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アルパカのいる庭

(9)チャスカ様「入院」と、嬉しい嬉しいご退院(2022年3月4月)


<最新記事はこちら!>

アルパカのいる庭



2022年3月16日(水) 午後5時の室温27.8℃ 外気温25.9℃ 快々晴!
<今だけ「アルパカの母」代行中>


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「こんにちは!せっかくハンサム期なのに、
出番の少ないチャスキです!」



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 コヤチャの誕生後、二週目と三週目は、ちょっと心配ごとがつづきました。
 まずコヤチャの片目が腫れて、瞳もうっすら白っぽくなり、少なからず慌てましたが、夏によくあるただの結膜炎でした。あーびっくりした!


 次いでチャスカが、お乳の近くにケガをしてしまいました。原因はわかりません。
 さいしょはコヤチャのお乳を優先し、強い薬は避けて、ニームオイルや海塩などで治療を試みましたが、はかばかしくありません。
 そこでコヤチャをいったん引き離し、薬を使うことにしました。幼いコヤチャが強い薬をなめるといけないので、やむをえません。



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 3月6日。後ろに写っているように、チャスカを駐車場に隔離しました。
 これからチャスカのケガが治るまで、コヤチャには人の手でミルクを飲ませないとなりません。



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 哺乳瓶は、結局ベンハー君のをもらいました。(三ヵ月になる末っ子、マグノリアちゃん用に買ったものの、「お母さんから直接じゃないといや!」と断固拒否されたそうで…)
 ここでは写真を撮るため宿六が飲ませていますが、主に担当しているのは私です。
 こういった農場経験?は皆無の私たちですが、なぜか手がコツを知って?いて、すぐうまくできるようになりました。



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 ほかほかあったかいコヤチャを引き寄せ、哺乳瓶をくわえさせると、長いのどをミルクが通っていくのが手に伝わって、これぞ命!という感じです。こちらまで、ものすごく生きてる実感がこみあげてきます。

 まだ生後17日目、自分では水も飲まず草も食べないコヤチャですから、二時間ごとに欲しがるだけ与えていますが、たくさん飲めば純粋に嬉しく、ちょっとでも少ないと心配になる、という繰り返し。
 つねに時計をチラチラ見ながら、アルパカと哺乳瓶のことで頭がいっぱいで、早くも軽い育アルパカ・ノイローゼ気味…かもしれません。
 今生では、哺乳瓶のしたくだけはしないつもりだったのですがー、もうねんがらねんじゅう準備しています。いやーまさかこんなことになるとは。



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娘の百合子ちゃんに
飲ませ方を教えるベンハー君


 基本、楽しくてならないミルクタイムですが、炎天下ではちょっと辛いです。なので昼の数回くらいは、動物好きの百合子ちゃんに分担してもらおう、と期待していました。
 でも、気の小さな百合子ちゃん、どうにも腰が引けてしまってうまくいきません。動物ってこちらがこわがっていると、すぐ気づいてしまうので。
 しかたない、私がやるしかないようです。


 (当地の愚かしいワクチンパスポートのために、ほんとならもう三回目を打たないとならないのですが、チャスカ様を代行中の私が、今もし熱でも出したら、コヤチャが困ってしまいます。なのでワクチンのほうを先延ばしにしています。そうしてる間にパスポート廃止にならんかな〜?まだちょっと無理かなー?)


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 ありがたかったのは、宿六がうちの近所で、しぼりたてミルクの店を見つけてきたこと。
 プーノ出身の家族が朝夕二回、自分の30頭ばかりの牛からしぼったばかりの、まだ牛の体温が残るミルクを持ってきて、そのまま無処理で売っています。
 見るからに脂肪たっぷりの、おいしそうなクリーム色です。市販の水っぽい青白いミルクとは別ものなので、仔アルパカ飼育にはぴったりかもしれません。
 お値段は1リットル3ソルで、いつもうんと多めに入れてくれます。



