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アルパカのいる庭

(8)寝耳に水の仔アルパカ!(2022年2月〜)


<最新記事はこちら!>

アルパカのいる庭



2022年2月18日(金 )
<チャスカ様、突然のおめでた!>
 〜その1 寝耳に水の仔アルパカ!〜


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 本日2月18日。風邪で寝込んでいた私たちは、朝8時にベンハー君に起こされました。
 なんと「チャスカのお産が始まった!」というのです。…え?えええええ?!チャスカ、妊娠してたのーーー?!
 あたふたと庭へ飛び出すと、なんともう、仔アルパカの頭と前脚が外に出ています!



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 仔アルパカの肩のところが無事に通るまで、少し時間がかかりましたが、チャスカは終始おちついた様子でした。
 そのあとはあっという間で、9時10分、無事に生れ落ちました!



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 チャスカはほんのしばらく、目を見開いたままぐったりと倒れていましたが、わずか3分後にはむくっと立ち上がり…


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 優しく「ムームームー」と鳴きながら、仔アルパカに近づいていきます。仔アルパカも、意外なほど大きな声で、「ムームームー」と応えます。


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 私もカメラを持ってそうっと近づきます。幸いにもチャスカがいやがらないので、近くから赤ちゃんを見させてもらいます。
 おやおや、両親の毛色からはちょっと想像できない、ずいぶんと色白の赤ちゃんですね!
 鼻や口はきれいなピンクですし、まつげも真白です。



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 9時26分。胎盤の排出が無事終りました。良かった良かった、チャスカのほうはこれで一安心。
 そして9時30分。仔アルパカは急にきちっと座って、立ち上がろうとし始めます。まだ生まれてから20分しか過ぎていないのですが!
 もう黒い目も、ぱっちりと開きました。ふわふわの巻き毛もきれいに乾いて、どんどんアルパカらしくかわいくなっていきます。



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 こうやって後ろ脚をふんばって、一所懸命立ち上がろうとします。


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 チャスカがそれをじっと見守ります。


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 何度も座り込んでしまう仔アルパカを、優しく励ましているように見えます。
 「ここはピューマも狐も出なくて安全だけど、念のため早く立ち上がりましょうね!」とでも言っているのかな?



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 9時53分。ついにすっく!と立ち上がりました!
 生まれてからわずか43分です!!!



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 昨年2月、二度目のロックダウン中の静かな夜に。
 アルパカたちの「ご成婚」は、なんと申しますかとっても上品で、神妙な顔つきで二頭が静かに座っている姿は、なんともかわいらしかったです。



 このたびのとつぜんの出産は、ほんとうの寝耳に水!でした。
 12月に毛刈りに来たアルパカ屋さんですら、チャスカの妊娠に気づいていませんでした。


 唯一チャスカの変化に気づいたのは、ベンハー君とゼラニウムちゃんで、二週間ほど前、
 「どうもチャスカのおなかが、少し大きくなったような気がします。
 先月あたり、妊娠したんじゃないでしょうか?」
 と言ってきました。


 でも、「アルパカは妊娠後少なくとも半年はすぎないと、身体の変化はわからない」と聞いていましたので、それはないだろうなと思いました。
 またアルパカの妊娠期間は11ヵ月〜12ヵ月なので、もし万一にも妊娠しているとしたら、それは一年前の「ご成婚」の結果しかないな、とも思いました。
 「ただそうだとしたら、もうすぐ生まれるってこと?でもチャスカはほとんど太ってないし、様子もいつもどおりだし、まさかね!」
 …で、その話は終ったのでした。


 しかしまさに、その「まさか」だったわけです!


 仔アルパカが無事に立ち上がったあとの詳細は、この週末に写真を整理してから、またお話しいたします。
 今日はあまりの驚きと感動で、ちょっと眠れそうにありませんが、でも風邪をさっさと治したいのでなんとか休みます。
 できるだけ早く、また続きのご報告に戻って参ります。あー今日は本当にびっくりしました!




