうのトルヒーヨ)出身のピサロやその取り巻きたちが、こんな辺鄙なところをうろついていたのかと思うと、感慨深いです。
 ピサロは、要はドサまわり人生でしたね。人のこと言えませんが。



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 河口近くには、こんな立派な海蝕洞も見えています。
 ここ、もっと近づいて眺める方法はないのかな?
 よくpacollamaさん夫妻がおっしゃることですが、日本なら名所になってお土産品店が立ち並びそうなところが、ペルーではぜーんぶほったらかしですね。



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 さてこの下ブハマ浜の物件は、かなり気になったので、数週間後また訪ねてみました。
 もし海の家を持ったら、人が少ない週のなかばにちょっと一、二泊、という使い方になるはず…(妄想中)。
 なので月曜の夕方、中に入れてもらいました。ちょうど夕焼けの時刻、やはり大きな水面があるといいですねえ!



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 夕暮れの海の様子が見たいので、まずは浜へ。
 先日以上にがらんとしていますが、それでも夏休み中なので、ちらほら散策している人影があり、さびしくはありません。



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 リマ界隈の海辺の、夕方、靄が海からそーっと寄せてくるこの感じ、大好きです。


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 きょうは一日、ほとんど人が来なかったのでしょうね。波によく洗われて、砂浜には海鳥とムイムイの足跡しかありません。


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 いいなあこの砂紋…
 むこうの別荘地(前回覗きに行ったあたり)に、明かりが灯り始めました。



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空が良い色に染まりました。


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 この浜は、波がとても穏やかです。
 また砂浜の傾斜も緩やかなのでしょうね、波がすぐには引ききらず、あちこちに水たまりが残るのがとてもきれいです。



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 広くて清潔な良い浜です。
 ここは今まで見た海の別荘の中では、私たちの条件にいちばん近いです。
 家から平坦な道を500mも歩けば波打ち際、ということなら、いかなめんどくさがりの私でも小まめに散歩に出られそうですし。



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なんだかさみしくていいねえ…
こういう小ぎれいなさみしさは大好き。



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 自転車で巡回している警備員さんと、あれこれ立ち話しているうちに、とっぷりと日が暮れました。


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 前の日曜、家族連れでにぎわってた家々も、今はしーんとしています。
 でもまったく無人ということもなく、私たちのような「落ち着いた年齢」(笑)の二人連れが何組か、静かに敷地内を散歩していて、それも良い感じです。



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 海辺で日没を見たあとは、赤道に近すぎる悲しさ、パチっと電気を消したみたいに一瞬で暗くなってしまいます。
 それがいつもとても物足りないのですが、でも家に戻って、また別の水辺の夜景を眺められるとしたら……いいですよねえ。



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 ありふれた作りの白い別荘が、アラビアンナイトの宮殿じみて見える水面マジック。いいなあ。いかんなあ。


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 リマではこの色の夕空が、なかなかゆっくり見られないのですよね。
 じっさいはうちと同じ緯度、暮れなずむ時刻の長さが違うはずもありませんが、それでもここではもう少しだけ長く感じました。


 そんな次第でそうとうに心引かれて、売り主さんたちに詳しい話を聞き始めたところで、楽しいロックダウンに突入!
 ロックダウン解除後も、お役所がほとんど機能していないため、何も進まず今に至っていますが、まあ慌てて決めるよりはむしろ良かったと思います。
 (たとえば支払い直後にロックダウンに入っていたら、貯金ゼロですごーーーく不安だったと思いますし…)


 今後状況がましになりましたら、またほかもあちこち見学しつつ、海辺暮らしの夢想を続けます。


2020年10月29日(木) 午後6時の室温24.9℃ 外気温20.3℃ 快晴!のち曇り
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(23)
<妖術師への道、第一歩>



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 ペルーの状況はあいかわらずで、非常事態令は11月末まで延長だそうで。笑って楽しむしかないですね。
 そうそう、新作のご法度で笑ったのは、「月火水木はかまわないけど、金土日は海(砂浜も石だらけの浜も海の中もぜんぶ)に遊びに行ってはならない。でも厳密に海中だけで行われるサーフィン、パドリング、ヨットなどは週末もOK」、というもの。


 えーと……サーファーって海中だけにいるわけじゃなくて、浜にも上がってきますよね…?
 それは良くて、でも砂浜を散歩するのはだめ、という理屈がよくわからないのですが……あっそうか、もし週末に海辺を歩きたかったら、陸サーファーの扮装で行けばいいってことですね? これだからペルー暮らし、面白くてやめられません。



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 さてもうすぐハロウィンですが、私のようにだいぶ年ふりてきた女性というものは、ある時期から魔女化が一気に進み、それとともに少しずつ魔力を持つようになるようです。本日は、私が先週、無意識にやってしまった妖術のお話。
 ひとつめは柘榴。ふつうの柘榴の花は、きれいな濃い朱色ですよね。



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柘榴の朱色の世界に文字通り
没頭するチャムネエメラルドハチドリさん