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 殺菌はすべきか否か、ちょっと迷いましたが…
 牛さんの健康状態までは見ていませんから、やはり65℃で30分、殺菌することにしました。昨年使い始めた低温調理ナベが、意外なところで大活躍!
 この方法だと味が変わらずおいしいのでしょう、コヤチャも毎回一気飲みしてくれて、日々目にみえる早さで育っていきます。
 今のところ、三、四日ごとに6リットルも買っています。ものすごく牧場気分の毎日です。



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 3月7日。チャスカ様「入院」の翌朝。
 お母さんに近づけないコヤチャが、さぞおなかを空かせているはず…と、6時に飛び起きてさいしょの哺乳瓶を持っていきます。
 昨晩はコヤチャもチャスキも、ここでチャスカのほうを見守りながら過ごしたようです。


 こうして親子を引き離すのは辛いですが、少なくとも互いに姿を見たり、ムームーと話をしたり、ちょっとにおいを嗅ぎあったりできるのは、この病室の良いところです。そのおかげか、チャスカもまったく食欲は衰えず、コヤチャもこの日はなんと、計1リットル半も!牛乳を飲みました。


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 翌日3月8日は、この冷夏には珍しく29℃まで気温があがりました。湿気の少ない爽やかな暑さです。天国みたいです。


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 朝のうち、チャスカの「病室」前で寂しそうに座っていたコヤチャも、上天気につられて、ひとり運動会を始めます!
 ほとんど見えなくなるほどの超高速で、前庭をすみからすみまで駆け回ります。
 それをチャスキが、黒い耳を立てて、じーっと目で追っているので、いやな予感がしましたが…



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 そーっと先回りしたチャスキ、ローズマリーの藪からコヤチャに奇襲攻撃をしかけます。
 きっとなにかやるだろうと思ったよ…



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 あわてふためいて方向転換するコヤチャ。
 チャスキもなにも、そんな鬼の形相で、幼いコヤチャを脅かさんでも…



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 コヤチャはまっすぐお母さんのところへ逃げ帰ります。
 チャスカのほうも、「病室」からいつもこうやって、コヤチャの姿を目で追っています。



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 激怒したチャスカが、チャスキをぐいっと睨みつけると、思わずその場に凍り付くチャスキ…


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 そしてすごすごと立ち去るチャスキを、呆れ顔で見送る母子なのでありました。


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 今日はきれいな快晴のまま、日が暮れそうです。リマではこういう日は、真夏にしかありません。
 少し涼しくなると、またコヤチャの運動会が始まりました。



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 ほとんど常時、お母さんの姿が見える前庭にいたコヤチャですが、急に決心がついたのか、とつぜん裏庭へ走っていきます。
 「庭にベイビーアルパカがいる」だけでも、完全に絵本の中のアンデスなのに、夕暮れ時にこんな姿を見ると、ますます妖精が出てくるおとぎ話めいています。



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チャスキ
「ずいぶんとうまそうな尻尾だな!」


 すると…いかん…またあのバカルパカが、本気出してきた…


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 それまで楽しそうに、ピョーン、ピョーン…と高さのあるジャンプをしていたコヤチャが、直ちに全力疾走モードに入ります…かわいそうに…


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 コヤチャがしっぽをピンと挙げているのは、「参りました!反撃しないから何もしないで!」のサインなのに、そのしっぽを噛もうとするチャスキ……ひどい!
 限度というものを知らないチャスキが、しつこすぎるので、ここで人間が介入して引き離しました。
 しかし生後わずか19日で、親が追いつけないほど速く走るコヤチャ、大したものです。さすがビクーニャの末裔です。



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 超特急で走ったため、向かい風でオールバックになったチャスキ。笑っちゃうから、そんなシリアス顔でこっち見ないで!
 うちに来た頃は、おまえもかわいかったのにねええ。



