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アルパカのいる庭

(7)まさかおめでたとは知らなかった日々(2021年5月〜2022年1月)


<最新記事はこちら!>

アルパカのいる庭


2021年5月12日(水) 午後7時の室温23.3℃ 外気温20.3℃ 快晴!のち曇り
<アルパカと貯水槽(と七面鳥)>



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2013年の貯水槽工事


 パチャカマックではおそろしいことに、毎日数時間しか水道水が届きません。そのため貯水槽なしでは、まともな生活はできません。
 そこで家の建築時には、コンクリート製の、泳げるくらい大きな地下水槽を作りました。とてもしっかりした作りで、これで数十年は忘れていられる…はずでしたが、惜しいことに(というかペルーなのでやっぱり)工事の詰めが甘かったようです。
 天井部分の仕上げがいいかげんで、ボロボロ崩れ落ちてモーターを詰まらせるようになったので、思い切って作り替えることになりました。


 (この大きすぎる貯水槽を、あとどうするかは決めていません。
 「もったいないから、タイルを貼ってプールにすれば?」との声もありましたが、洗濯場のある裏口にプールねえ…それはちょっと…)



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 今回の工事のほうはかんたんで、このポリエチレン製の巨大タンクを、ただ穴を掘って埋めるだけです!


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 …と思ったんですけど、やはりペルーの場合、どうしても変に大がかりな、力まかせの工事になっちゃうんですね。縦・横・深さ2m×2m×2mほどの大穴を、なんと手掘り!するそうです。
 もちろん私たちでは無理なので、フランクリン君に井戸掘り職人のジョニー君を連れてきてもらいました。


 ふだん10mくらいの井戸を掘り慣れているジョニー君、スコップ一本だけを手に、涼しい顔でどんどん掘り進みます。
 すると異変に気づいたチャスキが、すぐ様子を見にやってきます。



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もちろんチャスカも駆けつけます。
アルパカってほんと物見高いなあ。



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チャスキ「ここにあった芝はどうした?!
勝手なことをしてもらっては困る!」
チャスカ「今度こそアルパカ用ボフェダル(湿地)じゃない?」



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 (チャスキはまだハンサム期続行中です。これもムダに写りの良い一枚。)


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 初日は1メートルちょっとまで掘り進みました。
 掘り出した土は、永吉君が奥に運んでいますが、ジョニー君の仕事が早すぎてぜんぜん追いつきません。



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 裏庭に積み上げられた土。穴の大きさからは考えられないほど、かさが大きいです。

 うしろのほうの小山は、2015年に池を掘ったとき、出た土で作りました。チャスキはこの小山が大好きで、いつもわくわくした足取りで上ったり下りたりして遊んでいます。
 あんまりかわいいので、もうひとつ小山を作ってやりたいと思っていましたが、こうして意外な形で実現することに。パチャカマックに越してからの災難には、なんだかいつも、なにかしら良いおまけがついてきます。



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国見をするチャスキ。
「…ややっ、この丘に『芝』摘ます児!
鄙にはまれな美アルパカ!」


 チャスキの小山の使い方。まず跳ねるように駆けのぼってから、しばしあたりを王者らしく睥睨し…


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「家聞かな、名告らさね〜〜っ!」
「うざいわねっ!
チャスカに決まってるでしょ!」


 その後、勢いをつけて駆け下り、チャスカをしつこく追いまわします。
 好きな子をいじめる小学生そのもので、チャスカ超めいわくそう。



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さて二日目は、穴は1.8メートルの深さに。


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新しい小山もじわじわ育っていきます。

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三日目には予定の2.2メートルに達して、
穴掘り工事は終了。


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 さっそく新山の登り心地を確かめるチャスキ。
 「あっそうか、これはアルパカの丘を作る工事だったんだ!」と、二頭とも深く納得したごようす。