 でも先週、柘榴の品種を調べていて、ほとんど無色透明の実がつく、きれいな水晶柘榴の話を読みました。花も実も皮もすべて白っぽいので、三白柘榴とも呼ばれるようです。
 これは…と思い、すぐネットで探しましたが、ペルーでは苗もタネも入手できないようです。
 そこで、「ああ残念…でもいつかきれいな白い柘榴、手に入れたいなあ!」と大声で言って、そのまま忘れたのでしたが…



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幻覚かと思った…


 それからきっかり三日後…
 なんとなんと!庭の壁ぎわの、ふだんろくに見もしなかった柘榴の苗が、白い花を二つ三つ、つけているのを発見してしまいました!
 この花の色、写真で見た水晶柘榴そのものです。でも白柘榴を植えた覚えは、まったくありません、なのにいったいどうしてこんなことが?!



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チャスカもびっくり白柘榴


 うちの庭はもともと、柘榴だらけです。
 ざっと数十本のミチカザクロの生け垣や、鉢植えを移植したものや、そこからの取り木や実生苗…と、数えきれませんが、すべて赤い花が咲く品種です。


 でもほかに、2016年に取り寄せたタネからの苗が、たしか7,8本あります。
 「特別に大きな実がつくトルコの品種(花は朱色)」というふれこみでしたが、果樹をタネから育てても、親と同じものが出てくるとは限りませんから、まあおもしろ半分で蒔いたのでした。
 じっさい、芽吹いたものは育つ早さも棘のつきかたもまちまちで、庭のあちこちに植えたまますっかり忘れて、今に至っておりました。


 改めてよく調べてみると、タネの発送元は、トルコならぬ香港。
 中国には水晶柘榴が多い由ですから、そのタネが混ざっていても不思議はないですね。
 というか、適当にそのへんのタネを送ってきただけの、ほぼサギ商品だったことがバレたわけですが、私にとってはたいへん嬉しいサギでした!



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 …と、いうのが冷静な分析ですが、ここはやっぱり、ハロウィンですし魔術を使ってしまったと思いたいです。
 おそらく、私が「白い柘榴がほしい!」と叫んだ瞬間、まだ一度も花を咲かせていなかったあの苗が、「では私が!」と白いつぼみをつけたのでしょう。うん、そうだったに違いありません。


 急にほかの実生苗もありがたみが増して、ぜんぶよく調べてみましたが、今のところ白い花は一本だけのようです。
 ペルーでは貴重品、アルパカに齧られないようすぐ囲いを作り、ただちに「取り木」を始めました。こうしてそのへんの石で、ドカッと押さえておくのが、パチャカマック式です。


 柘榴の取り木は100パーセントうまくいくので楽しみです、いずれフランクリン君にも高く売りつけじゃなくて進呈しようと思います。


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 さてもうひとつのプチ魔術は、ハチドリです。
 リマ海岸部のハチドリ4種を庭に揃えたい、という野望は、先月実現しました。新顔の、尾の長いホソフタオハチドリ君、こうして毎日来てくれています。
 そして次なる野望は、ハチドリの宝石のような婚姻色を、うちの庭で見てみたい、というものです。



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 このオスのホソフタオ君、今はこんなに地味な姿ですが、繁殖期になると喉元が、キラキラと輝く赤紫色の羽毛で覆われるのだとか!
 また長い尾羽も、もっと立派な新品に生え変わるそうです。


 ここで問題となるのが、繁殖期です。リマ海岸部のハチドリについては、まったく情報がないので困ってしまいます。
 ただ、やはり婚姻色をもつオウギオハチドリの場合は、リマに滞在する9月から3、4月の間に、美しい婚姻色の羽毛をまとったところは、一度も見たことがありません。
 だからたぶん、冬のリマを離れて、暖かなアンデス斜面で過ごす時期に繁殖しているのでしょう。



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 ということは、ホソフタオ君の場合も、うちで婚姻色を拝見するのは難しいかもしれないなあ…と思いつつ、日々観察しておりましたが…
 … この写真、頸の付け根に、ピンク色が見えるような気が……?



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 あーやっぱり!光る赤紫色の羽毛が、数枚見えています!
 これは嬉しいです!アンデスやアマゾンなら、色鮮やかなハチドリなどいくらでもいるでしょうが、リマではまだ一度も見たことありませんから。
 でも羽毛二枚だけ…というところが、私の妖力の未熟さを表しているのかな?