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 チャスキに追い回されたあと、コヤチャはムームー鳴きながら私にすりよってきたので、しっかり抱っこして落ち着かせました。しばらくは鼻をひくひくさせて、全身がぶるぶる震えて、とてもかわいそうでした。
 でも5分もすぎると、あっけらかんと何事もなかったかのように、チャスキと並んで「草を食べる練習」を始めます。もしかするとさっきのも、怖いというより、息切れしてただけなのかな…?
 どちらにしても動物は切り替えが早くて、ちゃんと100%、その瞬間瞬間に「生きて」いるので、よけいな感情移入はしないほうがいいですね…



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 チャスキが草を食べながら遠ざかると、また元気いっぱい飛び跳ねはじめたコヤチャ。四つ脚が宙に浮いています。
 人間を追っかけるのも好きな遊びで、ぽーん!ぽーん!と跳ねながら、どこまでもついていきます。なんてかわいいんでしょう。
 宿六も、「これでもう、犬は飼わなくていいかも!」と嬉しそうです。



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 これまでは怖がって登らなかった「チャスキの国見の丘」も、私が上から呼んでみると、ヒョイヒョイヒョイっと軽やかに登ってきました。
 風が通って眺めがいいので、たいへん気に入ったらしく、丘の上で、もうくるったみたいに跳ねまわります。その瞬間はなかなかうまく写せませんが、小さな舞台の上のかわいいバレリーナみたいです。
 コヤチャがひとまわり太って、しっかり筋肉がついてきたのも、おわかりいただけると思います!



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「いったいコヤチャはどこなの?!
チャスキもちゃんと、5分おきくらいに報告に来てよ!!」


 コヤチャが裏庭で遊んでいるあいだ、チャスカは大きな瞳を見張って、ずっとコヤチャの白い姿を探していました。
 車庫からは裏庭が見えませんから、とても心配だったようです。ごめんねチャスカ。


 肝心のケガのほうは、幸い「入院」させたらすぐ、一晩で良くなり始めました。
 コヤチャがキズの近くをなめないのも、だいぶ助けになっているようなので、かわいそうですがもうしばらく、母子には我慢してもらわないとなりません。
 チャスカ本人は、キズを気にするそぶりもなく、いつもと変わらず食欲旺盛ですから、さほど心配の必要はなさそうです。(…と言いつつたいへん心配しておりましたが、最終的には一週間でめでたく「退院」となりました)




2022年3月29日(火) 午前9時の室温25.2℃ 外気温24.3℃ 快晴!澄んだ青空がきれいです(リマにも青空はあります〜ねんのため)
<コヤチャの刷り込み>


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客室担当アルパカ・コヤチャ
「ただいまご朝食を
お持ちしますので!」


 (前回は30日目のコヤチャをお目にかけましたが、またちょっとさかのぼりまして)
 今日は3月9日、チャスカ様入院4日目。
 チャスカはそれなりに入院生活を楽しんでいるらしく、少しだけある芝の上で日向ぼっこしたり、日陰できげんよく寝転がったり。
 前に閉じ込めたチャスキとは違って、いらいらした様子はまったく見せません。娘のコヤチャを気にかける以外は、ゆったり過ごしているのでほっとします。



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 でも自由に芝をはめないのはかわいそうです。
 なので当座の主食、ムラサキウマゴヤシのほかに、剪定バラやミニパピルス、ブッドレアなどを、数時間おきに差し入れしています(要は私が暑い中、せっせと刈ってはお持ちしています)
 キズも治りかけて気分が良いらしく、チャスカは差し入れを見ると、嬉しそうにぽーん!とジャンプします。早く外に出してやりたいですねえ…



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 そろそろザクロも熟し始め、差し入れに重宝しています。チャスカの大好物なので。
 (海辺では珍しい仔アルパカが、うちで生まれた理由のひとつは、チャスカとチャスキがザクロ食べ放題で育ったから、かもしれませんね。ザクロは子孫繁栄の象徴ですが、じっさいに動物実験レベルでは、オスメス両方への効果が見つかっているらしいですし)



