2022年1月〜4月 非常事態令下の「一服いかが?」

<その9>


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非常事態令まだやってんのかいペルー日記

2022年1月6日(木)
(62)<三賢王さまご一行、無事のご到着!>

2022年1月10日(月)
(63)<2022年の抱負 「家でボロすぎるボロを着るのはやめる」>

2022年1月11日(火)
(64)<百合子ちゃんの「海」びらき>

2022年1月28日(金)
(65)<話題の映画、 『大統領実習生』…>

2022年1月30日(日)
(66)<40歳以上全員に、ブースター接種強制ですと>

2022年2月8日(火)
(67)<ハッピーバレンタイン!>

2022年2月15日(火)
(68)<リモートDIY…もしくはDIB!>
   <おひげ君とミミちゃん登場!>


2022年4月5日(火)
(69)<トゲトゲしいお話>

2022年4月12日(火)
(70)<非常事態令は増殖す>
   <樹脂粘土の沼 CPukllay(アンデスの収穫祭)>


2022年4月22日(金)
(71)<マスク時代の終焉??>
   <セマナサンタはいつも快晴>



2022年1月6日(木) 午後8時の室温25.5℃ 外気温22.9℃(快晴のち曇り)
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(62)
<三賢王さまご一行、無事のご到着!>



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 12月24日に、並んで「クルスパタ」を登り始めた、三賢王さまご一行…


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 年明けには角を曲がり、三が日も夜も休まず、進んでいきます。


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 ベレン(ベツレヘム)へは一本道ですが、万が一にも三賢王が迷子にならないよう、道路標識を作りました。
 上にはベツレヘムのお星さまがくっついていて、「こっちですよ!」と案内しています。



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 1月4日、身軽な馬を駆って、まずはメルチョールが聖家族の御前に到着です!
 ラクダと象も、翌日には追いつくことでしょう。
 (道路標識型「ベツレヘムのお星さま」は、リバーシブルにしてあるので、こうして道の方向が変わっても大丈夫です)



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 そして今日1月6日。三賢王が揃ってベツレヘムに到着し、幼子イエスへのお目通りも叶いました。

 ところでふつう三賢王の人形は、メルチョールが膝をついて、あとの二人は立っている。もしくは三人とも動物の背に乗ったまま。そのどちらかです。
 でも私は、動物の背に揺られたあとで、ちゃんと降りて幼子に挨拶させたく、どうしたらいいかだいぶ考えました。


 その結果がこれです!
 みなさまは、三賢王がどうやって地面に降りたか、おわかりになりますか?
 (ベンハー君と百合子ちゃんは、理解するのに少し時間がかかり、作者としてはちょっとばかり「しめしめ…してやったり!」気分でした)



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馬から降りて、
跪いて挨拶する長老メルチョール


 こたえは簡単!
 三賢王の足の部分を、それぞれ二種類ずつ、作っておいたのでした。



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 ラクダから降りたバルタサールは、感動のおももちで、その場に立ちすくんでいます。
 腰のところに隙間があるので、組み立て式なのがおわかり頂けると思います。



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バルタサールの後ろ姿


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 こちらは、横座りしていた象から降りた、ガスパールの立ち姿。
 ガスパールと象は最後に作ったので、手もだいぶ慣れて、結局いちばんうまくできました。
 全員もう少し、すらっとした姿にしたかった…ような気もしますが、クルスパタは石だらけで不安定なので、背が低いほうが安定して正解でした。


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ガスパールの後ろ姿


 この年末年始、夜更かしして三賢王の衣装を描き込むのが、たいへん楽しかったです。
 長年じぶんは立体は苦手、と思いこんでいましたが、私は粘土遊びのほうが、絵よりずっと好きかも?!
 57歳にしての新発見です。



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 クルスパタへの据え付けは、辛抱強い宿六の担当です。


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 ごそごそ作業しているところに、ちょうど百合子ちゃんとお父さんが外から戻ってきました。
 なぜかいつも、ぴったりのタイミングで出てくる家族です。


 今日は近所を一走りしてきたそうです。もう二年も!学校に行っていなくて、どうにも身体がなまってしかたないので、これからは少し気をつけるそうです。
 ほんとに次の新学期からは、校舎での授業が再開されるといいのですが!
 元気な子供が家にとじこもっているのは、見ていてかわいそうです。



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 クルスパタの最下段は、「三賢王専用駐車場」に模様替えです。
 駐車場の案内板も作りました。



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 「三賢王専用駐車場『ベツレヘムのお星さま』。水とムラサキウマゴヤシの無料サービスあります…だって。うふふふ…」
 と、看板を読み上げる百合子ちゃん。



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 こちらが当「ベツレヘムのお星さま」駐車場の、サービス品になりまーす。
 カエルが喜んで泳ぐほど澄んだ井戸水と、ムラサキウマゴヤシ、ニンジン、リンゴの盛り合わせ。無限おかわりOKです。


 リンゴ好きな百合子ちゃんが、「このリンゴ、ほんものみたい…」と感心してくれました。
 きのう思いついて、深夜に慌てて作った甲斐がありました。樹脂粘土とアクリル絵の具だと、あっというまに形になるのがいいですね。



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 これから数日間、馬と象とラクダさんには駐車場でお休みいただきます。なにしろ帰路も長いことですし。
 でも背中があいて、ちょっと寂しいので、いまさらですが積み荷を作りました。三賢王が幼子イエスに持ってきた贈り物です。


 左から、金銀財宝を詰め込んだ木箱と、ザクロ模様の壺におさめた没薬、そして乳香入りの金の香炉、となっております。
 それぞれ象、ラクダ、馬に背負ってもらいましょう。



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 以上すべてを「駐車場」に並べると、こうなりました。
 初年度にしては、けっこう賑やかになったでしょうか…でも次のクリスマスには、もっといろいろ飾りたてたいです!
 いくらでも思いつきが浮かんでくるので、もう今すぐにでも作り始めたいくらいです。


 クリスマスシーズンさいごの日の、気持ちの良い夕暮れどき。
 こうして仕上がったクルスパタを見ながら、しばしベンハー君と立ち話をします。
 「ほんとにこのクリスマスは、今までに経験のない、なにもかも特別なものでした!」とベンハー君。



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 横でニコニコ聞いている百合子ちゃんに、「クリスマスは何がいちばん嬉しかった?」と聞くと、間髪入れず「プレゼントー!」とこたえます。
 でもそのあとちょっと考えて、「…やっぱり一番は、イルミネーション。二番がごちそうで、三番がプレゼント!」と言い直します。
 要するに、みんな気に入ったってことですね!私たちも立派に?じいさんばあさん役を果たせて、たいへん満足です。


 その百合子ちゃん一押しのイルミネーションも、ふつうは今日6日でおしまいです。でもうちでは今週末いっぱいは、ピカピカさせておくことにします。
 もし宿六と百合子ちゃんにまかせたら、一年中つけておきかねないですけど、1月2月と暑苦しくなっていきますので、まあそれぐらいが頃合いでしょう。



2022年1月10日(月) 午後6時半の室温25.8℃ 外気温24.4℃ 快晴!のち高曇り
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(63)
<2022年の抱負 「家でボロすぎるボロを着るのはやめる」>



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 年末は、スペインで見て気になっていた Pan de Cadiz(トゥロンの一種)の、お砂糖なし版を試作しました。

1)アーモンド粉 250g、ラカント 200g(結果的に入れすぎ)、卵白2個分をよく練り、室温で数時間寝かせます。
2)卵黄クリームcrema de yema(後述)と、干しイチジクをはさみ、テキトーに成形し、上に卵黄を塗って250℃で15分ほど。焼き色がついたら出来上がり。


 卵黄クリームは、本場では100gのお砂糖でシロップを作り、そこに卵黄6個を混ぜて作るとか。
 私はかわりに卵黄4個、ラカント50g、サイリウム小さじ2杯、お湯少々を、湯煎しながらよく混ぜたところ、かなりクリームらしくなりました。



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マドリードの菓子店で見た
どっしりおいしそうなPan de Cadiz


 写真のPan de Cadizには、卵黄クリームと、甘く煮詰めたサツマイモがはさんであるようです。
 小麦粉ゼロですし、ぜったいおいしいと思います。が、気絶するほど甘いでしょうね…


 また本来は、白っぽい生のアーモンド粉を使うようですが、私は皮つきで炒った粉を使ったため、いくぶん違うものになりました。
 でもじゅうぶんおいしかったので、これは年末の定番化しそうです。



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 パチャカマックの、まばゆい年末風景…
 ベンハー君のところでは2019年の暮れ、縁起物の黄色い下着を初めて買ってみたそうです。
 でも年明けに、いっしょに洗った衣類がぜんぶ黄色に染まり、そのあとすぐコローナ君が流行り始めたので、「あれは縁起がわるいです、買うもんじゃないです」と、さほど冗談でもなさそうな顔で言っていました。


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 大晦日の晩は、外の通路でちょっとだけ花火を燃やしました。
 おやベンハー君、さっそくスペインの牛シャツ、着てますね!