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「私、高いところって…」


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「だーい好き!」


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 工事の続きはジュリアス・シーザー君の担当ですが、忙しくてなかなか来てもらえず、この危険な大穴あけっぱなしで数週間を過ごしました。
 アルパカが落ちないといいな…と心配でしたが、チャスカもチャスキも、さすがにそこまでバカではないようです。


 でもかわりに落ちました、おつむの弱い七面鳥が……
 これ、オスかメスかまだわからないディノ(ディナ?)です。
 早朝からサルボがピーポーピーポー鳴いて大騒ぎするので、どうしたのかと思ったら、こういう状況でした。



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 ハシゴを下ろして、そっちのほうに追いやれば、いかなおつむの弱い七面鳥も、きっと自分で登ってくるだろうと…


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「はやく上がっておいで〜
遊んであげるから〜」


 やれやれ。上で仇敵が待ち構えていては、あがってくるはずがありません。


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気になってしかたないチャスカとチャスキ


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「気になる気になる…
どうにも気になる…」


 二頭とも視線が七面鳥にはりついてます。アルパカにとっては、良いひまつぶしになる小事件でした。


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感動の再会!


 結局、あとで永吉君が下に降りて、ディノを救出。
 生還したディノを、サルボが全身の羽根をふくらませて、大喜びで迎えに行きます。
 動物はみんな本当にかわいいですね!



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 二週間後、やっと工事再開。
 これは、ポリエチレンの水槽上にのせる蓋を作っているところです。



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 穴の底は、転圧機で固めてからセメントを流し…


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 翌々日からそこに、煉瓦を積んでいきます。昼休みの永吉君が、バイトでお手伝い中。


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 夕方見に行ったら、ごりっぱな地下建造物?が出来ていてびっくり。この中にポリタンクを収めるそうです。
 ただ穴を掘って埋めるだけでは、地下水槽がだんだん沈んでいったり、地震のとき動いてしまうからだそうです。なるほど。



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 タンクを埋めて、土をかぶせて、やっと工事終了。
 すぐまた視察にやってきたチャスキから、「この蓋は低いから、雨が降ったら水が流れ込みますね」とご指摘をいただきました。



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 おっしゃる通りなので、煉瓦一列分だけ高くしました。


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チャスキに検印を押してもらって、
工事本当に完了!



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 副産物の新しい「裏山」は、まだ土むきだしのままです。
 ちょっとの高さでも意外に眺めがいいので、上に東屋でも作ったらすてきでしょうね…
 でもたぶんアルパカファーストで、アルパカたちが遊べてしかも食べられる、芝100%の丘になると思います。
 7月か8月、霧雨がしとしと降って、芝が活着しやすい時節になったら、フランクリン君に植えてもらいましょう。



2021年6月18日(金) 午後6時半の室温22.6℃ 外気温19.0℃ 終日曇り
<ベイビーアルパカ製品>



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1個で2万円
送料無料


 私がこよなく愛するMercado Libre Peru(中南米で人気のeコマースサイト)にて、先日こんなものを見つけました。
 本物のアルパカ毛を使ったぬいぐるみだそうで、雰囲気はよく出てますよね。
 高さは30センチメートルあって、お値段のほうは………え?!749ソル(約2万円)もするの!?


 ちょっとショック受けました。だってチャスカとチャスキ二頭分のお値段より、高いので。


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こちらは2個で2万円
送料20ソル(タクシー代)


 同じくアルパカ毛をふんだんに使ったこちらの商品は、二個セットで(色柄はお選びいただけます)、700ソル(約1万9500円)*となっております。
 (*2019年時点での、アルパカ屋さんの言い値。なおマフラーは商品に含まれません)


 私たちは気持ちまけてもらって、680ソルで購入しました。
 その後、このかわいい二頭が庭に大災害をもたらしたため、宿六はアルパカ阻止柵の費用として、アルパカ本体価格の数十倍(←私は知りたくないので詳しくは聞いていません)を費やすことになるわけですが……


 ものの値段って、おもしろいですよね!