 あるいは、もし魔術説をとらないなら、「8月か9月に山で繁殖した際のきれいな羽毛が、たまたま数枚残っていた」、ということかもしれません。
 しかしですね、「夏の海岸部での繁殖に向けて、いままさに婚姻色の羽毛が生え始めたところである!」という可能性も、ゼロではなさそうです。
 そうだといいんだけどなあ。でもとりあえずは、二枚だけでもかなり嬉しいです。



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 10月いっぱい、ほかのハチドリたちと熾烈なテリトリー争いを繰り広げていた、このホソフタオ君。
 うまい具合に、私の作業部屋のまわりを、領地として押さえたようです(きっとこれも、私の妖術が少し手伝ってます)。
 ちょうど窓から観察できるので、これから羽色に変化がないか、目を離さずにいようと思います。



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 ホソフタオ君は、少なくともオスがもう一羽、庭に来ています。
 こちらは婚姻色の羽毛がなく、尾がやや短めなので、たしかに違う個体です。
 メスのホソフタオさんは、ほかのハチドリのメスとそっくりなので、今のところ私には見分けがつきません。



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 こちらは、もっと尾が短く扇状の、オウギオハチドリ君。以前からの庭の常連さんです。
 ハチドリとしてはとても地味な姿ですが、彼も繁殖期には、喉元が猛烈に鮮やかなメタリックブルーに変わるんだそうで!
 リマの冬に、山寄りのシエネギージャやチャクラカヨまで行けば、着飾ったところに出会えるかな?



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 でもここ数日、珍しくオウギオ君がメスといっしょにいるところを、何度か見かけています。
 ハチドリのオスとメスは、ふつう繁殖期にしかいっしょにいないはずなのですが。
 これはもしかしてもしかすると、リマの夏に繁殖することもあるのかも…と、かすかーに期待しています。



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 その後も食事のほうは、淡々とグルテン抜き&低糖質を続けております。(さいきん宿六の妹も同じ道に入ったのですが、一か月で5センチもウエストが細くなったそうです!)
 先日は、葡萄の若葉がつやつやとあまりにもうまそうだったので、牛ひき肉を包んで、赤ワインとトマトペーストで蒸し煮にしてみました。



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これ簡単でおいしくていいな。
サラダは大好きなウイキョウ入りです。



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 こちらもあいかわらずの、即席低糖質ケーキ。
 アーモンド粉とココナツ粉、卵、ステビア、オリーブオイルたくさん(←これがコツ)を目分量で混ぜ、電子レンジでふくらませ、無糖ココア入り生クリームとラカントで仕上げ。これも簡単でいいなーー


 それにしましても、人生でいちばんめんどくさい料理には、なかなか魔術が使えません。
 でも、「なんで私が…」という被害者意識を、できるだけ持たないよう試していたら、あまりしんどさを感じないうちに、あーら不思議、もう料理が出来上がっている…ようになってきたんですよね。これも一種の魔術かもしれません。



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 季節感のある野菜がほとんどないリマでは、葡萄の葉は使えますね!
 金銅色を帯びた若葉をそのままサラダに入れたら、「甘みのない葡萄の味」がして、その不思議なおいしさにびっくりでした。アルパカたちが喜んで食べるわけです…
 夏のあいだも大いに料理に使いたいので、いま葉っぱをたくさん塩漬けにしています。



2020年11月15日(日) 正午の室温23.5℃ 外気温21.3℃ 高曇りの園芸日和
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(24)
<ビスカチャの次はメリノ羊かー>(と思ってたらもう辞めちゃったけど)



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リマ市内のショッピングセンターにて。
ペルーでこんな表示を見る日が来るとはね。


 わがペルーは大統領が罷免されて世間は大騒ぎ…らしいですが、おかげさまでパチャカマックは平穏です。
 罷免の翌日だけは、近所の商店が「新大統領を認めないぞ」と、抗議の閉店?をしたそうですが、そんなことしても自分が損するだけだと、みなさんすぐ悟ったのでしょう。翌日からは平常に戻りました。


 また今までずっと、「日曜は自家用車の使用禁止」というバッカバカしいご法度がありましたが、これは新大統領のメリノ羊が撤廃しました。
 街が空いている日曜に車で出かけられないのは、不便で大迷惑でしたので、とりあえずほっとしています。
 でもメリノ羊の首もあやしいようですし、もしまた大統領が交代したら、ご法度もぜんぶ復活しかねませんから、まあ三分の一くらいに聞いとこ…です。いつものように。


 →今まだ同じ11月15日なのですがー、さっきメリノ羊さん辞めたそうですね。軍部の後ろ盾も得られず、こわくなって逃げたかな?
 文字通りの三日天下で、コネの良いポストが夢と消えてガッカリのメリノ羊関係者も多そうです。
 ここぞとビスカラ(早くも前大統領から前々大統領になってしまった人)が、偉そうなこと言っているのが笑えますね。とやかくコメントできる立場じゃないでしょ…



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マスクとフェイスシールド、
それになぜかシャワーキャップ?
(それとも医療用キャップ?)で
重装備の買い物客


 先週、8か月ぶりにリマ市内へ行き、ペルー人がソーシャルディスタンスとやらをきちっと守っている姿に、びっくりしました。
 以前は、よく人がドーンとぶつかってきて、しかし「失礼」の一言もないのがふつうでしたが、今はすれ違いざま、飛びすさるようによけたり立ち止まる人が増えて、別の意味でずいぶんと安全な街に変わってました…


 今や接触を伴うあいさつを、いっさいしなくて済むのも、非常に快適です。
 ペルーで25年暮らしても、よく知らん人の頬にキスとか耐え難いものがありましたので。男性はヒゲが痛く、女性は口紅を、子供はよだれをつけてくるので、本当にあれは苦手でした…
 そういえば、土足で家に上がらない人も増えたようですし(永吉君の家でも日本式にかえた由)、こういったことはペルーに定着するといいですね。



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おつまみアーモンドの開花!