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 ささやかな中国花火ですが、ベンハー君喜ぶ喜ぶ!

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 ほんと嬉しそうですねえ。
 世界の物流大混乱のあおりで、昨年はペルーに届く花火も少なかったとか。大晦日にはもうどこも売り切れで、ちょっとしか買えませんでした。
 次の年末は、もっと大々的にいきたいですね。



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まあ今日のところは、
これくらいで許してやるか。


 さて、百合子ちゃんたちと楽しく過ごした年末でしたが…
 …ん?…ちょっと待った…そういえば……と気づいたのが、例年通り(笑)クリスマスも年末も、宿六から私への「三次元の物質を伴う感謝の表明」は、何もなかったこと。
 そこで直ちにイサベルさんの園芸店へ連行、車に入るだけの植物を買わせ、いちおう溜飲は下がりました。うちの車はリアシートを倒すと1500リットルの容量があるので、こういうときは大活躍です。


 しかしですね、それなりの年齢の奥さんの、一年分のごきげんをまとめてとろうと思ったら、バッグか靴か、宝飾店か海外旅行か高級レストラン、もしくはその全部乗せがふつうだと?思うんですけど、まったく宿六は運がいいです。

 そんな自分を口惜しがりつつも、お店でペルペトゥア(イモーテルとかカレープラントとも呼ばれるHelichrysum italicum)を見つけて大喜び!
 長いこと、ペルーにはないと思い込んでました。それで、スペインの原っぱから「たまたままちがえて持ち帰ったタネ」を蒔き、ばっちり失敗して、いたくがっかりしていたのでした。



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あるじゃん!あったじゃん!


 と、一本10ソルのペルペトゥアで喜ぶ私。もっとも最低50本は買わせますが…

 お店ではいつも花なしで並んでいるので、同じ銀色系のサントリーナやラベンダーと紛らわしく、それで今まで気づかなかったんですね。
 呼び名も当地では「クリー」(カレーのスペイン語読み、とほほ…)だそうで、道理でperpetuaやsiempre vivaの名で問い合わせても、誰もわからなかったわけです。



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 エストレマドゥーラの貸家で、嬉しく摘んだ野の花。右上の黄色いのが、ペルペトゥアです。
 周囲の邪気をすっきりと払ってくれそうな、強く澄んだ香りです。



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 まず数本植えただけで、空気の香りが変わりました!初夏のスペインにまた来ちゃったみたいです。
 いま庭は、マグノリア、ラベンダー、スイカズラ、ジャスミン、バラが揃って満開で、うっとりするような甘い香りに包まれています。そこにペルペトゥアが野生味を添えて、もはやここは五月のグレドス山中?!という爽やかさ。



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 年が明けるとすぐ、今度は結婚記念日です。久しぶりに数えてみると丸19年で仰天しましたが(よくがまんできたなあ…お互いに…)、もちろん気のきかない宿六は、なにも用意なんかしてません。するはずもないですし、慣れないことはしてもらわないほうが返って無難。そこでまた園芸店へ。

 お店のイサベル奥さんはさいきん、ブルーベリー栽培をやめた農家から仕入れたとおぼしき、みごとな大株ブルーベリーをたくさん持っています。
 でも年末にちょっと留守をしてから戻ると、従業員の怠慢で、写真のうしろに見えている通り、みな葉が茶色くなってしまったそうです。(幸いこれくらいで枯れたりはしないそうですが、復活させて売りものにするには時間がかかります)


 でも中に一本だけ元気な株があったので、それを買うことにしました。150ソルのところ、「もう袋が破れかけてるし……じゃ100ソルでいいです」ということに。 つまり19年目の結婚記念日のプレゼントは、100ソル分。とはいえ19年目のジルコニアなんかもらうよりは、ずっと嬉しいな。


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力持ちのイサベルさんが、
えいっと手押し車に載せて運びます


 宿六もあいかわらずですが、こちらペルーも、年が暮れても明けてもあいかわらずです。
 虚弱化コローナ君(ことオミクロン君)のせいで、なぜか年末年始だけ海辺が閉鎖されたり、夜間外出禁止令がまた夜11時からに早まったり(それじたいは個人的には大歓迎)、政府の仕事してるフリもあいかわらずです。幸い今のところ、生活に支障のない程度のご法度群ですが。


 また大統領は昨年中に早くも、くびのあたりがスースー寒くなってきたようですね…思った以上に早く腐敗が進んでいるもようです。
 今の大統領と比べると、あのトレドやウマラのほうが、まだしも経済わかってたんじゃない?なーんて思ってしまうのも情ないことです。政界は下を見るとキリがないですね。たぶんどこの国でも。



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毎年のことながら、
クリスマス気分から一転、
真夏気分へと切り替えるのが、
ちょっとばかしむずかしいです


 しょうもない世の中とは無関係に、私は2021年は一昨年よりさらに落ち着いた心持ちで、自分の世界にこもって過ごしました。
 ロックダウン経験をきっかけに、朝起きたとき「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」と思ったことは後回しにして、いちばん気が向くことを優先する、というのを始めました。すると、半生どこか濁って滞っていた創造力が、ゆったりと自然に流れるようになり、とても快く感じます。
 なので2022年の抱負とか達成目標とかは、なにもありません。毎日その日になってみないと、自分がいちばんしたいことがわかりませんので。


 でもひとつだけ、抱負と言えるかもしれないのは、「宿六も私も、普段着をすこしはマシにする。あまりといえばあまりなボロはもう捨てる」ですね!
 くたびれた外出着を普段着にしていましたが、よく考えてみると、私たちはほとんどいつでも家にいます。だったら家でこそ、気分よく新しい好きな服を着るべきですよね。



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猫たちもお土産の紙袋が
とても気に入ったそうです


 でも実行上の問題となったのが、宿六の普段着なるものを、どこで買うか?です。
 リマのデパートで扱っているのは、中国製の化繊の服が多く、真夏も家で仕事する人には着心地わるそうです。中国製ではなくて、自然の繊維でお値ごろで着やすい服って、いったいどこで探せばいいのでしょう…
 すると宿六が言いました、「ならば中国とモメてる、あのファストファッション・ブランドはどうかな?」


 コーヒー豆屋への近道なので、よく中は通っていたお店ですが、初めて品物を手にとってみると、インドやバングラデシュの麻や木綿の服がいろいろあって、たいへん助かりました。宿六もこれで涼しい夏を過ごせます。
 (ついでながらショッピングセンターでは、ワクチン証明のチェックは超いいかげんで、ほとんどの係員は見るふりだけしてました。あたりまえですよね、本気でなんかやってらんないですよね…)


 私のほうは、家に閉じ込められた二回の夏のあいだに、大好きだった夏服がどれも微妙に古びてしまったので(涙)、当面はそれをとっかえひっかえ楽しんで着ます。


2022年1月11日(火) 午後7時半の室温26.2℃ 外気温23.6℃ 快晴!のち曇り
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(64)
<百合子ちゃんの「海」びらき>



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だんだん水位が上がっていくのを、
そわそわしながら眺める百合子ちゃん


 befor...もとい永吉君一家が、切り刻んで捨てていってくれた備品のプールを、新調しました。
 でベンハー君は、娘の百合子ちゃんに、「来週になったら組み立てるから」と約束したそうですが、それを不服とする百合子ちゃんに、毎日毎日恨みがましくジトーーーッと見つめられるのに耐えられず、本日めでたくプール開きとなりました。