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 お話かわって、先週アレキーパの糸屋さんから、ベイビーアルパカ毛糸をたくさん取り寄せました!(一部、羊やピーマコットン混も入ってます)
 どれもこれも深みのある色ばかり、全部ほしくなってしまい、選び出すのがたいへんでした。
 でもこれ、編み物用ではありません。


 コローナ騒ぎが起きてから、二回目の冬を迎えた今。ひさしぶりにセーター用つづらを開けたら、悲惨なことになっておりました…
 前の冬はずーーーっと外出禁止で、よそゆきセーターなんか出しもしませんでしたから、虫たちもそれはそれはゆったりと、ぜいたくなベイビーアルパカ・メニューをお楽しみ下さったのでしょうね。よかったですね。


 セーターの穴も小さなものなら、糸でかがれば結構ごまかせますが、今回はそんな小細工ではとても済まない、巨大&連続した虫食い穴ばかり!
 穴かがり専門店にもっていくことも考えましたが、でもどうせすぐまた、別の個所を食われるでしょうし…
 そこで今回は、私でもできそうな、素朴な毛糸刺繍で補強してみることにしました。



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 この糸屋さん(Amano Yarns)、ペルーの主なセーターメーカーに納品している会社だけあって、ペルーの市販セーターにぴたっと合う絶妙な色が揃っています。このむずかしそうな紫と紺色も、みごとに一致して嬉しい限り!

 でも毛糸刺繍は初めてなので、まずは手ならしに宿六のセーターで(笑)実験中ですが、これ楽しいですね!
 刺繍はどうしても、花など女性向きの模様が多いのには困っていますが、葉っぱやサボテン、魚、幾何学模様などを試してみようと思います。
 どうせ虫食いセーター、失敗したら家用にすればいいので、気楽にどんどんやってみます。そしてもっと手が慣れてから、自分のに取り掛かります。



2021年7月15日(木) 午後8時の室温21.5℃(ストーブつき) 外気温17.4℃ 霧雨
<ザクロ争奪戦>


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この夏、低いところになったザクロは
ぜんぶ七面鳥にやられました…



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ちょっと油断しただけで、
あっというまにこうです…



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もっと高いところにあるザクロを狙って、
日々足腰を(…翼か?)鍛えるサルボ。



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あーーー!
クチバシが刺さってる!



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「チャスカ!ザクロの時間だ!
うざいのがいるから、
君も手伝ってくれ!」


 クチバシが刺さったザクロを、どうせならアルパカにやろう…と思っても、先に駆けつけるのは七面鳥。
 アルパカたちはあいかわらず、いつも七面鳥を追い散らして遊んでいます。でも草食獣なのはバレてしまったらしく、七面鳥も以前ほどはアルパカを怖がらなくなりました。



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「どいたどいた!
怖いチャスカ姐さんが見えないか?!」



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「ザクロを食べるんじゃない!
シッシッシッ!」



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「あっち行け!ミニ恐竜め!
哺乳類のほうが偉いんだぞ!(*)」
((*)あくまでチャスキの個人的意見です)



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でもすぐまた舞い戻るミニ恐竜…


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特にビビとディノの
色白コンビが強気です。
すごい勢いでザクロをついばみます。



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サルボは影だけ…
まだ柵の向こうで様子を見ています。



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アルパカがザクロしか食べないのを
確認してから、やっとサルボも参加。



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「飼い主さん!迷惑なミニ恐竜、
どうにかして!
独立記念日に食べちゃって!」



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 そういえばかつてハシンタ一世も、パチャカマックのこの家で、ミニ恐竜と対峙したことがありました。
 小さいのにいっちょまえに威嚇するので、ハシンタ一世もひるんでいました。
 猫が気を取り直して手を出す前に、つかまえて庭に戻してやったので、たぶん今もそのへんで子孫が暮らしていると思います。