2022年2月21日(月) 午前2時の室温25.8℃ 外気温21.3℃ 晴れ
<チャスカ様、突然のおめでた!>
 〜その2 初めてのお散歩〜


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「さすが私の子!えらいえらい!」


 さて誕生後43分で、すっくと立ち上がった仔アルパカ。
 なんとそのまま、よろけながらも前進し始めました!



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 付き添うチャスカは、仔アルパカの頭やおしりのあたりに、何度も顔を近づけます。我が子のにおいを、しっかり覚えようとしているのかな。
 たとえそうでなくても、このくるくるの巻き毛を見たら、顔を埋めたくなりますよねえ。



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 10時になって陽射しが強まったので、母子をナツメヤシの葉陰に移動させたいと思います。
 ベンハー君がムラサキウマゴヤシでチャスカを誘導すると、幸い仔アルパカも素直についていきます。


 …仔アルパカ連呼もなんですから、そろそろ名前で呼ぶことにいたしましょうか。
 メスなので、
コヤチャ・パコチャ(Qoyacha Paqocha)と名付けました、「アルパカのお姫さま」ほどの意です。
 チャスカとチャスキの娘なので、両親と同じ「チャ」という音の入った名前にしたかったんですよね。
 
チャ・パチャは、太字のところを上げて発音してください。少しおおげさに書くと、「コヤーチャ・パコーチャ」みたいな感じです。


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「なんで前に進めないのー?!」


 コヤチャの足取りはまだまだ覚束なくて、なぜか右へ右へと逸れてゆき、とうとう壁にぶつかってしまいましたが、そのまま前進を続けようとジタバタしています。なんてかわいいんでしょう!
 そんなでも一歩進むたびに、足取りが少しずつしっかりしていくようです。



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「そっちじゃないよ、こっちこっち!」と
誘導するベンハー君


 コヤチャは、私たち人間も仲間と思っているのか、最初からまったくこわがるそぶりを見せません。長い妊娠期間中に、私たちの声を覚えてくれたのかもしれません。
 またチャスカのほうも、私たちがコヤチャに触れてもまったく怒らないのは、とても嬉しい驚きです。
 チャスカは一朝にして、今までの「わがままで怒りっぽい女王様」から、わが仔にも飼い主にも優しいおっとり母さんに、大変身してしまいました。



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かわいい初心者母子。
(仔)「お母さんのお乳はどこ?」
(母)「私もわからないわ…」


 ナツメヤシの葉陰に落ち着くと、チャスカはすぐにお食事です。大仕事のあとで、猛烈におなかが空いているようです。
 コヤチャもそろそろミルクがほしそうですが、どこを探せばいいのか、よくわからないみたいです。
 アルパカのお乳は、だいたい雌牛と同じ位置、つまり後ろ脚の少し前にあるはずなのですが…
 見ていて歯がゆいですし、心配にもなってきますが、こればっかりはコヤチャが自分で見つけるのを待つしかないですね。



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コヤチャ!
お母さんのくびにお乳は生えてないよ!



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 お乳を探し疲れて、ひとやすみ。まだアルパカというより、白うさぎみたいですね!


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 でもまたすぐ立ち上がると、とりあえずお乳は後回しにして、庭の探検を始めます。もう小走りまで、できるようになりました!
 誕生後まだ1時間40分です。大したものですねえ!



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 さきほどから、ベンハー君が水まきをしています。
 ホースから勢いよく迸る水に気づいた二頭は、すーっと引き寄せられていきます。



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 そして湿った芝の上に、まったく同時に、まったく同じ格好で座りました!
 アンデスでは、アルパカの赤ちゃんは雨季のさなかに生まれます。そして主に湿地帯(ボフェダル)で育つので、こうして自然と水に引き付けられるのでしょうね。



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 コヤチャがいっちょまえに水浴びを楽しんでいます。
 生後2時間に満たないとは思えぬ、この落ち着きぶり!