 先週嬉しかったのは、アーモンドの開花。
 市場のナッツ屋さんで買ったチリ産アーモンド(もちろん生)を、鉢に蒔いてかれこれ4,5年。今年になって初めて、つぼみを十ほどつけてくれました。
 リマでアーモンドの花を見られるなんて、それだけで大感激。はっきりした香りもあるのですね。



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 上天気つづきの今年は、とうとう冬中、モナルカ蝶がひらひらしていました。今は早くもベビーラッシュ、このぶんでは夏にはトウワタが足りなくなるかもしれません。
 いざとなったらカボチャをエサに養子をとることも、考えておこうと思います。



<楽しい妄想 「海の家」 〜またふりだしに戻る編〜>



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 前回ご紹介した、池つき物件のお話は、数週前にめでたく完全終了しました。
 価格交渉は成立、書類チェックに入っていたのですが、その期に及んで、「もっと高く払うという買い手が現れたが、どうするか?」との問い合わせが来ました。本当なのか、引っかけなのかはわかりませんし、どっちにしても失礼なお話ではありますが、まあペルーではよくあることです。
 それに私にとって、これは渡りに船…だったのでした。


 あのコンドミニアム、雰囲気も条件も、ほんとうに言うことないのですが……やはりあの池のせいで、蚊が大量発生するそうです。
 住民の苦情も多く、一度は池の埋め立てまで始めたそうですが、役所が差し止め、罰金だけとられて終ったそうです。
 そんな情報を得て、うーん参ったなあと思っていたところに、先方のほうで断る口実を用意してくれたのは、大助かりでした。



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 蚊にぜんぜん好かれない宿六は、少し残念そうでしたが、もし私が住んだら、まちがいなくご近所中の蚊を一身に引き受けることになります。
 非常事態令のおかげで考え直す時間ができて、ありがたかったです。


 でもやっぱりブハマ浜は好きなので、月曜にちらっと散歩に行ってきました。
 この日もお天気が良くて、リマの海の豊かな翡翠色が、とてもきれいに見える日でした。



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 前回の印象どおり、波がゆったりと引いては寄せる良い浜です。


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 いちおう月曜なんですけど、午後早くから、家族連れが何組も遊びに来ています。
 今年は学校がなくて(オンラインのみ)、万々歳!という子供も多いのだろうなあ。こういう子たちが、いずれ何か文学作品を残しそうですね。



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 この時点ではまだ、12歳以下の子は「自宅から500m以内&1時間以内の散歩」しか許されていませんでしたが(今日11月15日より撤廃←まちがい。時間制限のみ撤廃、でした。もとから誰も守ってないので同じことですが)、この子たち、たぶん日がな一日、砂浜で遊び暮らしてますよね。
 そのほうが風邪なんかひかない身体になって、大正解と思います。老人と子供こそ、新鮮な空気が必要なんですから。



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 少し歩くと、みごとに貝殻だらけのところにさしかかりました。
 リマの砂浜の多くは、ほとんど貝殻が落ちていなくて、たいへんつまらないのですが、ここは珍しく多いなあ!



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 種類は少ないですが、マチャ貝(concha macha)、ムール貝(choro)、マテ貝(concha navaja)、それにペルーの小型のホタテ貝(concha de abanico)…… おやおや高級食材ばっかりですね。海鳥や海獣のみなさん、良い暮らしをしているなあ。


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 波打ち際では、かわいらしいシギチドリが忙しくお食事中。手前の一羽は、よく太ったムイムイ(小さなカニの一種)をつかまえたところです。
 このムイムイ、庶民的な浜ではバケツ一杯ほど集めている人によく会いますね。
 茹でたりセビッチェにして食べるそうですが、私は今のところまだ試す勇気がありません。
 エビカニ系だから、きっとおいしいんでしょうけれど、ビジュアルがちょっとね。



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やっぱり初夏の水辺はいいなあ!