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 「水がいっぱいになったら、私が井戸のモーター、止めにいかないとならないから…」と言って、すぐには入ろうとしない百合子ちゃん。
 そこで先に、アヒルに入ってもらいました。



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アヒル君たち、気持ちよさそう!
飾りに黄色いランタナを
散らしたのは百合子ちゃん。



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なかなか魅惑的な水色です…


 折り畳み式プールも、けっこうデザイン良くなりましたよね。プールタイルっぽい模様で、ぜんぜんわるくないですね。


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 百合子ちゃん、とうとう我慢できなくなって水に入ります。
 結局井戸のモーターは、姫のしもべ(お父さん)が止めに走ります。



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「私このプール好きーーー!」
と叫ぶ百合子ちゃん


 プールのサイズ選びにはだいぶ迷いましたが、これならちょうど、一家みんなで入れそうですね。


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 「赤ちゃんが寝付いてくれましたー」と、お母さんのゼラニウムちゃんが出てきました。そして、「百合子は、まだ海に行ったことないんですよ」と言うのでびっくりです。
 この一家、海からほど近いパチャカマックに、もう7年は住んでるはずなのですがー!


 …でもふだんの暮らしぶりから、だいたい想像はつきます。ゼラニウムちゃんとベンハー君は、筋金入りの出不精の私が驚くほどの、もうケタ違いの出不精夫妻なのです。
 お休みの日曜ですら、まずめったに外出しませんし、買い物に出たとしても、「どうも外は苦手で…」とか言って、あっという間に戻ってきます。
 住み込みの庭師さん一家がこんなだと、私たちには安心でありがたいばかりですが、百合子ちゃんはちょっとかわいそうですよねえ。



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巻貝も見たことなかった百合子ちゃん。
「これ水に入れて大丈夫?」と
かわいく聞いてきました


 この夏も、もうずっと「今年こそ海に行こうよー、連れてってよー」と百合子ちゃんにせがまれているそうですが、「赤ちゃんがもうちょっと育ったら」とか、「オミクロン騒ぎがもうちょっとおさまったら」とか、次々に新しい言いわけを見つけては、先延ばししているようです。
 海くらい連れてってあげなさいよ、サン・ペドロ浜ならうちから車で15分じゃないの。ぐずぐずしてるとまた夏が終っちゃうよ、ベンハー君…



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 でもこのプールで、百合子ちゃんもしばらくは気が紛れそうですね!
 せめてもう少し海の気分が出るように、貝殻セットもあげました。「巻貝に耳をあてると海の音が聞こえる」というのも、百合子ちゃんはぜんぜん知らなかったそうです。


 …実は宿六も、今日まで知らなかったのですがー、もう大威張りで、まずはゼラニウムちゃんに試させます。
 両耳にそっと巻貝をあててあげると、「うわあ、水の音がする!川が流れているみたい!」と、ゼラニウムちゃん立ち上がって驚きます。
 百合子ちゃんも貝に耳をしっかりあてて、「すごーい、水がこっちに来るよ!」と、しばし聞き入っていました。
 子供のころ、「波の音が、貝の中に録音されているのかなあ?」と思ったときの、なんとも不思議な気持ちがよみがえってきます。



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 しばらくしてからまた様子を見に行くと、百合子ちゃんまだ漬かってました。
 プールの底のあちこちに、貝殻をいかにバランスよく配置するか?…に熱中しているようでした。


 百合子ちゃんは、新しいプールに入れたての、この澄んだ井戸水みたいに、ひたすら明るく透明な印象の子です。へんなふうに媚びたり、いじけたり、人の表情を探ったりするようなところは、かけらもありません。
 きっと今回初めて地球に生まれて、何もかもが珍しくて嬉しいまっさらな魂なのか、あるいはもう何度も生まれて悟りを開いて、やっぱり何もかも嬉しくなってしまった魂なのか、たぶんそのどっちかなんでしょうね…と、会うたびに思います。



2022年1月28日(金) 午後7時半の室温25.5℃ 外気温22.9℃ 曇り
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(65)
<話題の映画、 『大統領実習生』…>



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話題の新作映画、
大統領実習生』!


ペルー全土にて大絶賛?!延々上映中!!!


 いつものように、宿六からの又聞き話ですが…
 ペルー大統領のカスティージョくん。とあるインタビューで、
 「私は今まで誰からも、統治のしかたを教えてもらったことがありません。いま練習しているところです」
 と、臆面もなく言ってのけたとか。わははははは……まあね、統治のしかたをまるっきりご存じないことは、わざわざご本人の口から伺わなくても、すでにペルー中が知ってますけどね。


 で、その直後に宿六の同窓生からまわってきたのが、このフォトショ作品。
 原作は知りませんが、がっくり…と肩を落とした格好が、某大統領の芯のもろさをよく表しているような…(どうせなら公開日も、昨年のペルー独立記念日にさしかえたいところですが…)



 さーてコローナ君関連でも、久々にお話ししたくなるほどすてきな新法令が出ました!

 この1月23日から50歳以上の年寄りは、「ワクチン三回接種済み証明書」を提示しない限り、ありとあらゆる屋内施設に入場できなくなる、というものです。私たちはもちろんばっちり該当者です。

 ここでちょっと振り返ってみますと、ペルー政府が初めてワクチンパスポート強制に踏み切ったのは、昨年の12月15日から、でした。
 私たちは仕方なく、その日にぎりぎり間に合うように、二回の接種を終えました。たぶん同じことをした人、けっこう多かったんじゃないかと思います。
 そしてそれから「わずか1か月と1週間後」に、今度は50歳以上の三回接種完了が、事実上の義務となったわけですが…


 うちの場合、それって物理的にムリです。というのは二回目を打ったあと、最低三ヵ月は待たないと、三回目は接種できない決まりだからです。
 つまり私たちは、この1月23日から三回目が打てる3月上旬まで、屋内施設にはどこにも入れない、スーパーやデパートやホームセンターにも一切行けない、もし会社勤務だったとしたら出勤もできない…ということになるわけです。
 しかも近日中に、この制限を「40歳以上」に広げる、との噂もありますから、二つの矛盾する法令の板挟みで困っちゃう人は、ますます増えそうですね。


 そもそもがブースター接種なるものは、二回の接種完了後〇ヵ月(←諸説あり)がすぎると、免疫効果が落ちるのでまた打たねばならぬのだ、というのが当局様のお理屈ですが、新法令はそれとも矛盾しています。
 本当にそれが正しいなら、二回目完了後まだ一か月半の私たちは、コローナ君に対してもうバリッバリの免疫力を発揮しているはずです。それなのに、なんで屋内施設に入っちゃだめなの?ってことですね。



 でももしかすると、私たちのような法令の狭間の難民用に、早めに二ヵ月くらいで三回目を打つサービス、あるのかも?(…ペルーだからそこまで気はまわらんでしょうが、まあ聞いてみるだけでもいいか…)」と、ペルー保健省にも一応確認してみました。すると、

 「二回目接種後、最低三ヵ月がすぎないと、三回目接種は絶対にできません。法令でそういうことになっています」ときました、やっぱりね。

 「じゃあまだ一か月半しか過ぎていない私たちは、どうしたらいいんでしょう?これからの一か月半、スーパーで買い物もできないってことですか?」

 「残念ながらそれも法令なので、どうしようもありません。…えーっと、でも行けば打ってくれる注射会場が、あるかも…しれません。でもたぶんやっぱり、だめな可能性のほうが高いでしょうね…法令ですから。以上終り」との、歯切れの素晴らしすぎる回答をいただきました。どうもありがとう。


 では実際には、どれくらい新法令は徹底されているのでしょうか?おもしろそうなので、買い物がてらようすを見てきました!
 幸い大切な週末の野菜市は、外なのでワクチンパスポートは必要ありません。またもっと大事なお肉や魚介の専門店は、間口が狭くて、店に足を踏み込まなくても支払えそうですから、たぶん大丈夫。


 入店できるか疑わしいのは、大きな屋内施設ですが、まずスーパーマーケットは、私たちが行ってみた三か所ではまったく問題ありませんでした。
 入り口の係員が、「二回」接種完了の証明書またはスマホ画面を、チラっと見たふりをしただけです。