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 ホースを引っ張りに来たベンハー君、「おじちゃんありがとう!これから毎日ボフェダル作ってね!」とでも言いたげなコヤチャに、もうメロメロです。
 (ほんとはコヤチャは、ベンハー君にもアルパカのお乳がないか、探しているようでしたけど…)



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「これは不当拘束だ!
弁護士を呼べ!」


 さてそのころ、コヤチャのお父さんたるチャスキ君は…

 出産間近のチャスカに、たいへんうるさくつきまとったため、留置所に入れられておりました。母子が完全に落ち着くまでは、このままのほうがいいと私は思います。
 でも同じ父親だからでしょうか、チャスキに変に同情的なベンハー君が、「やはり親子は、早めに引き会わせたほうがいいと思います」と主張するので、ためしにチャスキを放してみることにします。



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 留置所から出されると、ほほえましいほどの猛ダッシュで、母子のもとに駆けつけたチャスキでしたが…


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 …すぐまたチャスカを激怒させ、留置所に舞い戻る羽目となりました。
 今は母子の平穏がいちばん大切ですから、しかたありませんね。



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 早朝から一部始終を眺めているゼラニウムちゃんも、うしろで大笑いしています!

 生まれた仔アルパカが、真白(今のところ真白)なのに気づいたゼラニウムちゃん、こんなことを言いました。
 「これからは、白毛糸にも不自由しませんね!
 白地に茶色で、チャスキみたいな模様を編み込んで、何か作ってみたいなあ!」



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 平和?が戻ったところで、私たちもいったん家に戻ってお昼にします。
 そろそろ正午ですけれど、ある意味、「人生でいちばん長い午前中」でした。
 わずか4時間のあいだに、「這えば立て、立てば歩めの親心」を、超早回しで追体験してしまったような…


 3日後の今も、不思議で楽しい夢を、長々と見つづけているような気分です。
 うちの庭にベイビーアルパカがいる!…ということが、まだどうしても信じられません!


 (コヤチャが生まれた18日の、後半のいろいろは、次回またご報告いたします。)


2022年2月22日(火) 午後9時の室温25.0℃ 外気温23.0℃ 曇り(ずっと最高気温24、5℃止まりです、この夏はぜんぜん暑くならないなあ)
<チャスカ様、突然のおめでた!>
 〜その3 チャスキの苦?悩?〜


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 18日の朝9時10分に生まれて、早くも午前中には走り回れるようになった、チャスカの娘コヤチャ・パコーチャ。


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 ほらちゃんと、後ろ脚がぽーんっと地面を離れています!


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 急いで昼食を済ませ、またコヤチャの様子を見に行くと、さらにふわっふわにかわいくなっていました。
 そういえばチャスカとチャスキも、うちに来た頃はまだ、このくるくる巻き毛が残っていましたね!



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 そして午後2時40分。
 おかあさんのお乳を、ちゅっちゅっちゅ…と音をたてて飲むところを、ついに確認!
 哺乳類はどんな動物でも、きっと初乳がいちばん大事でしょうから、これでコヤチャも一安心です!良かった!
 (それにしても、よくこんな大きなのが、おなかの中から出てきましたよね?!)



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 そのあとは、お乳を飲む口つきのまま、少しもごもごしてから…


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 短い時間、うとうと…っとしますが、そのあいだも小さく途切れ途切れに、「ムー…ムー…ムー…」と鳴いています。
 たぶんこのムームー鳴きが、お母さんと仔アルパカが共用する、現在位置確認ツールなのでしょうね。



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 コヤチャが寝ているあいだも、チャスカは芝を食べ続けていますが、少し遠ざかると、コヤチャはパカっと目を覚まして追いかけます。
 きっと眠りながらも、お母さんのムームー鳴きをちゃんと聞き分けて、離れすぎないようにしているのでしょう。


 今日を境に、チャスカの顔がすっかり穏やかになったことには、見るたびに改めて驚きます。
 思えばここ数か月、チャスカが極端に怒りっぽくなっていたのは、単に妊娠後期の強い空腹のせいだったのですね。
 チャスカに要求されるままに、好物をたくさん食べさせておいて、ほんと良かったです…こんなかわいいものを製造していてくれたのですから。