<お父さんの趣味>


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バナナの皮ほしさに、ハイジャンプを試みるサルボ。


 お父さんは七面鳥も、猫と同じに仕込んでいます…


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「スタッ!」

着地もみごとに決まり、高得点への期待が高まる
ペルー代表サルボ・グラナドス選手



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「私だってできる!」と
華麗な舞を披露する、
ペルー代表ビビ・グラナドス選手



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「僕だってできるよ!
こんなの七面鳥が生まれる前からやってたよ!」
と、デーツに食いつくチャスキ君。



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七面鳥は、クチバシ以外はほぼ完全な羽毛恐竜です!
毎日の餌やり、かなり怖いので、できるだけ宿六にやってもらっています。



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 七面鳥のせいでザクロが早々に終ってしまったので、カリアンドラ(南米のネムノキの一種)を使って、アルパカを訓練しています(お父さんが)。
 この赤い花、とてもかわいいだけでなく…



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 萎れて落ちたのは、アルパカが大喜びで食べてくれます。おいしいらしいです。


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「…きっとやると思った、お父さん…」


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「タダではもらえぬカリアンドラ…か…」


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「カリアンドラのおかわり、
お待ちしてまーす!」



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「カリアンドラのおかわり、
熱烈にお待ちしてまーーす!」
(おかわり横に落ちてるよ、チャスカ…)



<七面鳥の謎習慣>


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 餌の時間は、攻撃的でちょっとこわい七面鳥ですが、餌がないときには、なかなかかわいい姿も見せてくれます。
 特に色白コンビのビビとディノがかわいくて、私たちが庭に出ると、足元に来てぺったんこ…と座りこみます。さわってもいいよ、という合図らしいです。
 (ついでながら、ビビが夏に生んだ卵は無精卵でした。次はちゃんとヒナが生まれるかな?)



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この生真面目な顔が可笑しい…


 そして、撫でまわしたり抱っこしたり、まったく無抵抗でさせてくれます。七面鳥もこんなになつくものなんですね!


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いつも真顔の七面鳥


 そっと抱えて、上下左右にゆっくり動かしても、まったく無抵抗。あったかくて軽いです。
 それによーーーく見ると、ちょっとかわいい顔してません?(やっぱりもう七面鳥は食べられないなあ…)



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 こうして色白コンビを、「高い高い」して遊んでいると、サルボがプーーッとふくれあがってしまいます、二羽が自分より大きくなったかと、心配なのかもしれませんね。
 サルボ自身は、うるさく人間につきまとう割にこわがりで、撫でようとすると飛びのいてしまいます。



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 ところで、この世で最も興味がないことのひとつがオリンピックですが、たまたまぴったりな七面鳥写真がありましたので…
 七面鳥たちが毎夕欠かさず行う、謎の表彰台ごっこです。



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 これは別の日の様子ですが、必ずビビが1位、サルボが2位、ディノが3位、と決まっています。謎です。


2021年10月4日(月) 午後5時半の室温20.3℃ 外気温17.9℃ 曇り
<タマゴ泥棒はだれだ?>


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 七面鳥たちはみな大きく育って、たいへん元気にしております。でも7月には、ちょっとした怪事件がありました。


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めでたく二回目の巣ごもりが始まり、
今度こそ、と期待したのですが…


 (二羽いっしょに仲良く卵をあたためていたので、やっぱり二羽ともメス…なんでしょうか。七面鳥屋さんによると、メスが共同で巣ごもりするのは珍しいそうですが、ディナとビビはよほど仲がいいのでしょう。
 …それともディナはやっぱりオスのディノで、これはもしかして立ち合い出産?的なものだったのでしょうか??)