 次に大規模ショッピングセンターは、少なくとも車で行く場合、入り口でのチェックは一切ないため、とりあえず建物への入場は自由です(うわーもうそこからして、すでにワクチンパスポートの意味、何もないよねえ)
 そのあと内部のスーパーやデパート、ホームセンターの入り口で、形ばかりのチェックがありますが、いずれもチラっと見るふり…だけでした。


 唯一、妙にうるさかったのが某H&Mで、一階入り口で「三回接種が終ってない年寄りは帰れ!」と言われました。いえ、実際その言葉でいわれたわけじゃないですが、要は同じことですから…
 でもその係員氏をとっつかまえて、二回目接種後まだ一か月半であること、今は三回目を打ちたくても打てないこと、法令じたいに大きな矛盾があることをざっと説明したところ、すぐ論破&入店できました。


 またショッピングセンター内のその他の小さなお店は、ほとんどの場合、証明書のチェック要員じたい、いないようでした。


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「奇妙な人間界へ、私のすてきな
あっかんべえを贈ります!」


 おそらくリマのほとんどのお店は、そんな感じかと思います。購買力のある50代以上のお客を追い返したところで、自分が損するだけだものね。そんなことすら、今のペルー政府は想像できないようですね。
 もちろん銀行やお役所となると、すぐ身分証明書をチェックされちゃうので、そうはいきませんが、幸い私には今のところ用はありません。なのでこのままずるずるやりすごし、入店できるところで買い物し、一か月半したらまたいやいや注射して来るとします。


 ほんと何もかもアホらしくて疲れます。いつまでこのバカバカしい空騒ぎが続くんでしょう。ただの人災です。
 (でも注射会場の親切なおばちゃんに再会するのは、ちょっと楽しみです)



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 お話かわって。台所前のぶどうは、かつてブルゴーニュ種の黒ブドウだと騙され(怒)、植えてしまったレッドグローブ種です。
 房は立派ですが、大味でキュウリみたいに固くておいしくありません。でも今年は、日本式に粒をぐっと減らし、袋もかけて大事にしたところ…



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 別の木?!と思うほど、甘くておいしいぶどうが実りました!
 レッドグローブをおいしいと思ったのは、初めてです。ベンハー君一家も感心してくれて、奥さんが作る果物は甘いね、ということになり、なんか鼻が高いです。日本の園芸本ありがとう!
 あと肥料出してくれたアルパカたちもありがとう!



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 チャスキ君のおかげで大発生したモナルカ蝶は、ただいま続々とさなぎに変身中です。
 ありとあらゆるところで蛹化するので、うっかりできません。このモナルカ様はごくまともに、安全な瓦を選びましたが、地面に置いたバケツや植木鉢のふちなんかを選ぶ、恐れ知らずのモナルカ様もいます。
 今はななななんと、私の長靴の内側にもひとつぶらさがっていて、しばらくは長靴つかえません…せめて履く前に気づいて良かったけど…



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壁面にうまいことぶらさがったモナルカ様。
こういうこともできるんですね!



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 こちらはポーチの格子戸です。ここでは羽化時に、猫か七面鳥が狙うのでは…と気になっていましたが…


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 今朝めでたく羽化し、きれいに翅がのびるとすぐ、庭へ飛び去ってゆきました。
 メスはいつも半日くらい、文字通りはねをゆっくり休めてから飛び立つので、これは男の子だったようですね。うちで楽しい蝶人生、送ってね!



2022年1月30日(日) 午後5時の室温25.0℃ 外気温24.0℃ うすら寒い曇り日
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(66)
<40歳以上全員に、ブースター接種強制ですと>



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こうならないといいんですけどね。なりかねませんね。
変幻自在の風邪ウィルスにいちいち対抗してたら、
腕が何本あっても足りません。


 私が憤慨していた、50歳以上へのブースター接種強制の件ですが、きのうまた法令の中味が変わりました。23日に出たばかりのご法度が、29日にはもう変わるんですから、つきあいきれません。
 で今度は50歳じゃなくて「40歳以上」全員に、事実上の三回接種強制、ということになったそうです。


 ただ、「二回目接種と三回目接種の間は、最低三ヵ月あけること」という先行法令は、幸いにも優先されることになりました。
 したがって私たちも、3月上旬にいやいや三回目を受けるまでは、二回接種の証明書だけで、屋内施設に入れます。


 どうして最初から、そう但し書きをつけなかったんでしょうね?小学生でも気づくレベルの不整合なのにね。
 しかし阿呆船状態の今のペルーにしては、公布後6日で気づいて直しただけ、むしろ上出来と言うべきか…?
 私も屋内施設に行くたびに、「入店を阻止されたら、すぐ論破したる!」とファイティング・モードに入るのは疲れるので、まあ良かったです。


 ……いえいえ、いえいえ、ぜんぜん良くなーーい!ワクチンって、そうそう何回も打ちゃあいいってものなんですか?
 前の前の前の大統領、「世界一厳しく世界一無意味なロックダウン」をやらかした、あのビスカチャやろ…もとい、ビスカラ氏をご記憶でしょうか?
 2020年に、「私はだらしないペルー国民とは違って、キチーンッとしているからコローナに罹らないのだ!」とほざいて、大いに呆れさせてくれたあの御仁です。


 ビスカラ氏はその後まもなく、試験段階のワクチンを、ナイショで二回打ってもらってたことがバレて騒ぎとなり、そのあと更に二回も接種を受けたそうですが、にも関わらずすでに二回、コローナ陽性になったんだそうですね。
 いやー四回も打って、二回陽性ですか。自分で言うほどには、キチーンッとはしてなかったのかな。



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ペルーのご法度はコロコロ変わりますが、
わが家のモナルカ様状況も
負けずに日々変わるので目が離せません。


今は宿六の部屋の窓が大人気!
計1ダースくらい蛹がぶらさがっています。


 いまペルーでいちばんの話題は、先日のサッカー試合でコロンビアに勝ったこと。(宿六がたまたまその日、コロンビアの取引先に電話したところ、いくらかけても出ないので変だなと思っていたそうです。おそらく、ペルー人とだけは話したくない気分だったのでしょう…)。
 そしてその次に、REPSOL社の原油流出事件、です。


 原油流出に関しては、現在の地球の、極めて原始的なエネルギー状況では、ペルーに限らず起きるときには起きてしまう事故ですので、私には何も意見はありません。でもペルー政府の初期対応は、期待以上!でしたので、それはちょこっとだけ…

 先週、ペルーの環境大臣さまご一行が、問題のタンカーへ聞き取り調査に出向いたそうです。
 しかしタンカーの船長はイタリア人、船員はほとんどがインド人で、共通語は英語のみ。船内ではスペイン語は一切通じない状況だったそうです。
 そしていっぽうのペルー政府の大臣様ご一行は、なんとだれひとり、英語がわからなかったそうで…………
 たまたま、ちょっとだけ英語がわかる議員が同行していたので、その人がテキトーに通訳したそうです。…って、そんなんで済ませていいの?!