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 コヤチャは、またお乳を飲み始めました。
 芝を食みながら前進するお母さんにくっついて、自分もじわじわ前進しながら、なかなか器用に飲んでいます。



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 そしてまた、たまらなくかわいいこの顔で、ひと眠り。
 こうして母子の生活リズムが見えてきましたので、そろそろお父さんも出してやりましょうか。
 さっきから、怒ったチャスキが駐車場の柵に体当たりする音がしていて、どっちかというと柵のほうが心配なので、拘束を解くことにします。



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 「うざいお父さん一時預かり所」のチャスキ。なぜかベンハー君もいっしょに入ってました…


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 午後3時18分。チャスキを解放。


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 お父さんは走る!白い仔アルパカの身元確認のために!


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 チャスカの名誉??のため、念のため書き添えますと、チャスキが父親であることには一点の疑いもありません。パチャカマック界隈には、野良アルパカなんかもいませんし…
 ただそれだけに、全体的に茶色いチャスカとチャスキのあいだに、ここまで白っぽい仔が生まれたことにはびっくり仰天です。
 アルパカの毛色の遺伝の法則は、そうそう単純な仕組みではなさそうですね。



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 …と、和気あいあいたる家族団欒の情景が繰り広げられたのでありました。

 さてこの18日は、驚きと感動のあまり800枚ほど写真を撮ってしまったので、なかなか整理がおいつきません。(その間もコヤチャは日に日に育っていきますし、写真は増えるいっぽうで…)
 あと一回、18日分にあてて、初日のお話は終りにしようと思います!ではまたお近いうちに!



2022年2月25日(金) 午後8時の室温25.9℃ 外気温22.3℃ 晴れのち曇り、真夏なのにうすら寒いです
<チャスカ様、突然のおめでた!>
〜その4 誕生初日の日も暮れて〜



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壁、塗っといて良かった…
コヤチャの白が水色によく映えます。


 状況をいまひとつ把握できないまま、とりあえずチャスカについていくことに、心を決めたらしいチャスキ。
 決めた以上は、どこまでもどこまでもついていきます。
 それにしましても、一頭殖えただけで、「群れ」感がすごい……二頭から三頭への変化は大きいですね。



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 いちおう、絵に描いたような幸せな一家……に見えますね?
 やっぱりチャスカがいちばん満足そうです。でもチャスキもたぶん、群れの頭数が増えたのが、純粋に嬉しいんじゃないかと思います。



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 芝の上で、物慣れた様子で横座りするコヤチャ。これでほんとに、8時間前に生まれたばっかりなの??


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 チャスキ
「おまえ、きのうまでいなかったよね?どっから来たの?プキオ?コタルーセ?
 おいちゃんはね、もうせんにプキオから出て来たんだよ」
 コヤチャ・パコーチャ
  「あら、私は、お母さんのおしりから出て来たのよ!」



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 長い頸が見えないと、白い仔山羊みたいにも見えますね。
 うっわー、このかわいさは、いったいなに?!
 これまで、「白アルパカはありふれているからつまらない、通好みではない」などと申しておりましたが、その過去の発言を、ここに正式に取り下げるとともに、深くお詫びしたいと存じます(白アルパカの皆さんに)。



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 少し薄暗くなってきましたが、コヤチャの白はこんなときも見つけやすくて、とってもいいです。
 いやー猫もそうですが、ある程度の年齢になりますと、ペットの色も白が多くて明るいほうが、何かと便利ですねー。



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 芝の上でみんなでくつろいでいると、百合子ちゃんも遊びに来ました。
 百合子ちゃんはすぐ、アプリマックにいる姉の薔薇子ちゃんに、コヤチャの写真を送ります。ところが薔薇子ちゃん、


