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アルパカのいる庭

(5)食う。ゆえにわれあり。(2020年11月12月)


<最新記事はこちら!>

アルパカのいる庭


2020年11月3日(火) 午後6時の室温23.9℃ 外気温20.3℃ 快晴!
<悪知恵第一のチャスカ>


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「ご無沙汰中に私…
太った…かも?」


 ひさしぶりのアルパカ近況です。その後も着実に、フサフサ度を増しております。
 身体つきはもうほぼ大人サイズなので、その嵩の大きさたるや、たいへんな迫力です。



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 日に日に筋肉質になっていくチャスキも、モコモコ毛皮のおかげで丸みを帯びて、ちょっとかわいく見えます。
 頸にはまだ、昨年末の刈りあと(段差)が少し残っていますね。
 次の毛刈りまであと一か月半。いったいどこまでフサフサになるかな?



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チャスキは顔もフッサフサ。
おでこにも毛が生えました。



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バラの囲いを
恨めし気に見やる二頭


 先日お話ししたとおり、9月にやっとアルパカよけの鉄柵の、取り付け完了いたしました。
 これでまた、たくさん花を植えられる、と喜んでおったわたくしですが…



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 設置後一週間とたたないうちに、チャスカが新技術を開発!
 柵ぎりぎりのところにピタッと正座してから、地面と柵のすきまに頭をつっこみ、柵の内側の植物を食うのです…なんと器用な…


 …だから宿六君、私言ったでしょう、ちょっと柵の位置が高すぎるんじゃない?って。
 でもみなさん、「アルパカがそこまで器用なはずがない」と笑ったんですよね。
 たしかにチャスキのほうは、大して知恵はまわりません。でも悪知恵第一のチャスカは違うんです!



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「まさかこの私が、すんなり
引き下がるとでも…?」
不敵な笑みを浮かべるチャスカ。



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大好物のゼラニウムとクローバー


 そんなわけで、柵の外側だけでなく、柵の内側50センチまで、ほぼ何も植えられないことが確定いたしました…
 ほんとに連中、なんでも食っちゃいますからねえ。



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ハイビスカスも大好物


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 庭にあったゼラニウムは、アルパカに食われて、とうの昔に絶滅しました。
 今は中庭のゼラニウムを、ときどき与えています。どっちにしてもゼラニウムは、年中剪定していないとなりませんから。



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チャスカ、歯ぐきに
ゼラニウムがついてるよ…



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 アルパカたちは、なんとナツメヤシの花まで食べます。
 チャスカ、それ雌花だから、あんまり食べると、大好きなデーツの収穫量が減っちゃうよ?
 (ついでながらデーツは固いタネごと、ガリっと食べてしまいます)



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「では雄花を頂きましょう」と
賢いチャスカは言いました。




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 アルパカたちはナツメヤシの花のみならず、なんとなんと、固い葉まで食べます。
 ものの本には、「アルパカはリャマよりはるかに繊細で、ボフェダル(湿地)の柔らかい葉でないと食べられない」って書いてあるんですけど…



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「もちろん固いけど、
よーく噛むとなかなかの味なのよ。
モゴモゴモゴ…」




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 さらにナツメヤシの幹!まで食うんです、このひとたちは…

 写真の二本のナツメヤシ、幹の根元が細くなっているのが見えますか?
 幹には網状の繊維や、古い葉柄が残ってデコボコしていますが、アルパカたちはそれもガジガジ食べてしまいます。
 宿六などは、「幹をどんどん齧って、いつかナツメヤシを倒したり…しないよね?」と心配しています。まさかそこまでではないと思いますが…


 こらチャスカ、泥だらけになって微笑んでる場合じゃないでしょ!


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「でもやっぱりこれが一番!」
桑の若葉の香りを、
鼻いっぱいに吸い込むチャスカ



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 食いしん坊アルパカには良い面もあります。私や永吉君の雑草とりを、嬉々として手伝ってくれますから。
 特に、根が張って厄介なキク科の雑草が好物なのは、とても助かります。
 いまや柵の外側には、ほとんど生えなくなりました、それは心から感謝してますはい。



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 永吉君の大きさは変わってなくてちょうどいいので、見比べてみましょう、一年前に永吉君と並んだアルパカたち、こんなに小さかったのですね。
 芝も当時はだいぶ丈がありましたが、今はアルパカたちが、常に数センチに刈り込んでおいてくれます。
 おかげで永吉君は、ほとんど草刈り機を持ち出さなくて済むようになりました。



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 剪定枝の葉っぱを、数日後には良い肥料にかえてくれるのも、ありがたいですね。
 (肥料のお話は、今度あらためてしたいのですが)



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 なので剪定のあとは、すぐには枝を片付けず、翌朝までほうっておきます。
 アルパカたちが一晩中、気が済むまでモゴモゴできるように。



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 先週は柳のほかに、桜も泣く泣く、少しだけ剪定しました。
 桜の葉は人にとってもおいしいくらいですから、アルパカには大ごちそうなんでしょう。
 チャスキがこうやって立ち上がって、枝をへし折ってしまうので、危なそうなところを先回りして切りました。



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きれいな実のついたこの枝…
あーもったいない…


 (桜の実も葉も、あとでスタッフ・アルパカがすべておいしく頂きました。)


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でも、こんなかわいい
格好されるとねー…



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 バルタン星人足にとても弱い私。かわいいから全部許す!
 それに君たちのおかげで、毎日どれだけ笑わせてもらっていることか!