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巣の視察にやってきたサルボ君。
ちょっとゴミをどけたりして、
彼なりにお手伝いしているようです


 卵は20個ほどありました。
 でも毎晩なぜだか、数個ずつ減っていきます。そしてしまいには一羽も孵化することなく、ぜーんぶなくなってしまいました。



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七面鳥の巣のまわりを調べるチャスキ君


 まず疑われたのはアルパカたち。
 庭の反対側で、割れた卵がひとつ見つかったので、アルパカが転がして遊んだのだろう…とみな思いました。


 でも柵の下を石でふさいで、アルパカが足や口をつっこめないようにしても、やはり卵は毎日着実に減っていきます。それも殻はカケラすら残さず、忽然と丸ごと消えてしまいます。
 宿六とベンハー君は、「うちはヘビも犬もいないから、野良猫が食べたに違いない!」と言うのですが、私はどうしても納得できておりません…



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宿六&ベンハー説は、だいたいこのような
理解でよろしいのでしょうか…?


 たしかに昔、「猫が卵の中味を吸って困る」といった表現を、イギリスかどこかの児童文学で読んだ覚えはあります。でもそれなら、少なくとも殻は落ちていそうですが、最初の一個だけを例外として、あとはひとかけらも見つかっていないのですよね。
 ということは、野良猫たちが細心の注意を払って、卵が割れないようにそーっと抱えていった…とでもいうのでしょうか。ありえないですよね?!


 次に巣ごもりを始めたときは、まわりをしっかり囲って様子を見ようと思います。いつか真犯人が挙がったときにはご報告いたします。このまま迷宮入りかもしれませんが。


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 冤罪に泣いた(泣いてないけど)アルパカたちは、お詫びに「ブッドレア剪定葉たべほうだいビュッフェ」にご招待。


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翌日も雨にも負けず、
お蚕さんのような音をたてて
ひたすら食べつづける二頭


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 三日後、ブッドレアはきれいにホネだけとなりました。
 そしてアルパカたちは数日間、ブッドレアの葉の香りのげっぷをしておりました(失礼…)



<賑やかな春の庭>


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「キリッ!」


 満開のミモザと葉ミチカ桜の前で、ポーズをとるチャスキ。
 今年はあまり顔がもしゃもしゃせず、そこそこハンサム状態を維持しています。



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「みなさまもオーガニック芝、一本いかが?」


 チャスカは全体に毛が伸びて、だいぶマダーム化してきました。


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 夏が来る前に…と剪定作業に余念のないベンハー君。(ベンハー君はなんというか、タキーレ島のエンリキ君をうんっと明るくしたような雰囲気の人です。わかる方はわかってくださることでしょう…)
 いま切っているのは伸びすぎたモージェですが、アルパカたちが期待顔ですぐ集まってきました。
 樹脂の強い香りがつーん!とくるモージェまで、うちのアルパカ平気で食うんですよね…



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新人さんに少し不満が
おありな様子のチャスカ嬢


 アルパカたちにすぐ押し倒される苗木は、今までは木柵で大きく囲って守っていましたが、油断するとチャスカが首をつっこみ、若葉を齧ってしまいます。
 そこでベンハー君の提案で、一本ずつ網で囲って保護することになりました。アルパカたちはネットが薄気味わるいらしく、近寄らないので効果絶大です。



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 台所の窓から外を見ると、ちょうど視線の先に、「チャスキの国見の丘」があります。
 そこにチャスキが登ると、宙に浮いているように見えるのが、たいへん気に入っています。包丁片手に殺気立っているときも、これで少し心がなごみます。


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 同じく台所から見える小さな水辺も、終りなき家事の支えとなっておりますが、春には賑わってもっと楽しくなります。
 今日は小さなマルハシミツドリが、スイレンの茎にかわいらしくすがって、器用に水を飲んでいました。



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 そして日が射すとすぐ、トンボ(Rhionaeschna elsia?)がやってきます。いい水色ですねえ。


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 ヒキガエルも、9月なかばに這い出してきました。リマ程度の冬でも、いちおうは冬眠するようです。


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冬のあいだに巣立った
かわいいキンノジコのヒナも…



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もうこんなに黄色が濃くなりました!
(中央と左手前がヒナ。
親たちはおでこがオレンジ色です)