 「え!生まれたばっかり?………
 やだー百合子、騙そうとしてるでしょ?リマじゃアルパカは生まれないよ。
 奥さんが新しいアルパカ買ったんでしょ?」
 と言って、信じなかったそうです。いえ私もまだ信じられないので、薔薇子ちゃんの気持ちはわかる。



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 動物が大好きなゼラニウム母さんは、コヤチャのあたまを撫でながら、小さな声で歌うように、
 「この子はもう、私の心を盗んでしまったわ〜♪」
 と、古いワイノの一節か、もしくはクラリス姫のようなことを言います。



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 人間たちの注目を一身に浴びるコヤチャですが、チャスキもまた、気になってしかたないようです。


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 背後にそっと座って、小さな背中に優しく顔をすりつけたりするので、「やっぱりかわいいと思うのかな?」と、ちょっとホロっとしかけたのですが…


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 そこはそれ、お調子者のチャスキ。
 だんだんおふざけがエスカレートしていき、コヤチャの背を甘噛みして白い巻き毛をむしったり(ひどい…)、細い脚にガブっと噛みついたり(ひどい!)、しまいには頸すじをくわえて、えいっと放り投げたり!(ひどすぎる!)
 そのたびにチャスカが、耳をつんざくような警戒音を発しますが、チャスキはぜんぜん懲りずに、しつこくコヤチャにつきまといます。



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 でもよく見ていると、たしかに悪意はないようです。コヤチャを遊び相手にしたいものの、手加減がわからないようです。
 チャスキは本当だったら、同い年の仔アルパカたちと遊んで過ごしたはずの年頃に、冗談が通じないタイプのチャスカとたった二頭で、うちに閉じ込められたのですから、そこはちょっと同情できます。
 ときどきは宿六が、チャスキの相撲の相手をしていますが、アルパカとちがって頸が短いので、チャスキには物足りないようですし。



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 チャスカにバシっと叱られたあとは、こうして遠巻きにストーキング…


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 コヤチャがもう少し育ったら、子供っぽいお父さんの、良い遊び相手になれるかもしれませんね。


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 今までは大好物の枇杷の葉を見ると、それだけで理性を失い、ブチ切れていたチャスカですが、今では葉っぱをかじりながらも、コヤチャを気遣うことを忘れません。この優しい目つき、たまりませんねえ。
 ここにきてチャスカとチャスキ、精神年齢に突然すごい差がついちゃいましたね!



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 この晩、チャスカとコヤチャは、ぴったりくっついて休んだようです。
 コヤチャは、お母さんの頸のつけねに頭をもたせかけ、とても安心した様子です。



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 でも私に気がつくと、ぱっと立ち上がり、小さなしっぽを挙げて挨拶してくれました。


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 そしてお父さんのチャスキは……結局、またも「うざいお父さん一時預かり所」に閉じ込められ、そこで朝まで過ごしました。
 心配性のベンハー君が、「チャスキは少しバカだから、暗いところでコヤチャを踏みかねません!」と、日暮れとともに引き立てていったのでした。
 でも武士の情け?でしょうか、チャスカが留置所のすぐ近くを寝場所に選んだので、チャスキはずーーっとそちらを見ながら、朝まで立っていました。かわいそ。



<2月18日の印象まとめ>


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 18日の朝。チャスカが突然おしりから、仔アルパカ型の、平たく畳まれた白い風船を取り出しました。
 そしてまず、ビニール包装を取り去り…



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 次に頭からすーっと息を吹き込むと、頸と肩がゆっくりふくらみ始め…


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 ついでおしりからも息を吹き込むと、胴体と四つ足にも、少しずつ空気が行き渡り…


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 あっというまに、かわいい「3D仔アルパカ風船(白バージョン)」の出来上がり!
 …というのが、この驚くべき18日の、全体的な印象です。すばらしい一日でした!