 まったくこれでは、黒船襲来時の江戸幕府より遅れてますね。今のペルー政府には、「こういう大事なときには、ちゃんとした通訳を連れて行くものだ」という常識すらないのですね。イタリア人船長も、Quanta ignolanza...と驚いたのではないでしょうか。
 まーったくカスティージョ大統領も、「私は無知蒙昧な無経験大統領です」!って開き直ってていいのですかねえ。個人的には、けっこう楽しませてもらっておりますが。



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 さきほど、観葉アスパラガスにぶらさがった、新しい蛹を見つけました。
 若緑の上に、くっきりとした金と黒の模様…何度見ても感動します。くだらんニュースで曇った心が洗われます(笑)



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 こちらは蛹化後、二週間ほどたって、もう羽化直前の蛹です。
 白、黒、オレンジの翅のもようが、はっきりと透けて見えています。飛び立つ準備万端!という感じですね。



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 今朝、オリーブの枝で羽化したばかりのモナルカ蝶(♀)。
 ふつうよりずっと黒みがかった翅で、ものの本によると「ペルーアンデス南部に多い地域変異」らしいのですが、パチャカマックにはよくいます。



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 あ、ここにもぶらさがってる!
 蛹は完全防水なので、大丈夫と思いますが、いちおうしばらく水やりは控えましょう。


 私の長靴内の蛹のほうは、きのう見たら無事に旅立っていました。これでまた長靴使えます。
 きょうはまだ、日暮れまで少し時間があるので、モナルカ様に食い荒らされたトウワタの刈り込みをしてきます。そうするとまた葉が出て、再び次世代モナルカ様のレストランになりますので。



2022年2月8日(火) 午後6時半の室温25.1℃ 外気温23.3℃ さわやかな晴れ
非常事態令まだやってんのかーーーいペルー日記(67)
<ハッピーバレンタイン!>



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「さいきんためして旨かった、
カッシア風味のキッスを贈ります!
…げっぷじゃないよ、キッスだよ!」


(アルパカのチャスキより)


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「毛づくろいがうまくいくと、
たまにこんなハートが出てくるの。
見られたあなたは超ラッキー!」


(ハスミン二世より)


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「14日の晩のごちそうは、
きっとチョコレート色の鶏レバー?
今から舌なめずりのハシンタをよろしく!」


(ハシンタ二世より)


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「ハートの落としもの、見ーつけた!
チャスカがおいしく頂きます!」


(アルパカのチャスカより)


2022年2月15日(火) 午後7時の室温26.2℃ 外気温23.7℃ 快晴(やや涼しく爽やかな夏です)
非常事態令まだやってんのかーいペルー日記(68)
<リモートDIY…もしくはDIB!>



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 旧パンアメリカン道の材木屋さんで、宿六がとつぜんパレット(物流用パレット)を買ってきました。


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 いろんな会社の製品がありますが、Europalletというのが、薬剤ではなく熱処理しているので安心だそうです。
 ルリン地区での価格は、80×120cmのパレットが一枚18ソル(約550円)。
 ざらざらした材木ですが、モミやオーク材なので、このお値段ぜんぜんわるくありません。リマのそのへんの材木店で、どんな処理をしたかわからん板を買ってくるより、よほど信用できると思います。
 ほかに3メートルの角材(一本15ソル)も、何本か買ってきました。



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駐車場でベンチを試作するベンハー君と、
視察を終えて帰っていくアルパカたち


 これで何を作るかといいますと…まずは「小さな家」用のベンチの試作です。正確には、「ベンハー君に」試作してもらいます。
 私たちがアイデアを出して、図面も探して、でも作業はベンハー君にやってもらう……
 これを略して、DIYならぬDIB(Do it, Ben Hur! ベンハー君やってくれ!)と申します。ドバイ・イスラム銀行ではありません。



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 大工経験はないと言ってたベンハー君ですが、なかなかの器用さを発揮して、半日でささっとベンチを作ってしまいました。
 そこでベンチをもひとつと、大きなテーブルも注文し、「小さな家」の壁と同色に塗ったら、こんなにかわいく仕上がりました。
 想像どおりドノフリオ傘ともぴったりで、パチャカマックによくある野外レストランみたいになりました。その後一家は、ここで優雅に朝食をとっているようです〜


 さて費用ですが、このベンチ、パレット1枚と角材1本で出来ます。
 ベンチ二つと大きなテーブル、全部合わせても、材料費は約115ソル(3500円)!
 ペンキはちと高いですが、壁の残りを流用したので、今回のところはタダ。ほかは釘を少々使っただけです。


 コローナ騒ぎのはるか前から、物価がむやみに高くなっていたペルーでは、どうってことない木のベンチ一台が、平気で1000ソル(3万円)以上します。
 それを考えると、このパレット家具、実にいいですね!
 どっちにしても庭置きのベンチはいたみやすいですから、これでじゅうぶん以上です。あと四台くらいは作ってもらって、私のほうの庭にもあっちこっちに置きたいです。



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「AM子さん、私がハチドリTの新持ち主となった
百合子です!はじめまして!」


 ちょっとお話が逸れますが、AM子さま、このTシャツご記憶でしょうか?
 前にプレゼントして下さった、かわいいハチドリ尽くしのTシャツです。いずれ絵のところを小さなクッションにするつもりで、だいじに着ていましたが、黒い服が大好きだという百合子ちゃんに目を付け?られ…
 ためしに着せたらこんなに似合うので、クッションは残念ですがあげることにしました!
 ただ引き換え条件として、ハチドリの絵に添えられた英文を、ちょっとずつ調べる、という宿題を出しました。大人っていやーね…



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 百合子ちゃんには、ときどき私の服をあげています。
 今までは私の服が入る女性が、身近にいなかった(笑)、というのもありますが、ペルーはいま物価高がほんとにひどいんですよね。ベンハー君たちもおむつ代で苦心惨憺していて、おしゃれがしたい百合子ちゃんの服代まで捻出するのは、本当に大変そうですので。


 でも、うんと小さくて細っこい…と思っていた百合子ちゃん、ここ数か月の成長ぶりがめざましく、私の服がぱっつんぱっつんになってきてびっくりです。
 お古を喜んで着てもらえるのも、今のうちかもしれませんね。お母さんとお姉さんは、さいしょから入りませんし……



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 次にベンハー君に依頼したのは、この台です。これもあっというまに作っちゃいましたねーありがたいなあ!


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 仕上げは私がやって、猫用のすてきなブラシ台になりました!
 爪とぎにも使えるように、あとで脚にロープをぐるぐる巻きつけます。



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 こちらもベンハー君制作。
 ポーチの天井に集結する蚊を、低身長の私でも電気ラケットで退治できるよう、1メートルはある踏み台がほしかったのですが…
 そんな大きなのは、どこにも売ってません。そこでこれも作ってもらいました。
 明るいグレーに塗るつもりです。…が、その前に、ハスミニの御座所化しちゃいましたね。



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 ベンハー君はかなり木工が気に入ったらしく、ひまができるとすぐ駐車場にこもってしまいます(ひまがあってもなくても、とりあえずサボってた永吉君とはえらい違いです)。こちらは宿六の注文で、タブレット用の書見台を試作しているところ。

 …うーん、でもベンハー君と宿六には、ほんとは先に、駐車場の片づけをしてもらいたいんだけどなあ。なんでいつも、こんなに散らかすんでしょうね?
 あーそれこそパレットで、駐車場の整理棚を作るといいかもしれませんね。ということで、また次のプロジェクトができました。なんかこのところ万事楽しいです。


<おひげ君とミミちゃん登場!>



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 夏の夕暮れどき、お父さんが作ったベンチでくつろぐ百合子ちゃん。ひしっ…とだっこしているのは、うちに新しくやってきたウサギです!
 この新ペット導入には、ちょっとわけがありまして…


 ペルーでは愚かなことに、子供たちのリモート授業が、もう二年も!続いています。
 つまり百合子ちゃんは、遊び盛りの8歳から10歳にかけて、ずーーーっとリモートで友達とも会えなかったのですから、えらいことです。
 加えて、この3月から学校をちゃんと再開するかどうかも、いまだにああでもないこうでもないと、もめているようです。



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チョコレート色の目がいいねえ!