 台所前の小鳥専用フルーツパーラー「千羽屋」には、このところキンノジコが毎日十羽ほど来てくれて、目のさめるような色鮮やかさです。
 (キンノジコが食べるのは、フルーツバーのサイドメニュー、ひきわりトウモロコシだけですが)



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 前庭のナツメヤシは、この一年でまたぐーっと背を伸ばしました。冬のあいだもじわじわ育つので、リマでは木々の成長が、もう呆れるほど早いですよね…
 今やナツメヤシの大きな葉が、折り重なって空を覆ってしまったので、ここに座ると、サーカスの大テントの下にいるようです。



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ナツメヤシの雄花に
ブンブンむらがる蜜蜂


 これまでは8月から11月にかけて、思い思いの時期に開花していた11本のナツメヤシですが、気のせいか、だんだんと開花時期が揃ってきたようです。
 今年は9月中に、一斉に6本が開花しました。たぶんナツメヤシも、互いに話し合って調整しているのだろうと思います。



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 七面鳥との暮らしにもだいぶ慣れて、連中が荒らす植物がだいたい把握できました(たとえばアリッサム、ガザニア、ロベリア、パセリ、細ねぎ、ケール等はすぐ食われてしまいます)
 そこで今は、ハチドリと蝶が好む(そして七面鳥は食わない)植物を、新しくいろいろ植え直しています。
 特に即効性があったのが、赤い花を咲かせる「試験管ブラシの木」(カリモステン)。見ていると数分ごとに、いろいろなハチドリがやってきます。



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さいしょの訪問客は、
庭の常連、チャムネエメラルドハチドリさん



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こちらは春夏限定の住人、オウギオハチドリ君


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 ときどき小さなコイルのような脚で、しっかと雄蕊をつかんで、ゆっくり蜜を吸っていきます。
 うちに来る四種のハチドリの中では、このオウギオハチドリが、いちばんよくそのへんにとまって、小さな翼を休ませています。



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 ハチドリ以外の鳥も来ます。
 いつもは「千羽屋」のトゥナ(サボテンの実)やオレンジから終日離れないマミジロミツドリも、嬉しそうに赤い花にとりついています。



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 おや、主に虫と少々の果物を食べるカランドリア(クロヒゲマネシツグミ)まで花をつついています。
 よほど試験管ブラシの花はおいしいのですね。



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 去年はじめてうちに来た、尾の長いホソフタオハチドリも、また庭に戻ってきてくれました!
 でも花は、トウワタのほうがお好みのようです。



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 昨年は、のど元の鮮やかな婚姻色(輝く赤紫)の羽根が、ほんの数枚だけ光っているのを見つけて、大いに喜んでおりました。
 今年は、やはり繁殖期のしるしの長い飾り尾羽根が、片方だけくっついています。
 のどの婚姻色と長い尾羽根は、これからきれいに生え揃うのか、あるいはもう用済みで抜ける直前なのか、そのへんはまだわからないままです。



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春の日ざしを楽しむチャスキと、
一年中食い気に生きるチャスカ
(今日のチャスカはすごく駱駝っぽいなあ…)



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そしてアルパカのいない中庭も、同じく春!です


2021年11月24日(水) 午後6時半の室温23.6℃ 外気温19.8℃ 曇り
<環境破壊問題とチャスカ>


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 ベンハー君の菜園のみごとさにすっかり気を良くした私め、「小さな家」用のアネックス菜園?を作ることにしました。
 私の裏庭の、いまひとつ活用できていないところを使います。


 ベンハー君は、羽根をふくらませて歩くディナ(ディノ?)を見て、「これやっぱオスでしょう?」と笑っています。
 今月は七面鳥がまた卵を生んだのですが、今回はなぜかサルボが、ずーっと巣ごもりして卵を温めているため、「実はサルボはメスだった?」疑惑が浮上しております…
 まさかとは思うのですが、どうも七面鳥はよくわかりません。まあその卵がある以上、少なくとも一羽はメスなのは確かなんですけど…謎は深まるばかりです。