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 このシギチドリさん、ヒメハマシギか、ヒレアシトウネンでしょうか?
 そっくりで私には見分けがつきませんが、どちらにしてもシベリアやアラスカ!から、毎年9月ごろはるばる渡ってくる鳥たちです。



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 この貝殻が浜のむこうに、小ぎれいなコンドミニアムがあります。


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コンドミニアム前でくつろぐ
アメリカミヤコドリ夫妻


 すうーーっと引き寄せられて見に行くと、正面に砂山があります。警備員さんによると、高潮よけだそうです。
 冬季はまれに、波が敷地ぎりぎりまで寄せることがあるので、毎年冬の前にトラクターで砂をつみあげ、堤防がわりにするそうです。
 夏場はこれをまた平たくならして、そこにビーチパラソルを並べるそうです。



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 その砂山に登って、ちょっと覗いてみますと…
 砂浜から数歩のところに、ちょうど売地がありますね、むむむむむ…
 なんかしっかり看板と目が合ってしまいましたが、こういう浜から一列目の分譲地は必ず高くて、「ゼロが変に多いですね?」というケースがほとんどです。



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 でも目の前が、この浜ですかー!
 どうせ海辺に家を建てるなら、こういう高潮に飲まれそうなところで、海のきらめきを眺めて暮らしたい気もします。


 それに今はある意味、不動産探しの好機といえないこともありません。
 すべてがコネで動くペルーでは、トップ(たとえば大統領)の首がすげかえられると、お役所などの末端に至るまで、すべての顔ぶれがガラっと変わります。
 なので当分は皆さん、席取りゲームに夢中で、世の中なーんにも進まなくなります。


 こういうとき、ふつうの神経の持ち主は、ぜったい不動産など買いません。
 それだけに、いま急いで処分したい人が、思い切った価格をつける可能性も、ないわけではないのです。まあすべては時の運ですね。



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 それに私だって、未熟な魔術師とはいえ、少なくとも水晶ザクロはヒョイと出せましたから!
 あらゆる意味でピタっとくる海の土地だって、出せないと決まったものでもないかも。ためしてみる甲斐はありそうです。


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 日が傾いてきました。
 こちらはブハマ浜の北側にある、少し古風な海の家群。なんかいいねえ。
 コンドミニアムなので車では入れませんが、砂浜伝いになら行けるそうです。次回はむこうまで歩いてみようと思います。



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 帰り道、プンタ・ネグラあたりの高台にさしかかると、左手にクジラ島(パチャカマック島)がぽっかり浮かんで見えてきます。
 いつもふわっと良い気分になる地点です。


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 もうすぐ日が沈みそうです、ルリンでハイウェイを下りて、急いでサン・ペドロ浜に向かいます。


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 ぎりぎりで間に合いました。
 やはりこちらの浜でも、家族連れが早い夏休み??を楽しんでいます。きょう、月曜なんですけどね…
 前の夏、いちばん良い季節に家に閉じ込められた恨みを、みなさんこうして小まめに晴らしているのかもしれません。


 サン・ペドロ浜のクジラ島の眺めは、やはり格別ですね。
 長年、この島が見えるところに住みたく思っていますが、いまだに適当な場所が見つかりません。
 別荘地としては、もう少し南のタコが浜(Playa Pulpos)が良さそうですが、古くからの避暑地だけに、手ごろな分譲地はもう残っていません。
 売り家もまた、うんと古びたさみしい物件か、超高級物件かで、中間の程よいおうちはなさそうです。



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波打ち際からすぐのところに
仕掛けた網を調べる漁師さん


 先日も、タコが浜の一軒家広告を、少し探してみました。
 クジラ島がきれいに見渡せるテラスから、そのまま砂浜へ出られる…なんて魅惑的なおうちが何軒かありました。
 でもどれも、築20年以上にもかかわらず、お値段はもうちょっとで一億円…というあたりでした。
 残念ながら、まだケタをふたつ減らす魔術は身につけていません。当分クジラ島は、サン・ペドロ浜から眺めることになりそうです。



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 20年前、サン・ペドロ浜で出会った釣り人さんが、「ここでは砂浜から釣り糸をたれるだけで、大きなヒラメがとれますよ!」と教えてくれました。
 でもこの人たちは、本日のところはさしたる大物はとれなかったようです。


 今日はブハマ浜からまっすぐここに来て、ふたつの浜の大きな違いに、初めて気づきました。波の音がまったく違うんですね!
 サン・ペドロ浜は、海へ落ちる傾斜がきついため、もどす波がたてる音がザラザラザラ…と、ちょっと耳につきます。
 いっぽうブハマ浜は、かえす波も静かにそうっと流れていきます。どちらがいい、というものではありませんが、私はブハマ浜の穏やかさが好きです。



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初夏のまだ色の淡い夕焼けもいいなあ。


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セーロ・アスールの穏やかな波


 波が静かに寄せて、静かに引く浜…というと、セーロ・アスールもとてもいいですね。
 それにあのへんは今まさに宅地開発中、海の目の前の分譲地も、うまくすると150万円くらいから見つかるようです。
 でもパチャカマックから片道1時間40分は、私たちにはちょっと遠すぎます。40歳だったら飛びついたと思いますが。
 …だからといって、今40歳に戻っても困ります。あの頃は、その150万円がどこにもなかったですから。ねー、宿六君?



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今年こそ、今年こそ私も
この子みたいに
無心に海を楽しむぞ!