 リモート授業が子供に与える影響に関しては、視力の悪化や学業の遅れだけでなく、精神面についてもいろいろ言われていますが(あたりまえですよね…)、おとなしい百合子ちゃんの場合、あまり問題はなさそうに見えていました。
 リモート授業はまじめにこなし、妹の衣類の片付けなどもよく手伝い、自由時間は少しアニメを見るほかは、絵を描いたり教科書を写したりとたいへん健全で、またスマホ依存やゲーム依存もまったくないそうですし。
 でも最近、ときどき隅っこへ行っては、ただ悲しそうにじーっと黙りこんでいる、と聞いて、それはちょっと捨て置けない…と思いました。


 でも両親のベンハー君とゼラニウムちゃんは、もともと外出嫌いの上に、新生児がいますから、外での気晴らしはむずかしそうです。
 それもあってプールを買ったのですが、にゃんと今年はラ・ニーニャ現象による冷夏で、なかなか使える日がないと来た…


 そこで今度はペットを提案してみました。でも犬猫は維持費がたいへんなので、インコかクイか金魚か…と思っていたところ、近所で仔ウサギを売る人が見つかり、即日ベンハー君に受け取ってきてもらいました。(一匹15ソルだったそうです、ふつう30ソルくらいなのでお買い得でした)


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 このかわいいのが、その二匹です!
 ビゴテス(おひげ君♂)とオレハス(ミミちゃん♀)と、百合子ちゃんが命名しました。右がおひげ君です。彼らの住まいは、「小さな家」と駐車場のあいだに、ベンハー君が囲いを作りました。
 私もずっとウサギが欲しかったのですが、猫やアルパカで手いっぱいゆえ諦めていました。でもこれからは好きなときに会いに行けます。


 もう55年も前のことですが、代官山にいた子供時代、よく父が井の頭公園までドライブしてくれました。
 たしか公園の雑木林の、ふつうの遊歩道わきに、なぜか三段ほどのアパート式ウサギ小屋があった…ように思います。何時でも見に行けたので、たぶん動物園のほうではなかったと思います。
 そこにはいろんな色のウサギがいて、祖父にだっこしてもらって、端から順番に、飽かず眺めたのを覚えています。


 ある氷雨の日曜日、もう夕闇が迫って、家族はみな早くうちに帰りたいのに、私だけが「ウサギに会うまで帰らない」とぐずったとみえて、祖父が私を抱えてウサギ小屋を覗かせ、横から母が赤い傘をさしかけていた情景が、ぼんやりと心に残っています。
 湿った干し草のにおいや、薄暗い中、ウサギの白いところだけがぼうっと光って、そこに傘の赤がうつって見えたのも覚えている…ような気がします。


 うちのこのウサギたちも、もし性別にまちがいがなければ(ペルーではほんとよくまちがえます…)、じきに猛然と殖えはじめ、かつての井の頭公園のウサギアパートみたいに、上へ上へと増築するほかなくなるのでは、という予感が強烈にしております。
 いいのかなー、ほっといても…。みなさまもどうぞお楽しみに。



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 「キョウコ奥さんも抱っこしない?」と聞かれ、「でもウサギって、うしろ脚で蹴るでしょ?」とこたえたら、百合子ちゃんが珍しく顔色を変えました。
 そして、「うちのウサギはとても大人しいの…だから蹴ったりなんかしないのに…」と小さな声で言いました。
 かわいいねえ、もうすっかりウサギのお母さんになっちゃったね!


 おかげで百合子ちゃんも、その後は長い耳のわが子のお世話で忙しく、なかなか元気そうにしていて、大人はみなちょっとほっとしております。


2022年4月5日(火) 午後7時の室温24.8℃ 外気温21.5℃ 快晴のちやや曇り
非常事態令、信じがたいことにまだやってます日記(69)
<トゲトゲしいお話>



 リマ市はいま現在、コローナ君予防および治安維持のための、二種類の非常事態令下にあります〜。非常事態令の大安売り。

 加えて今日はとつぜん、終日外出禁止!となりました。
 とつぜんもとつぜん、昨晩、真夜中近くに急に公布されたそうで、私たちは今朝9時ごろになって、「なんか今日、へんに静かじゃない??」ということで、初めて外出禁止と知りました(笑)


 外出禁止の理由は、「このところペルー各地で、物価高騰その他に抗議して、道路封鎖や商店略奪がさかんに行われている/もしくは計画されているから」だそうですが…意味がぜんぜんわからない…
 一日くらい外出禁止にしたところで、暴徒のみなさんが諦めるわけないですし、根本的な問題(=無能な政府&国民の積もり積もった不満)には何の変わりもありません。


 それに以前もお話ししたように、当地には冷蔵庫のないおうちも多いので、今日はとつぜんのことで食べるものがなくて、困っている人も少なくないはずです。なのに外出禁止令にサインした大臣の一人は、無神経にも、「一日くらい食べなくても、別に死にはせんだろう!」と言い放ったらしく……
 これでは国民の怒りをもっと買うだけで、逆効果でしかないでしょう。


 いまは世界中が、「数千年ほどがまんしてきたけれど、統治者どもの横暴には飽き飽き、もうたくさん!」という流れに向かっていると思います。
 ペルーの政治屋どもも、この機会にとことん本性をさらけ出し、忘れっぽくて心優しいペルー国民の堪忍袋を、今度こそズタズタにすればいいと思います。
 そうしていつか、ペルー、そして世界を覆う安っぽい「民主主義」とやらが、少しは本物らしく変わるのを、生きているうちにもし見物できたら、楽しかろうと思います。



 ところで、さいきん通販でちょっと贔屓にしているお店が、ウクライナにあります。
 比較的安全と言われているドニプロ(旧称ドニエプル)在ですが、ロシア侵攻後どんな状況なのか気になって、注文がてら問い合わせてみました。
 すると、「こちらは全く大丈夫です。郵便もふつうに機能しているので、すぐ発送します」とのことで、翌日にはウクライナ・ポストの発送通知も届きました。



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ウクライナの美しい切手と、
小包の発送通知


 ウクライナほどの厳しい状況にあっても、全土のすべての人々が、日常生活を根こそぎ奪われたわけではないようです。

 万事なまぬるいペルーではなおのことで、私の生活圏はまったく平穏です。冷蔵庫にも畑にも食材があるので、そちらも安心です。
 暴動だとか戒厳令だとかサプライチェーン途絶とか…必要以上に恐ろし気なニュースを読んで、万一にもご心配くださる方がいらっしゃると申し訳ないので、念のため書き添えます。


 思えばペルー暮らしもそろそろ丸27年ですが、暴徒や略奪、タイヤを燃やしての道路封鎖、大規模なデモ…といった光景を当地で直接見たことは、私は一度もありません。


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 外出禁止の今日は、あのロックダウンの静かな日々を、ちょっとばかり懐かしく?思い出しています。
 パチャカマックは警察の監視がゆるいので、今日もみなさんけっこう平気で外出などしているようですが、それでも通行量はずっと少なく、とても静かで快適です。
 今朝はポーチに座って、庭から立ちのぼるハーブの香りを胸いっぱいに吸い込んだり、小鳥の歌に耳をすませたりしながら、長いこと過ごしました。



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ガラーーーーン…とした接種会場。


 ブースター接種のほうは、先日いやいや行ってきました。
 ペルーのほとんどの人が、もうコローナ君のことは忘れて、今は物価高とワールドカップ予選で頭がいっぱいです(たぶん)。そもそもが無意味なブースター、できれば打たずに逃げ切りたい…と思う人も当然多く、まったく接種は進んでいないようです。
 パチャカマックの広すぎる接種会場でも、閑古鳥が啼いていました。


 帰宅したあとはお約束の発熱で、二日ほど寝込みました。コローナ君関連で熱を出すのはもう五回目!心底うんざり!です。
 そのうち二回は自然感染で……ということは、旧型にしか対応してない現行ワクチンよりずっとマシな抗体を、わたしゃすでに持ってると思うんですけどねえ…


 ただ、完全引きこもりの私でも二回も感染した、ということは、たしかにコローナ君の感染力はすごいのでしょう。それは認めます。
 でも二回ともふつうの流感レベルで、ほどほどに健康なペルーの知人たちの感染経験も、みなさん似たり寄ったり。
 これはハイリスクの人だけが、失業等の心配なしに自主隔離できるよう、現実的な手助けを政府がきちんとすれば、それで必要にしてじゅうぶんだったのではないかなあ…やはりロックダウンは意味なかったんじゃないかなあ…と、つい思ってしまいます。もう過ぎ去ったことなので、どうでもいいのですが、ついつい。



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 そんなトゲトゲしいお話はやめにして、もっと嬉しくトゲトゲしたお話に移ります。
 2007年に出かけた、アヤクーチョまでのドライブ旅行。そのときウチワサボテンを二片、棘が痛いといやがる宿六に拾わせ、段ボール箱に入れて持ち帰りました。
 それが大いに増えて、庭のほうぼうで繁茂して(繁茂しすぎて)いますが、とうとう今年になって、初めての実をつけたのです!