2022年3月1日(火) 午後7時の室温25.1℃ 外気温22.5℃ 晴れのち曇り(引きつづき涼しい夏です)
<二日目のコヤチャ・パコーチャ>


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2月19日、誕生の翌日に、
早朝散策を楽しむ母子


 風邪の頭痛をおして早起きし、コヤチャに会いに行きました。
 きのう、たった半日のあいだに、アルパカらしく育ったのには驚きましたが、夜のあいだにまた少し育ったみたいです。
 きのうよりさらにふっくらして、足取りもより確かになりました。
 しかしチャスカの体力も、たいへんなものです。出産後の休憩は結局3分間だけで、あとはノンストップで良き母をやっています。



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 朝日を浴びて、家族でお散歩。
 お父さんのチャスキは、昨晩は駐車場に閉じ込められていましたが、朝6時には解放されました。
 一晩中、チャスキが柵に体当たりする音が聞こえていて、ちょっと心配でしたが、柵もチャスキも無事でした。



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 今朝もコヤチャが気になってしかたないチャスキ。お母さんがちょっとでも離れると、近づいてちょっかいを出します。


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 でもコヤチャも、早々に保身術を覚えました。
 チャスキが近づくと、すっと飛びのき、お母さんの横にぴたっと寄り添い、難を避けるようになったのです。
 (結論から申しますと、チャスキも最初の三日ほどは、コヤチャの脚を齧ったり、背中の毛をむしったり、いろいろ小さな悪さをしましたが、そのあとは落ち着いて平和共存できるようになりました)



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「ここにいれば安全!」


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 きのうは、ちょっと痛々しく感じるほど赤かった鼻づらには、早くもうっすらとうぶ毛が生えてきました。
 ここまで色白なので、あまり濃い色にはならないと思いますが、たぶんゆくゆく薄いグレーか茶色を帯びるんじゃないかと思います。



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 お乳の飲み方も上手になりました。



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 たっぷり飲んだあと、「ミルクタンク」を満足そうに見上げるコヤチャ。


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 と思ったら、ちょっとおいてすぐまたお乳の時間。そのあいだ、動かないようにじーっと立っている母チャスカ。
 こんなかわいい吸乳鬼が、終日身体にとりついていたら、そりゃあチャスカもお腹が空くでしょうね!



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 なので、できるだけちょこちょこと、好物を食べさせています。もちろんいちばんいいのは芝なわけですが、お母さんもいろいろ食べれば、きっと良い気分転換になるでしょうから。
 これは、大好きなブッドレアを味わっているところ。夏のあいだブッドレアは、毎日花がら摘みをしたほうがいいのですが、ふだんはなかなかそこまでできません。でも「チャスカのため」と思うとよく捗るので、一石二鳥です。



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 きのうは、ほぼ真白に見えていたコヤチャ。今日よく見ると、長い頸のうしろ側が、うっすらと茶色く見えます。
 白アルパカのかわいさは、もうよーくわかりましたけど、でもちょっとでもブチがあれば、私はやっぱりもっと嬉しいです。この薄茶が、もう少し濃くなっていくといいな!
 今は、ちょっぴりコーヒーをたらしたミルク、ラテ・マッキアートみたいですね。



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 どこもかしこも可愛く出来ているコヤチャですが…
 おそらくこの巻き毛しっぽが、最高にかわいい部品ではないかと思います。
 アンデスでベイビーアルパカを見たときは、ここまではじっくり観察できなかったなあ。



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 真夏はいつも、早朝と夕方に少しモスキートが出て、庭にいると人もアルパカも刺されるのが厄介です。
 でもチャスカとチャスキは、もうよーくわかっていて、その時間帯になると、モスキートが少ない駐車場に自主避難します。
 コヤチャもさっそくその習慣を覚えたようです。



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 そこでまたお乳の時間。仔羊みたいにピンとしっぽを立てて、夢中で飲んでいます。


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 そしていつものように、コヤチャから目が離せないチャスキ。
 コヤチャの存在にだいぶ慣れたらしく、ほとんど乱暴なことはしなくなってきました。



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 日が傾いて、モスキートたちが姿を消すと、アルパカたちはぞろぞろと庭に戻ります。
 今夜はもう、チャスキは閉じ込めなくても大丈夫そうですね。



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 お母さんにぴったりくっついて座って、うとうとし始めたコヤチャ。


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 と思ったら、チャスカはまた立ち上がって、お乳を飲ませます。
 このあと深夜も、何度かようすを見に行きましたが、チャスカはちょいちょい起きては、コヤチャにお乳を飲ませているようでした。
 だからきっと明日の朝には、コヤチャはまたもうちょっと、大きく育っているでしょうね!