 「海の家」探しの旅は、それじたいが楽しくて癖になってしまいますが、でもそろそろ運命の場所を見つけて、腰をすえて楽しむほうに移行したいです。
 ほんとにもう20年以上も、探し続けていますので。



2020年11月17日(火) 午前11時の室温23.9℃ 外気温20.3℃ だんだん晴れてきました
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(25)
<こんどはカッシアを出してしまった…かも>



 本題に入る前に、まずは死ぬほどどうでもいいニュース。
 いちおう次のペルー大統領が決まった?らしいですね、なにやら国際社会ウケの良さそうな爺様が。
 でもあの顔写真を見て、二つの苗字を見て(バスク系+ドイツ系)、それから経歴をちらっと見ただけで、たぶんこれいちばんアカンやつ…という予感濃厚。


 しかしわが愛すべきハチャメチャペルーは、かつて天文学的インフレを生き延び、トレドを生き延び(…以下、豪華絢爛すぎるラインナップゆえ中略…)、いちばん最近では「世界一厳しく、世界一無意味なロックダウン」を生き延びたのですから、今回もどうってことはないでしょう。

 もともと地球の現行の民主主義は、巧妙かつ壮大な詐欺です。人類はもうそろそろ、別のやりかたを見つけ出さないとなりませんね(若い方々、気が向いたらがんばってね)。
 それを改めて感じる、一連のいつもながらの茶番劇でした。まだ終ってないけど。



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まだ道に漂白剤まいてるパチャカマック…
(PACHACAMAC INSALUBREの誤植では?)



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また幻覚かと。


 そんなパチャカマックですが、たまに突然、えらく良いことを思いついてくれます!

 アルパカよけの柵が完成してから、私は「もっと蝶が来る庭作り」に熱中しています。
 特にキチョウをたくさん呼びたくて、食草のカッシア(センナの仲間)に目をつけましたが、園芸店ではほとんど扱っていません。
 それでも苦労して(宿六が苦労して)数本を手に入れ、だいじに植えて喜んでいたのですが…


 先週、ひさしぶりにパチャカマックの町を通ったら、なにやら見覚えのある灌木が、ざっと百本ほども新しく植えてあり…


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 トラックに追い立てられ、停めて確認はできませんでしたが、これ、まちがいなくキチョウの幼虫の大好物、カッシアです!!
 偶然にしては出来すぎ、嬉しすぎです!


 いえたぶん偶然ではないですね、5、6年前にも似たようなことがありましたから。
 そのときはモナルカ蝶の食草トウワタが、どうしても手に入りませんでした、おそらくリマの人は、トウワタやカッシアなどアンデス原産の植物をあまり好まないからでしょう。
 そこで、はるばるオーストラリアからタネを取り寄せたり、いろいろ大騒ぎしていたら、ある日とつぜんリマ中で、トウワタを植え始めたのですよね。
 あのときも嬉しかったなあ。


 もしかすると、私には植物専門魔術師の素質があるのかもしれません。(でもできたら海の家も、カッシアみたいにパっとかるーく出したいけどね…)


2020年11月29日(日) 午後6時の室温24.9℃ 外気温20.7℃ 暖かな曇り(アンデスの雨の匂いがします…)
非常事態令下のペルー えーかげんにせーよ日記(26)
<楽しい妄想 「海の家」 マラ川扇状地編(その4)>



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 リマ市内は、あいかわらずこんな感じ。やれやれです。
 お役所も、こんな無意味な塩ビ幕など作る費用があるなら、そのぶん街路樹でも増やせばいいのに。
 「こうやって皆で討ち勝とう」と書いてありますが、「ウィルスを敵とみなして戦う」という発想じたい、苦しいばかりで先がないと思うのですよね。



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 政治デモもまた同様。
 ハカランダの花がほころび始めた上天気の広場に、ぜんぜん似合わない怖い顔の人たちが集まっています。
 ほんとはデモに参加するより、きれいな薄紫のハカランダでも眺めて、一時間ほどゆったり過ごしたほうが、世界はずっと手っ取り早く良くなるのですが。


 こちらが足掻けば足掻くほど、「敵」とみなした存在は、もっと強くなります。
 あのコローナ君に対しても、いま地球全体で、同じまちがいをしてしまっていると思います。



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 そんな人間界にはお構いなしに、お天気はどんどん良くなり、日に日にクリスマスと夏休みの気配が濃くなっております。
 一目で景気がわかるパンアメリカン道の看板は、まだまっくろくろですけれど。いま大きな広告を打っても意味がない、という企業の判断でしょうか。
 でもほんとにそうかなあ?事実上学校がない上に、いつもより早く夏が来たこの年末は、みなさんもう早々に海の家へ行っていますよ…


 車のフロントガラスに、私が放り出したマスクが写り込んでいます。
 ペルーでは、外出時のマスク着用は「義務」です。公共の乗り物の場合は、その上にフェイスシールドまでつけないといけないそうです。あらしんど。
 幸い私用車の中では、マスクをはずしてもかまわないので、助かっておりますが。