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 きのうチラっと附属菜園のアイデアを話したら、大喜びのベンハー君、ただちに猛然と仕事し始めました。
 ここはいずれ簡易柵で囲って、アルパカ食害を防ごうと思っています。



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 でも剥がした芝は、「チャスキの国見の丘」に植えるので、アルパカの口が届く芝生総面積には変化なし、ということです。
 チャスキもそれを理解したようです(たぶん)。



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 でも、ぜんぜん納得できないらしいのがチャスカ。
 どんどん剥がされていく芝にショックを受けたのか、鼻の穴をひくひくさせて、たいへんお怒りのご様子です。



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ベンハー君に詰め寄るチャスカ…


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 それにしてもベンハー君は仕事が早い。「チャスキの国見の丘」も、もうこんなに古墳みたいに?なりました。
 これ、永吉君だったら、軽く一週間はかかったはずの仕事なので、私たちはのんびり構えてましたが、今日中にぜんぶ終ってしまいました。
 それでさきほど、宿六が慌てて柵の材料を買いに走りました。そうでないと明日、「何か仕事ないですか?退屈です…」と言われるからです。
 ある意味かえって気を使う…かも?



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 いろいろとご不服そうなチャスカさまには、新鮮な葡萄の剪定葉でご勘弁いただきましょう…


2022年1月22日(土) 午後8時の室温24.8℃ 外気温23.5℃ 快晴
<この夏、ビクーニャ・カットがナウい!>


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 きょうの日付け、20220122、ちょっとかっこいいですね。
 ああでもそれより、2021年、2022年、2023年の一桁目、二桁目、ひとつ飛んで四桁目をそれぞれ足すと、ジャーン!「666」になる、というお話が、いまいちばん気に入っております(笑)あらまあ、なんて縁起の良いこと!


 さて写真は、昨年の毛刈り前の、もっこもこなアルパカたち。食べているのは剪定したパピルスです。
 以前は、怠け者の永吉君が水に入るのを厭うため、ずっと私の仕事だったパピルス刈りですが(けっこう重労働)、このたびめでたくベンハー君に引き継ぐことができました。



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 日に日にきれいになっていく花壇を、柵の向こうからさも恨めしそうに、ジトーっと見ているチャスカ。


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 花壇を荒らせないウサ晴らしなんでしょうか?
 昨年から、急にオリーブの葉を好むようになったアルパカたち。とても迷惑です。




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 かわいい犬みたいに、がぶっと葡萄の葉に食いつくチャスキ。
 コテンコテンに太って見えますが、ほとんどが毛です。



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 丹精したトウワタ花壇を、満足そうに眺めるチャスキ……
 ではなくて、「食えないトウワタ多すぎ、こんなにいらんわ」と思っているであろうチャスキ。


 アルパカたちは苦いトウワタを器用によけながら、芝草や雑草を食べるので、結果トウワタばかりが増えて、みごとなトウワタ花壇が完成しました。
 おかげさまでこの夏は、例年以上にモナルカ蝶が大発生しております。



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 昨年も、陽射しが強まってきたクリスマス前に、アルパカの毛刈りをしました。
 押さえつけられたチャスカを、チャスキが心配そうに見守っています。



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 心配するのも当然ですね…
 ワマン・ポマが描いた、「神への生贄リャマから心臓を取り出す祈祷師たち」そのものの情景ですもんね…



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 そして一時間後。ヘアサロンから出てきたチャスカ…
 うわ、なんかすごーく、ちっちゃくなっちゃった?!



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施術前


 前々回の毛刈りから一年で、ここまでふさふさの「どすこい!」状態に戻っていたチャスカですが…


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施術後


 今回は、「全体にやや短めに」と注文したところ、アルパカ屋さん手がすべって、全身をぎりぎりまで刈り込んじゃったようですね。
 一瞬驚きましたが、でもぜんぜんわるくないです、ベリーショートも意外にかわいいなあ!