2022年3月7日(月) 午後11時の室温27.0℃ 外気温24.3℃ 晴れ
<3日目のコヤチャ・パコーチャ>


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チャスキ 「おはよう、色白美人ちゃん!」
コヤチャ 「おはよう、色黒ハンサムとうちゃん!」


 生後3日目の朝。コヤチャのおかげで、私たちも早起きになりました。


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水飲み場にて。
コヤチャ 「お母さんは、ここでミルクタンク、いっぱいにするのね」



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 朝日で透けた長いお耳が、真赤に見えます。


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 と、そこで、初めてのC字型あくびをキャッチ!
 こうしてみると、やっぱり駱駝ですねえ。



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 鼻のまわりは、だいぶ薄茶色になってきました。
 (耳や口元、目元は、あちこちモスキートに刺されてかわいそうでしたが、後日ニームオイルを薄く塗ったら解決しました)



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本日の自家製ボフェダル(湿地)


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チャスカ
「陽射しも強くなったし…
そろそろナツメヤシの下に行きましょう!」



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ということで、ボフェダルに
ひとり取り残されたお父さん。
チャスキ 「…なんか急に寒くなった!」



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チャスカ
「少し甘いものなど頂きませんと、
とてもとても体力がもちませんわ!」


 午後のおやつの時間になりました。今日はパピルスをたくさんと、それからチャスカにだけはぶどうも出ました。


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 お父さんのチャスキが、夢中でパピルスの茎をかじるのを見て、コヤチャも興味を持ったようです。
 生後3日目ですから、まだ飲み込みはしませんけれど、さかんにガジガジと齧ってみています。



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チャスキ 「よーーーく見ると、
僕にそっくりな美形だな!」


 まあ同じアルパカですしね…


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 夕日を浴びながら、お母さんの真似をして、芝の上で転がってみるコヤチャ。
 コヤチャにとっては、何もかもが生まれて初めての経験です。



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 かわいいおトイレポーズも初めて…
 もし「おトイレ姿がかわいい動物コンテスト」があったら、猫とアルパカが一位を争うに違いない…と私は思いますが、どうでしょうね?



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 少し薄暗くなってきました。コヤチャは、きちっと脚を畳んで、駱駝式正座をしてから、居眠りを始めます。


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 うとうとして、おつむが揺れるのがかわいくて、宿六がいらぬちょっかいを出していると、チャスカが心配して近づいてきます。
 でもちょっと宿六のにおいをかぐと、「ああよく知ってる人だった…」と安心したらしく、すぐ離れていきました。
 コヤチャが生まれてから、チャスカがどれほど私たちを信用してくれているか、初めてわかってとても嬉しいです。



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 モスキートを避けて、駐車場に引き上げた母娘。
 チャスカのこの、とことん優しいまなざしを見ていると、こちらまで幸せな気分でいっぱいになります!
 いまわが家では、アルパカたちだけではなく人間も全員が、オキシトシンに浸って過ごしております…



<本日、18日目のコヤチャ・パコーチャ>


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生後3日目のコヤチャ・パコーチャ
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本日、生後18日目のコヤチャ・パコーチャ


けっこう背が伸びて、身体つきも全体にしっかりしてきました。
さいしょの一か月で、体重はほぼ倍になるそうですから、目が離せません!
(4日目〜17日目のことも、すっとばさずに後日お伝えしますが、今の成長ぶりを、ちょっと先にお目にかけたくて…)