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チャスキ
「この丘の芝は、父さんと母さんで丹精したんだ。
一度も草刈り機をかけたこと、ないんだよ。
そしてコヤチャ、おまえもきっといつの日か、
この丘を愛するようになるだろう」


(映画「風と共に去りぬ」の「タラのテーマ」を
脳内再生しながらごらんください)


 この日さいしょの哺乳瓶を、勢いよく飲み干したコヤチャは、すぐ裏庭へ。
 きのう初めて制覇した「丘」に、おどるような足取りで登ってみます。



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 そして丘の上から、七面鳥が騒々しく通っていくのを、上から目線で観察したり…


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 急に丘を駆け下りて、通りすがりの人間を追いかけたり…
 元気な子犬みたいなコヤチャに、朝っぱらからおつきあいするのは、ちょっとばかしたいへんです。
 でも早朝の庭は、ジャスミンやスイカズラやイモーテルが放つ香りのつぶつぶでみちていて、それを深呼吸するだけでも早起きの甲斐があります。
 コヤチャが育って早朝ミルクがいらなくなっても、できたら続けたいです。



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「代母さーーん、ミルクもってきたー?!」


 3月10日 チャスカ様の入院5日目。
 この日はコヤチャに、大きな変化がありました。
 朝6時に外に出ると、すぐにコヤチャがムームー鳴きながら、私に駆け寄ってきたのです。なんてかわいらしい……
 そしてすなおに哺乳瓶をくわえると、220ミリリットルの牛&山羊ミルクを、1分40秒で飲み干しました。



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 アルパカ一家は、昨晩もやはりこうして、「病室」まわりで過ごしたようです。
 コヤチャがお母さんのそばにいるのは、まあ当然としても、チャスキまでがやけに義理堅いのには、ちょっと感心しています。
 逆パターンでチャスキが閉じ込められたときには、チャスカはいたって冷淡なのですがねえ。



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 すごい顔してるね、チャスキ…
 まあたぶんチャスキは、「病室」に別のオスでも現れるといけないので、念のためずっとチャスカを見張っているのでしょうけど…



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朝食後、モーニング・ルーティンにとりかかる父娘


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 コヤチャは今朝も、まずは大好きな丘に登ります。


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 そして勢いをつけて駆け下りると、人間とかけっこを始めます。…いやー、人間(50代後半)、この若さとおつきあいするのは、なかなかたいへんっす。
 なお冷夏のため早朝はかなり寒くて、この人間は今はダウンを着ておりますが…



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 …日が昇ると、今度はカーッと照りつけて暑くなります。この気温差もくたびれますね。
 とはいえもう3月もなかば、花々や蝶の色あいに、どこかしら秋の気配を感じるようになりました。



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 かけっこのあとは、チャスカのところまでコヤチャを送り届け、いったん私たちは家に引き上げます。
 駐車場の柵の下にいろいろ置いてあるのは、コヤチャの侵入防止用です。もしコヤチャが中に入って、チャスカのお乳近くに塗った薬をなめたりしたら、たいへんですから。
 でもコヤチャは、まだそこまでの悪?知恵は働かないようで、なにごともなくて助かりました。



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 きょうもきれいな青空。だいぶ暑くなってきました。


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 良い機会なので、ベンハー君に頼んで、コヤチャの顔を洗ってもらいました。この陽射しならすぐ乾くでしょうから。
 (でもベンハー君は、これ以来コヤチャに少し嫌われてしまったようです…)



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 午後はもっと暑くなりました。
 でもコヤチャは、お母さんの近くにいたい一心で、じっと日向でがんばっています。
 ときどき日陰に連れていっても、ムっと口をつぐんで反抗し、すぐ日向に戻ってしまいます。そういうところは、やはりとってもラクダです。



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 それもこんなに豪華な、アストラカンめいた毛皮を着込んでいるのですから、コヤチャが熱中症になりはしないかと、とても心配です。


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 私にできるのは、脱水しないように、こまめにミルクを飲ませることだけです。