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 故郷でウチワサボテン慣れしているベンハー君が、初夏にきちんと水まきしてくれたのが効いたようです。
 そしていざ熟し始めると、実(トゥーナ)がきれいなオレンジに色づいて、これにはベンハー君もゼラニウムちゃんも大喜び!
 というのもオレンジ色のトゥーナは、リマではめったに手に入らないアンデスの品種だからです。リマでよく見かける赤や緑のトゥーナより、オレンジ色のほうが青くささがなく、すなおに甘くておいしいんですよね。



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 完熟した実は、中がこうなっています。マーマレードのような、感じの良いオレンジ色です。
 15個ばかり取れましたが、二個だけ味見して、あとはベンハー君にあげました。
 果物はみんな、ひとたび実り始めると勢いづくので、次の夏にはもっとたくさんなると思います。



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 ザクロもいよいよ盛りで、甘さと渋さの釣り合いが絶妙な、イタリアの赤ワインみたいな味になってきました。
 七面鳥もアルパカも小鳥たちも、虎視眈々と狙っていますから、早起きしてヤブを見まわり、きれいな実を集めて人間だけで山分けするのが、今の日課です。



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ウチワサボテンに完全包囲された、
アヤクーチョ郊外のおうち。
左下の女性は実を集めているようです。


 わが家のウチワサボテンの故郷も、お目にかけましょう。
 ウチワサボテンで埋め尽くされた、アヤクーチョからワンタに向かう道、そのどこかで拾ってきました。



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 アヤクーチョの人から、
 「ウチワサボテンはどこでも育ちます。屋根の上でも、それどころか岩盤の上でも、ぜんぜん平気で育ちます」
 と聞きましたが、ほんとに文字通り、そうなんですよね!



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 こうして2007年の写真をみると、やはりオレンジ色の実ばかり写っています。どうもこのあたりに、うちのウチワ君の始祖がいそうですね。

 ベンハー君一家はアプリマック県民ですが、出身の村がアヤクーチョとの県境にあるため、お祭りの風習や音楽などの好みは、完全にアヤクーチョ寄りだそうです。なのでウチワ君の故郷を教えると、「やっぱり!だろうと思いました!」とたいへん満足そうでした。

 近年はいろいろな理由から(いちばんは高山病ですが)、私の足はすっかりアンデスから遠ざかってしまい、とても残念に思っています。
 でもこのところ、明らかにアンデスのほうから、どんどんうちに押しかけて来ているような気がします…


 昨年とつぜん登場したベンハー君一家もそうですし、今年とつぜん生まれたアルパカのコヤチャも、今年とつぜん実ったオレンジ色のウチワサボテンも、みんなアンデスの澄んだ空気を、まわりに漂わせています。
 更にはパチャカマックのお天気までも、ここ数年、アンデス西斜面の気候…真青な空と降雨のある気候に、明らかに近づいてきています。
 おかげでうちにいるのが、もっと楽しく心地よくなり、引きこもり生活もますますはかどります。



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 ウチワサボテンとリュウゼツラン、そしてモージェ。アヤクーチョのどこでも見かける、ありふれていますが美しい風景。
 いまわが家でも、この眺めの、ほぼ完コピを達成しつつあります。
 ついにウチワサボテンも生産開始?しましたし、あとはモージェの赤い実が、上のアヤクーチョの写真のようにふんだんに実るようになったら、完璧です。



2022年4月12日(火) 午後5時半の室温24.3℃ 外気温22.3℃ 聖週間らしい快晴!
各種非常事態令下の日記(70)
<非常事態令は増殖す>


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もはや猫でも不安になるレベル


 非常事態令の大安売りと笑っていたら、先週また新種が出たそうで…いつもたくさん笑わせてくれて、本当にありがとうペルー(まんざらいやみでもないです)。
 今度のは、「ペルー全土の国道に対する緊急事態令」だそうですが、いったいなんのことやら?
 非常事態令の常で、これも根本的な問題解決につながるものでは全くなく、単に「国道上で官憲が好き勝手できるようになる」だけかと思います。


 「無能な大統領は、非常事態令だけ濫発して何もしない」というのはトレド時代に学びましたが、今から振り返るとトレドもウマラもずっとマシに見えるのが、こわいですねええ。
 あの連中は少なくとも、既存の支配階層…ペルーにも、だいぶショボいですが一応エスタブリッシュメントは存在します…その支配階層とつるんで、儲かる仕事を動かすだけの才覚はあったので、ペルー国民にもポツリポツリと滴ってくる利益が、ちょっとはあったような気が…
 でも今度のは、120%迷惑なだけの大統領ですものね。


 でもこんなふうに、世界各地でまるで申し合わせたかのように、「権力者」が横暴のかぎりを(ペルーの場合は馬鹿のかぎりを)尽くしているこの状況、もしかしてもしかすると、むしろ大きな変化に向かうよい兆し…なのかもしれません。


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宿六の買い物……


 いずれにしても私は、少なくともペルーのことは、全く心配していません。
 とうの昔に、政治のあほらしさに対する免疫はできている、というのもありますが、それより自分の人生の諸問題で、毎日じゅうぶん手いっぱいだからです。


 今いちばんの課題は、宿六が週末に買ってきたこのアボカドの山と、今後どう向き合うべきか?です。
 「一週間分、でもたまにハズレがあるから、やや多めに8個くらい買ってきて」と頼んだのですが、なんで18個も買ってくるかな…買っている途中で、何かがおかしい、と気づかなかったのかな…


 今回のアボカドは、当地では小さめの1個280gくらいですが、それでもここには約5キロのアボカドがある、ということですね。
 ほかに冷蔵庫にも、熟したのが2個残ってますし。このご時世、なんにせよ豊かなのは、たいへん喜ばしいことではありますが、しかし…


 聖週間の食卓は、アボカド祭開催決定です。


<樹脂粘土の沼 CPukllay(アンデスの収穫祭)>



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 先週、クルス・パタ(玄関先の小山)に、やっとプクジャイ(収穫祭)を祝う子供たちが到着しました!
 ほんとは2月ごろに飾りたかったのですけど…オミクロンやら仔アルパカ誕生やらワクチン接種やらで、こんなに遅れてしまいました。
 でもぎりっぎり聖週間前にまにあいました。



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 クルス・パタの下のほうからも、子供たちがごちそう抱えて登ってきます。


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 プクジャイの子供音楽隊を率いるのは、11歳のペドリート。
 おさがりではない、ちゃんと身に合ったポンチョの上から、リャマ毛で織った二本のオンダ(投石紐)をきりっと巻きつけ、格好よく着こなしています。
 左手にはケーナを持っています。



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 ペドリート君の凛々しい後ろ姿。
 オホタ(タイヤ製のサンダル)をはいた足元には、雨季の小花が咲き乱れています。



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 こちらは10歳のミラグロス。
 彼女がティンヤ(小太鼓)を叩きはじめると、たちまちあたりはお祭らしく活気づきます。



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 ミラグロスちゃんも、とてもおとなっぽく民族衣装を着こなしています。
 でもちょっと油断すると、豊かすぎる二本のみつあみが、リクリャ(肩布)からすぐこぼれだしてしまいます。



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♪ Banderita, banderita, bandera peruanita
Que bonito jugaremos en los carnavales
Tu con serpentinas yo con cascabeles
Tu con cascabeles yo con serpentinas... ♪


 5歳のマリーアは、カスカベル(リボンで束ねた大きな鈴)で調子をとりながら、陽気にカルナバルを歌います。


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 マリーアは、大きすぎるおさがりをそのまま着ています。
 ミラグロスやペドリートのように、大人そっくりに着飾った子供もかわいいですが、ぶかぶか衣装のかわいさもまた格別です。


 こういう長いポジェラやリクリャは、民族衣装がもっと長い丈だった昔のことを、思い起こさせます。なので大人たちは、
 「こうしてみると、マリーアは亡くなったひいおばあさんにそっくりだね、そういえば歌い方も似てないかい?」
 などと言い合って感心しています。



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 7歳のジョン(ペルー式に、まちがってJHONと綴るジョン君)は、ギターを抱えています。
 手作りのおもちゃですが、いちおうポロンポロンと音は出ます。
 オホタ(古タイヤ製のサンダル)は、お父さんのをつっかけてきたので、スリッパみたいにぶかぶかです。