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 所用でセントロまで行った日。パチャカマックに戻る前に、このところ気に入っているブハマ浜まで足を延ばすことにしました。
 現在ほとんどのレストランは、テイクアウトか宅配のみですが、ブハマ界隈に一軒、座って食事のできる野外レストランがあるので寄ってみましょう。
 なんと八か月ぶり!の外食です。(つまり私の台所は、八か月間無休でしたの…)


 それにしてもこのお庭、ものすごい色どりですねー
 ペルーの皆さんの猛烈な色彩感覚には、つねづね恐れおののきながら暮らしておりますが、ここまでくると返ってちょっとかわいい…かもですね。



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これなんか、もはや少し好き…
と言っていいかも。



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 これも強烈ですが…ここには妙によく似合っています。
 それにしてもリマの人たちは、どうして濁った重い色が大好きなんでしょうね?
 ドタっとした黄土色とか、こういう人造ハム色とか、よく使いますよね。



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 店員さんはもちろん、この重装備。自動車を直しに来た…みたいな気分です。
 メニューも、手前の板に印刷されたQRコードの読み取り式。
 でも、「スマホ画面にメニューが出ても、50代のデリケートな目にはちょっと…」と渋ると、口頭で丁寧に、何度でも反復説明してくれます。
 うふふふそれじゃぜんぜん意味ないですね。



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 薪で焼いたパンが出ました。おいしそうですがもちろん見るだけ。
 さいごにパン(スペルト小麦の)を食べたのは、昨年12月のスペインでしたが、その後一年、ぜんぜんほしくならなかったなあ。グルテン依存症からは完全に脱却したようです。



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 チチャロンと丸焼き豚を注文。
 ここは人気店らしいですが、味はぎりっぎりなんとかセーフ、という程度。
 でも八か月ぶりに、座っていて食事が出てきただけでも、とりあえずわたくしは満足でございます。



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 食事よりずっと感動したのは、掌より大きなりっぱな蛾が、ブーゲンビリアの間をふわりふわりと舞っていたこと!(たぶんLetis属)
 ほかのお客さんの真上にとまったので、なんとかディスタンスが強要される昨今、近づけなくて残念でしたが、焦げ茶と青紫の、なかなか美しそうな色模様の蛾でした。
 パチャカマックの庭でも、夜の暗がりの中、鳥でもコウモリでもない何かがヒラヒラ飛ぶことがありますが、やはりあれは大きな蛾であったか?!



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 レストランの庭のバクヤギクの茂み。鮮やかすぎてめまいがします。
 手がかからない強い植物で、ハデハデな上に蜜蜂も喜ぶようですし、これなんか永吉君の庭にどうかな?


 永吉君一家はたいへんな無精者揃いで(←これは批判ではなく、単なる観察結果の叙述)、自分の庭をぜんぜん活用せず、いつも見苦しく荒れ放題にしているので、ちょっと困っています。
 でもこういう手間いらずの花を植えておけば、なんとか形がつくかな?…と思いましたが、バクヤギクはネズミを呼ぶみたいですね、別の候補を探しましょう。



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 レストランを出るとすぐ、パンアメリカン道沿いに海のコンドミニアムが並んでいます。
 空き地だったところも、きれいに整備されて看板が出ています、ここにも新しいコンドミニアムができるようですね。
 すぐむこうはブハマ浜です(以下「ブ浜」と略します)。



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 今日訪ねるのは、蚊のわく池のない、小規模なコンドミニアムです。
 敷地内に一歩踏み入れたとたん、ふわっと潮風と波の音に包まれ、びっくりです。
 すぐうしろはパンアメリカン道なのですが、ハイウェイの轟音も波の音で掻き消されて、とても静かです。



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 ここの分譲地は、ぜんぶななめに海のほうを向いて並んでいます。前庭は思い思いに、小さなプールを作ったり、バーべキューコーナーにしたり。
 白壁でさえあれば、家のデザインもかなり自由なようです。
 どの家からも水平線が見える、というのが、ここの売りですね。小さなコンドミニアムならではの利点です。



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 それでもやっぱり、最前列のおうちは最高ですね。すぐ目の前(写真では左手)が砂浜ですから。
 この写真のお宅は、まったく同じ作りの家が、二軒くっついて並んでいます。
 手前のほうは売りに出ていて、広告によると一階と二階が、入り口の違うアパート式になっているそうです、なかなか賢い作りですね。


 敷地は200uで、一階に4寝室、4浴室、居間、食堂、台所、中庭で、11人!泊れるそうです。二階も同じで、つまり一軒丸ごとで22人収容可能!
 日本人的には驚愕の間取りですが、まあペルーの海の別荘としては、平均的なあたりですね…


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 このお宅のすぐ右手に、まだ家の建っていない売り地もあるのですよね…
 ほぼ真西を向いていて、ここからはさぞ夕焼けがきれいに見えることでしょう。



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 その分譲地から海のほうを見ると、こんな感じです。
 家の前の芝地がけっこう広いので、コンドミニアムにありがちな長屋っぽい雰囲気は、まったくないですね。


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波型の柵のむこうは砂浜です。
ここに家を建てたら、
二階からは水平線が見渡せるはず…



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 夏休みに向けて、あの高潮よけの砂山を、ちょうど平たくならしたばかりのようです。
 トラクターのタイヤのあとが残っています。



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 先日と同じアメリカミヤコドリが、今日もコンドミニアムの前でくつろいでいます。
 砂浜に見える白っぽい堆積物は、海鳥たちが食べちらしたムイムイの殻。つまり少なくともそのへんまでは、波が押し寄せる、ということですね。



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 柵を出て数十秒で、波打ち際です。
 あいかわらずブ浜は、広々としていいですねえ。
 たったいま走っていった人の足跡を、波が急いで洗っています。



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見よこのプランクトン豊富な海の色!