3月10日の記録

授乳時刻 飲んだミルクの量
6:00
220ml
8:30
210ml
10:45
220ml
12:00
175ml
14:30
220ml
16:30
220ml
17:30
100ml
19:30
180ml
22:00
210ml
23:30
45ml
合計
1800ml


 チャスカとの隔離期間中、コヤチャがいちばんたくさんミルクを飲んだのが、この3月10日でした。
 早朝から深夜まで、ほぼ二時間おきに計10回!
 そのあいまには、チャスカ様のおやつの準備も7、8回ほどしましたから、ほぼアルパカアルパカで明け暮れました。
 加えて猫と七面鳥と人間のエサ作りもあったので、なんかもう一日中、食べ物のことしか考えられなかったような??


 おかげでコヤチャもチャスカも、脱水もせず、おなかいっぱい元気に過ごせて良かったです。
 でも私はバテたです…



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 夕方はまた、コヤチャの探検につきあいます。
 ここ数日、飲み放題にしている牛&山羊ミルクの効果でしょうか、全体にふっくら太ったようです。
 お母さんのチャスカそっくりに、おしりも丸々としてきて、ますますかわいいです。



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嬉しく駆けまわるコヤチャ。
毎日決まって夕方5時に、
テンションマックスになりますね。



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「代母さん、もう行っちゃうの……?」


 でも、ひとしきり遊んだあと、私が家に入ろうとすると、コヤチャがトコトコあとをついてきて、じーっと私の顔を見るのです…
 そしてさみしそうな小さな声で、ムー……と鳴きます。…うわああああ、これは哀しすぎて困る!私はどうしたらいいの?!
 まさかうちの中に、連れて入るわけにもいきませんし…(家に入れたい気持ちは大ありですが、アルパカトイレに困りますから…)



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 「むこうでチャスカ母さんが心配してるから、帰りなさいね!」と言いきかせると、コヤチャはトボトボ引きかえしていきます…
 その後ろ姿がまた、哀しすぎます…
 私になついてくれたのは、本当に嬉しいです。たぶん哺乳瓶を持つ私が、代母としてコヤチャに刷り込まれたのでしょう。
 でも青白い薄暮の中で、こうして追いすがってこられると、ちょっとたまりません…(それで夜間もあと三回、ようすを見に行きました…)


 チャスカ、頼むから早く全快して、早く退院して、コヤチャの面倒をみてやって!代母のほうの体力は、そろそろ限界だから!


2022年3月30日(水) 午後4時の室温25.7℃ 外気温25.1℃ 快晴!
<41日目のコヤチャ・パコーチャ>





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生後3日目のコヤチャ・パコーチャ


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30日目のコヤチャ・パコーチャ

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本日、41日目のコヤチャ・パコーチャ


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家族そろって11時のおやつ


 コヤチャはその後も、毎日むくむくと目に見える速さで育ち、身体にしっかりとした厚み丸みが出てきました。
 生まれた直後の、平べったい心もとない姿を思うと、あれからたった40日しか過ぎていないなんて、ちょっと信じがたいです。


 今では芝草も、ひまさえあれば(いつでもひまなんですけど)食むようになり、水も自分でバケツに頭をつっこんで飲みます。
 でもやっぱりまだ、ミルクがいちばん好きなようです。


 チャスカの母乳(アルパカミルク)と、山羊ミルク、牛乳の三種を飲んでいるので、名前は、
 コヤチャ・パコーチャ・トレスレチェス(三種のミルク)
 にしようか…なんて話しています。



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 足腰もとても強くなり、とうとう今日は初めて飼い主(宿六)に、後ろ蹴りを食らわせました!
 上の写真がその記念すべき瞬間です。いやーお母さんのチャスカに似てきましたねえ。
 この比較写真も、いったいいつまで撮らせてもらえるか、だいぶあやしくなってきました。