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 ポンチョもお父さんからの借り着なので、雨に濡れた草の上を引きずりそうになっています。
 出がけにお母さんが、赤いセルペンティーナ(紙テープ)を巻きつけ、帽子には花もとめつけ、カルナバルらしく飾ってくれました。



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 今朝、畑でとったばかりのチョクロ(ジャイアントコーン)とりんごを持っているのは、6歳のフアニータ。
 腰に下げているのはオホタです。どこかで落してこないように、お母さんが帯にしっかり括り付けたので、安心してはだしで草を踏んで歩けます。



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 フアニータは今年、派手な刺繍入りのポジェラ(スカート)を新しく縫ってもらいました。
 でも洗いざらして良い味の出た、古風な色合いの肩布は、もう何人ものお姉さんたちの、手から手へと渡ってきたおさがりです。



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 ホセルイスはフアニータの弟です。やはり同じ畑のチョクロを運んでいます。
 前の二年間はお祭が中止になったので、3歳のホセルイスにとっては、今年は初めてのプクジャイです。
 そこでお母さんは張りきって、姉弟が揃って目立つように、ホセルイスにはちょっと風変わりな、インカの貫頭衣のような衣装を縫いました。
 でも白いズボンはおさがりなので、大きく裾あげがしてあります



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 小さなホセルイス君が、「姉さんよりいっぱいチョクロ持つんだ!」と言い張るので、フアニータが背中にも一本、結びつけてやりました。
 でもたぶん、クルス・パタを登りきるころには疲れてしまい、どこかのお兄さんに、チョクロごとおんぶしてもらっての御帰還…ということになりそうです。



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 5歳のビクトル君は、ひさごに入れた井戸水と、ガラス壜のファンタ・ナランハ(オレンジ)を、音楽隊のために持っていきます。


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 ふつうはインカコーラが一番人気ですが、子供に限ると、やっぱりファンタ好きのほうが多いように思います。


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ビクトル(5歳)



 長いこと、アンデスを題材に、ペンで絵を描いています。
 でもずっと歯痒かったのは、アンデスの人々の赤銅色の皮膚が、黒一色のペンでは写せないことでした。


 アンデスの陽射しが作る、あの絶妙の色合いは、黒インクでぬりつぶすほど濃くはないですが、かといって紙を白く残すほど明るくもありません。
 特に子供たちの、赤黒いほど日に灼けたかわいいほっぺたは、黒白では表わしようがありません。
 でもこのプクジャイの子供たちを作って、初めて私の目に映ったままの色が出せました。


 瞳の表情も、やはり色を使ったほうが描きやすいですね。
 アンデスの子供は眉がきりっとして、鼻すじも通っているので、小さなころからけっこう大人びた顔立ちです。でも瞳だけには、隠せない幼さが現れます。
 中でも私が好きなのは、くっきりした二重のまぶたを、ぱっちりと見開いた子供たち…
 少し垂れ気味の大きな瞳に、アンデスの空や雲が写りこみ、のんびりうっとり、夢見るような顔をした、あのかわいらしい子供たち…


 その素朴な愛らしさは、今回のところはたぶん、このビクトル君にいちばんうまく写せたように思います。


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ペドリート(11歳)

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ミラグロス(10歳)


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マリーア(5歳)


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ジョン(7歳)


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フアニータ(6歳)


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ホセルイス(3歳)


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 クルス・パタに植えたサボテン類は、夏のあいだに元気に育って、もう子株を出したりしています。
 今度の秋冬にはもっといろいろ植えこんで、旺盛な緑に覆われたアンデスの山道らしくしたいです。
 これからはクルス・パタで、クリスマスだけではなくさまざまな季節のお祭を、再現していこうかと思います。



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パチャカマックの教会の、
聖月曜日のミサに集まった人々


 もちろん聖週間の人形も作るつもりでしたが、夏のあいだは仔アルパカで忙しすぎて、とうとうまにあいませんでした。来年のお楽しみとします。
 当地のお祭ネタはきりなくあるので、これだけでも一生遊べてしまいそうで、楽しいようなこわいような…です。



2022年4月22日(金) 午後8時の室温23.5℃ 外気温19.6℃ 曇り
非常事態令まだ足掻いてるらしいね日記(71)
<マスク時代の終焉??>


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ペルー愛国マスクの数々
(すべてネット上から拝借)
コレクションするなら今のうちかも??


 うっとおしいマスクから、とうとう解放される日も近い……かもしれません。

 とりあえずリマ市含む一部地域で、5月1日以降、屋外でのマスク使用義務が撤廃されるようです。お店など閉じた空間では、まだ使わなくちゃならないようですが、詳しいことは今のところ不明。
 いやーこのままでは、日本在住者とペルー在住者だけが永遠にマスクを強制されるのでは…と心配になってきていたところでした。


 ただ例によってペルー〇師会のみなさんが、何やらぎゃあぎゃあ騒いでおられるようなので、官報が出るまでは本当に施行されるかどうかわかりません。
 どうもペルー〇師会のみなさんは、こう言ってはなんですが、社会への発言力影響力を失うのがいやで、それでいつまでもコローナ時代を終らせたくない…ように見えてしかたないことがよくあります。(これは批判ではなく単なる観察感想文)。


 なのでまあ、あまり期待しすぎない程度に楽しみに、マスク時代の終焉を待とうと思います。


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マスクに関する情報を探して
久々にニュースサイトを開いたら…
ジョニデさんもペルー式に、Johnnyならぬ
「Jhonny」にされてました……
ペルーほんと好きだわ…


 まったくどうでもいいことですが…
 たぶん私は世界で、この二年間のマスク消費数が少なかった上位数万人?くらいには、入るんじゃないかと思います。
 紙マスクをせいぜい4、5枚…かな、それを洗いながら使ってました。布マスクは買いませんでした。


 というのもこの二年あまり、息苦しいマスクもいやだけど、消毒剤を吸わされるのはもっといやで、本当に数えるほどしか外出しませんでしたから。
 それにロックダウンも、事実上5か月弱でしたっけ、ものすごく長かったですし。


 ほんとにめちゃくちゃな二年あまりでした。
 ペルーという国に、とても未熟で不安定なところがあるのは、前々からよく知っていましたし、それもペルーの魅力のうちと思っていました。
 でもまさか世界中が、ペルーと大差ない成熟度だったとは!
 正直なところ、いまだに驚き続けています。



<セマナサンタはいつも快晴>


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リマにも青空があるという証拠写真


 聖週間は、例年通りすばらしいお天気でした。
 暑くも寒くもなくて、重い湿気も感じませんから、もう何をしていても楽しかったです。



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「枝の主日」の美しい巻雲


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真ん中のもやもやっとしたところ、
何かにそっくりですね…



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そうそう、コヤチャの巻き毛にそっくり!


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 聖月曜日の海辺。
 もっと南のブ浜に行くつもりでしたが、どこでタイヤ燃やして道路封鎖してるか、わからない状況でしたので、近くのサン・ペドロ浜にしておきました。
 フンボルト寒流は北に向かって流れているため、例の原油流出事故の影響は、リマ以南の海にはとりあえずありません。



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若いズアオカモメ。
灰色のグラデーションが実にきれい!



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繁殖期の冠毛のある
ユキコサギ。
じっくりムイムイを探してます。



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まだまだ夏らしく、
良く晴れた水平線に
きれいに沈んでいく夕日


 人がおしかける聖週間なのに、浜が小ぎれいで驚きました。どうやらサン・ペドロ浜では、ゴミの持ち帰りを義務付けたらしいです。
 また、歩きやすく砂をならしてあって、波打ち際まで出るのが、とても楽になりました。これならぜひまた来ましょう!



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 ということで聖土曜日も、クジラ島を見ながら散歩してきました。


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あいかわらず
植物性プランクトン色のリマの海



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 寒流から吹き寄せる風は、とても冷たく、薄いダウンを着ても寒いほど。
 でも地元の子供たちは、平気でとっぷり暮れるまで泳いでいました。うー見るだけで寒い!ブルルルルル…



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 聖土曜日の夕日は、聖月曜日とはうってかわって、水平線よりだいぶ上のあたりで、厚く漂う海霧の中に沈んでいきました。
 冬が着実に近づいています。



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