2022年3月13日(日) 午後6時の室温26.7℃ 外気温25.3℃ 晴れたり曇ったり
<4日目のコヤチャねむいねむい!>


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 コヤチャが芝の上で、無防備にごろ〜んと横になって眠っています。
 仔アルパカは、日に15、6時間ほど眠るとか。ほとんど猫ですね。



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 アルパカはおとなになっても、毎日10時間以上眠るそうです。草食動物らしく、ちょこちょこ短い睡眠をとるのだろうと思いますが。
 チャスカもチャスキも、昼間もよくそのへんにひっくり返って、短い睡眠をとっています。



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 コヤチャの生後、四日目のこと。芝の上で平和に眠るコヤチャを、うちの窓からチラチラ眺めていました。
 するとベンハー君が、ものすごく心配そうな顔でやってきて、コヤチャをさかんにゆすって起こそうとしています。あらあら…と思っていたら、追ってこんなメッセージが来ました。
 「コヤチャの具合がわるそうです。コヤチャに飲ませるミルクはありますか?哺乳瓶はうちにあります」と。



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 なにか誤解してるみたいね…と思いつつ、昼食の支度で忙しかったので、すぐには返事しないでいたら、本人が蒼ざめてやってきました。
 「たいへんです、コヤチャが倒れて、もうぜんぜん動きません!
 きっとお母さんのミルクが足りなくて、弱ってしまったんです、すぐ牛乳を飲ませたほうがいいです!」
 うーむー、おそらくそれは、寝ているだけなのでは…と思いましたが、一応ようすを見に行くと、目の前を三頭がドドドドド…と走っていきます……



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 …コヤチャも、この走りなら、大丈夫そう…ですね?
 ベンハー君は動物が好きで好きで好きすぎて、それで心配しすぎるところがあります。
 またアルパカを飼ったことはなくて、故郷で育てていたヒツジとヤギ(睡眠時間がとても短いヒツジとヤギ)を基準にしているせいで、一層不安になってしまうようです。とりあえずアルパカは睡眠時間がとてつもなく長い、ということを説明し、今日のところは安心してもらいました。



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チャスカ 「ふふふ…ベンハーさんたら
心配性なんだから〜」



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睡魔と戦うコヤチャ


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頸を伸ばして、目をあけようとしますが…


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ガクッ…と頭が落ちました。猫みたい。


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そのあとシャキっと座りなおしたので、
今度こそ起きるのかと思ったら…



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長い頸が、ぐら〜っと前に傾いていきます。
ほんとにほぼ猫ですね、これは。



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 そして、長く頸を伸ばしたまま、寝入ってしまいました。
 …この胴の形を見ると、泉屋のクリームフィンガー(しょうがの香りがする細長いクッキー)を思い出します。なんとなく似てません?



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 そんなクリームフィンガー状態のコヤチャを、物陰から冷ややかに見つめる、あやしいけものの影……
 コヤチャが生まれてから、人間たちが庭で過ごす時間が激増し、ハスミニ猫はそうとうに気をわるくしています。私が庭に出ようとすると、足元に身を投げ出して、五体投地状態で阻止しようとします。



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 寝たり起きたりするコヤチャを、いつまでもいつまでも睨んでいるハスミニ。
 (窓の格子に針金が渡してあるのは、うちに来た当初のハスミニが、小さすぎて格子を通り抜けてしまった!からです。ふくふくと太った今は、もう無理でしょうけれど)



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コヤチャ 「お母さん、さっきミニ・ピューマに睨まれた!」
チャスカ 「お乳を飲んで、忘れてしまいなさい!」



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そしてお乳を飲んだら、
また眠くなったコヤチャ。



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 でも頸を伸ばしたところで、下の芝が気になったらしく、ゆっくりと噛み始めました。


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 この日は、ランタナの葉にも多大なる興味を示し、長いこと噛み噛みしていました。
 今はまだ、動物性たんぱく質(母乳)に頼るコヤチャですが、草食動物らしい味の好みは、すでに目覚めかけているのでしょうね。




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