 両親のチャスカとチャスキも、おかげさまで元気で…いえ、少々お元気すぎて、は、はやくもコヤチャのきょうだいを考え始めたらしく(冷汗)、飼い主二名はまっっっさおになっております…
 アンデスのアルパカは、だいたい出産後一、二か月で次の仔を身ごもるそうですが、プキオの大平原ならぬうちの庭でそれを実行されると、先々えらいことになりそうです…今から心配するのはやめよう、と思いつつも、うーんちょっと気になりますね…





2022年4月2日(土) 午前11時の室温24.6℃ 外気温24.1℃ ひんやりする曇り、のちだんだん晴れ
<疾走!コヤチャ号>


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 3月11日。
 コヤチャは生後22日目。母チャスカは「入院」6日目。
 脂肪たっぷりの牛乳を飲んで、口のまわりを白くしたかわいいコヤチャ。ここ数日で、今度は急に瞳が大きくなってきました〜



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お父さんとセルフィー。
チャスキ「この深ーいまなざしは、
まぎれもない僕からの遺伝だな!」



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 生まれてすぐは、赤ちゃんらしくピンク色で、ぷっくりとしていたコヤチャの口元。
 それが次第に、頑固そうにキッ!とむすんだ、ラクダっぽい口元に変わりつつあります。そこがまたかわいいんですけど。



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コヤチャ
「みなさまにご挨拶を!
生まれてからずっと
見守ってくださってありがとう!」



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夕方になると、きょうも嬉しく運動会!


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コヤチャ号の三段跳び その1


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コヤチャ号の三段跳び その2


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それから突如、疾走開始

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ドドドドドドドドドドド………


 あー…またあのバカルパカが、コヤチャにつられて、いらん本気を出してきましたね…


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拡大図。
二頭の迫力に、鳩もびっくり


 家から眺めていると、池のむこうの「アルパカの小道」を、同じアルパカが二頭、なんどもなんども走り抜けていきます…


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 チャスキを何とか振り切ろうと、途中で急転回して戻ってきたコヤチャ。
 まだ軽くて足音がしませんから、まるで庭に棲む白いドゥエンデ(妖精のいたずらっ子)のようです。
 その走りたるやあまりにも高速で、スポーツ連写モードで撮ってもほとんど写りません。ますますもって妖精のよう。これは辛うじて写っていた一枚です。



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ドドドドドドドドドドド………


 じきにチャスキが追いついて、二頭はそのあとも何回も、この小道を追いつ追われつ走り抜けていきました。
 それを呆然と眺める私たち……自宅の庭でアルパカ大暴走…これはある意味、夢の暮らし?です?…かな??


 ここパチャカマックに多い庭つきの家では、ふつう庭のぐるりの外壁にくっつけて住まいを建てます。住まいの壁の費用が、少し節約できるからです。
 うちを建てたときも、そうするように強く勧められましたが、私は思うところあって、庭のまんまんなかに建てました。四方の騒々しいご近所から、できる限りうちを遠ざけたかったからです…


 結果的にはその程度の工夫では、ご近所の騒音から逃げるのは不可能!でしたが、でもおかげで回遊式の庭ができました。
 アルパカたちにしてみれば、囲われた狭い世界とはいえ、少なくともぐるぐる永遠に歩き続けられますから、それが多少ともストレス軽減につながっているといいな…と思います。



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 今日もさいごは、すばしっこいコヤチャが逃げ切りました。
 チャスキはさいきん、ちょっと太りすぎですもんね、途中で疲れたのか、追跡を放棄しました。
 でもコヤチャはまだまだ走り込みが足りないらしく、そのあとも裏庭を飛び回っていました。本当に、夕暮れどきに現れるドゥエンデそのものです。



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 母チャスカのほうは、おかげさまでケガもほぼ全快、今日(3月11日)はもう薬は塗らずにすみました。
 明朝、残った薬をよく洗い流し、陽射しが弱まる夕方になったら庭に放してみよう、ということになりました。
 あす(3月12日)のアルパカ一家再会場面が、とても楽しみです!