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 ほとんど人気のない木曜日の浜を、若者が気持ちよさそうに駆けていきます。
 世界に伝わるペルーのニュースは、コローナ人口比死亡率が世界トップクラスだとか、一週間で大統領が二度も交代したとか、怒った国民が全国でデモをやっているとか、そんなお話ばかり。
 でもそれはそれとして、自分の人生はめいっぱい楽しんでいる人も、またたくさんいます。私も常にそっち側にいたいです。



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 前回会ったヒメハマシギかヒレアシトウネン(まだ見分けがつきません)のほかに、今日はミユビシギとキョウジョシギも来ています。
 夏のはじめは、海鳥がどんどん増えていく季節です。
 みなさんうんと遠くから渡ってきて、エサが豊富なこの海で、ほっと一息、体力回復しているところですね。



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 お隣のコンドミニアムでは、砂浜に木道を設置中。
 これも夏休みに向けての準備ですね。いつもどおりの初夏の情景、ほっとします。



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 さっきから数人の若者が、長い浜を何往復もしています。はだしでとても気持ちよさそうです。
 たしかにこの浜は、石がなくて砂も細かく、コンドミニアムが多いおかげで掃除も行き届いているので、はだしで走っても大丈夫そうです。



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 少し風が強く、よく泡立っているきょうの海は、先日よりもっとキラキラしています。たまりませんねえ。


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 でも好みは、ほんとうに人それぞれ。
 このコンドミニアムでも、浜よりもプールに近い分譲地のほうが、早く売れて、早く家が建ったようです。
 特に小さい子がいるお宅なら、海からは遠いほうが、むしろ安心かも?
 それに夜に照明されたプールの魅力も、また格別ですし。



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 笑顔がかわいい警備犬?(それともコンドミニアム住民の飼い犬?)のブッシュ君。
 お名前からして噛む犬なのか?と思いましたが、人懐こいそうです。


 このコンドミニアムは、ペットOK物件です。
 (夏の長期滞在が基本の海の家で、ペット不可なんて鬼ですか?!…なんですけど、でもけっこう多いんですよね。
 前の池付き物件もペット不可でした、犬を連れてきている人を見ましたけれど…)


 また水は地下水で、海に近いので多少塩気があるそうですが、それもまたちょっとタラソテラピーぽくて魅力ですね。
 その塩水を撒いているわりに、ガザニアはよく育っていますね。…そうか、永吉君の庭でも、ガザニアならなんとかなるかも?当地ではもちろん多年草ですし。



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 帰路、マラ川を渡ってすぐのあたり。
 乾いた砂地と岩山のあいだに、色鮮やかな緑の畑がぱーっと広がっていて、通るたびにハッとします。



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 今日はまだ明るいので、よく見えましたが、トマト畑のようですね。
 しかしこんな乾いたところで、水はいったいどうやって確保しているのでしょう?



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 気になってGoogleEarthで確認したら、近くに溜め池がたくさんありました。
 なるほど!ここもマラ川扇状地の、豊かな地下水の恩恵を受けているのですね。


 リマ近辺の海辺のコンドミニアムは、ほとんどの場合ほんとうの沙漠に作られ、水はうんと遠くから引いていて、そこに一抹の不安を感じます。
 その意味でも、地下水が豊かなマラ川扇状地の物件には、大いに心惹かれます。今のところ思いつく唯一の欠点は、クジラ島が沖に見えないことだけですね…



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 さて、ブ浜のコンドミニアムで見たガザニア、さっそくたくさん買ってきました。
 それとハイビスカス、ランタナ、アフリカンデイジー、そしてみなさまのペルーナイト枇杷の二世を3本(実生苗)、永吉君の庭に植えました。
 雑草だらけの空き地状態だったところが、少し庭らしくなりました。


 永吉君は花は大好きで、あげれば大喜びで植えるんですけど、そのあとの世話はしないのですよね…
 でもこの顔ぶれだったら、きっと水さえやれば元気に繁茂してくれることでしょう。



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 私のほうの領分では、ハカランダが咲き始めました。
 昨年は泣く泣く眺めたハカランダの初開花、今年は動物たちに賑やかに囲まれて、嬉しく眺めております。
 ミチカ・マグノリアのつぼみも育ち始めましたし、今日からはもう待降節。ほんとにまもなく、妙ちくりんな2020年も終りですね。



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