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シルエットはもはやビクーニャそのもの!
(右がビクーニャです、念のため)



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「要するに私レベルの美人は、
髪型を選ばないってことよ」
(チャスカ様談話)


 「前髪」あたりの、赤茶と白が混ざった、えもいわれないピンクアーモンド色は、ベリーショートにしたほうが引き立ちますね。
 刈り込んだおつむは手触りも最高で、ひっつかまえてぐるぐる撫でまわしては、「やめてよ!」と怒られています。
 (いつか髪が真白になったら、一度はこんな色も試したいなあ)



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施術前


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施術後


 まったくの別アルパカ状態で、とても新鮮。
 頸も初めて刈りこみましたが、こんなにブチだらけだったんですね。ブチの動物って大好きです、かわいいなあ。



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うーーーん…
これじゃない…


 さて、お次はチャスキですが、阿鼻叫喚の毛刈り風景は省略いたします。
 そして一時間後、いったんこの状態で解放されましたが…
 髪型がどうにもヘンすぎるので、かわいそうでしたがもう一度捕獲して、頬のところを刈り上げてもらいました。



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よし、ちょっとマシになった!


 チャスキの頭は半分以上が赤毛なので、この夏は、昔懐かしいジギー・スターダスト風にしてみたかったんですけど…


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 ジギー・スターダストというよりは……
 ただの失敗して河童になったツーブロックですね、これは。せっかくハンサム期に入ってるのに、チャスキごめんね。



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 うしろ頭の毛を、もう少し長めに残したら、ジギー感が出るかもしれません。
 どうぞ年末の次の毛刈りをお楽しみに!(どうせすぐまた年末になりますから〜)



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いずれにしましても、夏らしく目にも涼しい…


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 …若々しいアルパカップルとなりました!…かな?


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 その後「チャスキの国見の丘」は、ベンハー君がきれいに仕上げてくれました。


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 高地のアルパカたちは、よくこういう緑の傾斜地で、気持ちよさそうにゴロゴロしています。


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 プキオの草原出身のチャスカとチャスキには、こんな小さな「丘」でもけっこう嬉しいらしく、毎日上っては丁寧に草を食み、きれいに維持してくれています。
 庭のあいたところに、こういう丘をもっといくつも作ってやりたいなあ!



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…左の草を食むチャスカも、
とってもビクーニャ!ですね



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 いっしょに国見をしていた二頭が、とつぜんケンカを始めました。
 何かというと、トゥッ!トゥッ!…と草など吹き付けあって、本当はかなり相性わるいんじゃないか…と疑っております。



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それなのにそれなのに、
結局いつもいっしょにいる二頭です。



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 ほらまたいっしょにいる。どうせすぐまた、ケンカになるのに。
 哀しい群れ本能がなせるわざですね。



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「あら違うわよ。私が美しすぎるから、
チャスキがつきまとってるだけよ!」
(チャスカ様談話)



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チャスカねえちゃんの夏やすみ


 こんなふうにしていると、チャスカはほんとにかわいいんですけど…チャスカの教育は、完全に失敗しました(笑)
 庭で私に会うと、それだけでリンゴなど大好物の味を連想するらしく、即時に感極まって「早くおいしいもの、ちょうだいちょうだい!」状態となり、でもほかに感情表現の手段がないので、結局「トゥーッ!」とばかりに、口中のものを吹き付けてきます…
 ほとんどの場合、飛んでくるのは噛んだばかりの芝草なので、大したことありませんが、でも運わるく反芻中だと、かなりくちゃいです…



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 かわいかったチャスキも、今ではすっかりオッサン化したチョイわるパカになり果てましたが、でもチャスカよりはマシで、少しは礼儀正しいところが残っています。
 写真のチャスキは、百合子ちゃんをつかまえて、
 「リマの夏に、こんな長毛では暑かろう。百合子君も、僕のように髪を切りたまえ!」
 と、親切にアドバイスしているところです。



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