2022年4月10日(日) 午後11時半の室温25.4℃ 外気温20.5℃ 曇り
<52日目のコヤチャ・パコーチャ>







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生後3日目のコヤチャ・パコーチャ




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41日目のコヤチャ・パコーチャ


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本日、52日目のコヤチャ・パコーチャ



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おしり比較(52日目)


 横からの比較写真ではわかりにくいですが、身体ぜんたいがまるっまるとしてきました。
 毛がふさってきたのもありますが、特に肋骨あたりにぐーっと湾曲した厚みが出て、とてもアルパカらしい体型になりました。
 かわいいおしりも、今ではお母さんそっくりです。


 その後もお母さんのお乳は順調に出ているようですが、念のため山羊&牛ミルクも飲ませています。
 日に4、5回、コヤチャがほしがるだけ飲ませると、決まって計1リットルくらいになります。
 仔アルパカはさいしょの三ヵ月ほどは、まだ草を完全に消化しきれないらしいので、しばらくはこの調子で続けます。ほんとに心楽しい作業です!



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おしり比較(1日目)


 生まれた日には、こんなに背が低くて、おしりも細かったのですね。でもまだ、二ヵ月と過ぎていないのかあ…
 コヤチャは白くて目立つので、存在感が大きくて、もう二年くらいは庭にいるような気がしてしまいます。


 お母さんのチャスカのほうは、出産とその後のケガで、一時はだいぶやせてしまいましたが、左の写真の通りしっかり太って毛も伸びて、健康そうな丸々体型に戻りました。おかげさまで!




2022年4月15日(金) 午後8時の室温23.9℃ 外気温20.5℃ とことん快晴の聖金曜日。月がきれいです!
<チャスカさま退院祝賀ダンスパーティ>


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 また遡りまして3月12日。 コヤチャは生後23日目。母チャスカは入院(車庫に隔離)の7日目。
 この日は朝と午後にチャスカのおなかをよく洗い、薬をできるだけおとしてから、いよいよご退院です!



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「お母さん退院おめでとう!」


 午後4時すぎ。
 秋の透明な光の中、車庫から静かに歩み出たチャスカ様は、夫たるチャスキには一瞥もくれず(笑)…
 コヤチャにだけそっと顔を近づけ、挨拶します。



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 そして二頭で、なにごともなかったように、すーーっと歩いていきます。
 ベンハー君は、
 「チャスキおまえ、気がきかないなあ!
 花束すらもってこないから、チャスカが気を悪くしたんじゃないか?」
 と笑います。



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 まずは何はともあれ、久しぶりの爽快芝生トイレ。
 お母さんから離れたくないコヤチャは、トイレ中もぴたっと、チャスカに文字通り貼りついています。
 (車庫にいたあいだ、チャスカは自分でトイレの場所を一か所に決めて、そこだけ使って身ぎれいにしていました。チャスカの環境順応力には、つくづく感心!)



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 それからチャスカはコヤチャを連れて、庭の見回りに出かけます。


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 途中あちこちで、いろんな草花をちょっとずつ食べます。一週間ずっと、これがしたかったのでしょうね。
 チャスカとチャスキの働きで、庭の芝はいつも、短かすぎるくらいに刈り込まれています。
 でもこの一週間で、あちこちにちょっと伸びたところができました。チャスカがふだんどれだけ食べているか、ですね。



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 チャスカとコヤチャは、いっしょにいるのが嬉しくてならない様子です。
 でもチャスキのことは、明らかに避けていますね…



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 チャスカは何度も、コヤチャのしっぽのあたりをかいで、自分の仔アルパカであることを確認しているようです。


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 一休みしてから、また見回り再開。
 コヤチャは歩きながら、お母さんに軽く体当たりして、もう全身で喜びをあらわしています。かわいいねえ。



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コヤチャ 「お母さん!
わたしもう、こんなに速く走れるよ!」



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 コヤチャは、チャスカ入院中に覚えた遊びのいろいろを、ぜんぶお母さんに見せたいようです。


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 そしてまた、互いに仲良くにおいをかぎあって、嬉しい身元確認です。


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 …という感じに、際限なしにべたべた仲良くしていて、見ているこちらもニコニコしてしまいます。
 本当に良かったね、またいっしょになれて!



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 …とそこに、例の邪魔者が追いつきます。
 コヤチャやチャスカをしつこくつつくので、たちまちチャスカ様のお怒りを買ってしまいます。


 ついでながら、アルパカがこういう顔で長い頸をもたげたときは、次の瞬間、トゥッ!とつばを吐かれる確率が高いので、すみやかな退避をお勧めします。
 アルパカの瞳は魚眼レンズ仕様で(たぶん)、視野が広いため、ここでは後ろのチャスキを見て怒っています。でも不幸にも口はこちらを向いているので、ぼんやり近くにいると誤爆される危険大です。



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 生まれつきうざいお父さんは、辛いねえ…
 チャスキがないがしろにされる、期待通り?のこの展開に、人間たちは大笑いです。



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 と、突如、ターボエンジンがかかったチャスカ!
 チャスキもびっくり!の、華麗な連続ジャンプを披露しはじめました。
 本気で逃げるときの走りとは違って、ピョーン!…ピョーン!…ピョーン!…と高さのある楽しげなジャンプです。
 上下になめらかに動く、メリーゴーラウンドの動物たちを思わせる、どこか優雅な姿です。



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 コヤチャも大喜びでついていきます。
 コヤチャがチャスカといっしょに走るのは、これが初めてです。
 そういえばこの一年ほど、チャスカが走るところを全く見ませんでしたが、あれは妊娠していたからだったのですね。



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 ピョンピョン跳びに、さらに上機嫌のときだけ見せる、身体をぐいっとひねるジャンプも組み合わせ、庭を縦横に走ります。
 狭い車庫を出て、本当に嬉しいんでしょうね、ここまで大ハッスルのチャスカ、私たちも初めて見ます。



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 勝手知ったる小さな丘も、置かれた石をじょうずによけて、軽々と走り抜けます。


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 この嬉しそうな顔を見てください!
 ルン!ルン!ルン!…と、チャスカの鼻歌が聞こえてきそうです。



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 そしてしばらくは母娘の二頭で、楽しく仲良く、ピョーンピョーンと跳びまわっていましたが…
 ああやはり来てしまったか… あの限度を知らないバカルパカ、チャスキが踊りの輪に乱入します。
 そして自分だけ場にそぐわない本気を出して、猛スピードで母娘を追い回すので、さいごはいつものようにチャスカとチャスキ、つばを吐きあっての大喧嘩。
 これにて退院祝賀ダンスパーティ、強制終了となりました。



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 母娘は、チャスキから少し離れたところに避難して、一休み。
 チャスキは本当にしつこい困った奴ですが、やはりそこは草食動物。
 アルパカは走り込むと、じきに息が切れて座り込んでしまうので、互いに命の別状があるほどの騒ぎにはならないのは、まあなんというか安心です。



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 もうすぐ日が沈みます。コヤチャは、最近気に入っている白ランタナを枕に、幸せそうにくつろいでいます。チャスカもチャスキも、この白ランタナは口に合わないのか食べませんが、コヤチャはしょっちゅう花をかじっています。
 そしておもしろいことには、今日退院したチャスカが、なぜか急に白ランタナを食べ始めたのです。コヤチャが入院中のチャスカに、「お母さんは食べないけど、白ランタナって試すとけっこうおいしいよ」と話していたのかもしれませんね。


 この晩はまた以前のように、母娘はぴったり身を寄せ合って眠りました。
 私もこれで、単独育児気味だった仔アルパカ飼育から解放されて、お手伝いのばあちゃん役に戻れる……と思うと心底ほっとして、めずらしく気絶するように眠りに落ちました。




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