 でもまあ、じゅうぶんたくさん、泣かされもしてますよね。
 ついおとといも、柿の若葉をぜんぶやられて、大泣きしたばかりです。これから(もう暗いけど)柿のまわりに針金張ってきます。
 前にも書いたかもしれませんが、こんな恐ろしい動物と知っていたら、ぜったい飼わなかったので、知らなくて本当に良かったです。




2020年12月10日(木) 午後3時の室温23.7℃ 外気温22.9℃ 晴れのち高曇り
<収穫の多い年でした!>(少なくともアルパカにとって)


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 本日は年末にふさわしく、豊かでおめでたい話題を……特集「収穫するアルパカ」をお届けします。

 まずは枇杷の実を収穫するチャスキ。
 アルパカはオスだけが、こんなふうに上手に(まあまあ上手に)、二本脚で立ち上がることができます。



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「野生のトマトは
プチプチ感が魅力…」


 メスのチャスカは立ち上がれませんが、かわりにとても上手に人間を利用します。


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「野生のトマトもいいけど、
栽培品種のおいしさは
やっぱり格別ね!」



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トマトサンド状態のチャスカ。


 宿六がレタスを足して、ハンバーガーにしようとしています…


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「良い子のみなさん!
野菜は好き嫌いせず、
しっかり噛んで食べましょう!」


 そういうあなたは、好き嫌いなさすぎです。


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 どんな動物も、メスのほうが器用にできてるものなんでしょうか…
 チャスカのほうが万事、動きに無駄がなくて効率的です。
 たとえばほうれん草は、根っこのほうを口に入れてやれば、両替機みたいにすーっと吸い込んで食べてしまいます。



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「カリフラワーの甘さもまた格別…」

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 切り分けたカリフラワーも、この通り、二個同時に処理中。
 芝草以外のごちそう(野菜や果物)は、チャスカはだいたいチャスキの五倍速で食べてしまいます。


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 いっぽうのチャスキは…一粒のイチゴを、遠くを見ながらゆっくりじっくり味わっています。
 横ではチャスカがヒョイぱくヒョイぱくやっているので、このチャスキのとろさ、ちょっと歯がゆい。



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「あ……落ちた……よ…」


 加えてチャスキは、ごちそうをよく口から取り落とすのですよね、もうちょっとしっかりしてよ、チャスキ…


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「えーいまどろっこしい!
それ私におよこし!」


 チャスキがあんまりとろいので、いちばんおいしいものは、チャスカに横取りされることもしばしば。


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「グアバはあまり甘くないけど、
香りは最高ね」


 またチャスカしか食べないものも多くて、グアバの実なんかもそうです。
 チャスキは新しいものは何でも怖がりますが、チャスカのほうはとりあえず齧りついてみて、それから好きか嫌いか、危険かそうでないか決める、という感じです。



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 何がおいしいのか、かたいナツメヤシの葉を熱心に食べるチャスカ。


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 チャスキもナツメヤシの葉は大好きです。
 若いナツメヤシは脇からたくさん子株が生えてきますが、かわいそうにみな虎刈りにされてしまいました…



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 飼い主のあとを、わくわく嬉しそうについていく二頭。
 お目当ては、口が届かない高さに実った、甘いナツメヤシの実(デーツ)。



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 熟す前のかたくて渋いデーツも、タネごとガリガリっとかみ砕いてしまいます。


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 チャスキはじきに、デーツも自力で収穫するようになりました…
 チャスカは近くで待っていて、チャスキが落としたデーツをすかさず頂戴、という仕組みです。



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 二頭が毎日せっせと通って食べるので、鈴なりだったのがあっというまに枝だけに。
 今年のデーツは、ほとんどぜんぶ、アルパカの胃におさまりました。



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柘榴を立ち食いするチャスキ。


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あ!丸ごと取っちゃった!


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 あーまたやってる……今度は桑の葉を収穫中。
 ティラノサウルス風に前脚をぶらぶらさせているのが、滑稽でかわいいです。
この前脚、ティラノみたいに実は凶器、なんてこともないですし。

 (アルパカの場合、どちらかというと後ろ脚のほうが凶器ですね。
 チャスカのななめ後ろから近づくと、チャスキと間違われて、ちょっと危ないことがあります。
 「またチャスキがちょっかい出しに来た!うるさいわね!」と、バシっと蹴られたりしますので)



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うしろ姿。


 チャスキが立ち上がると、ふだんのざっと倍以上の高さになるので、いまだに見るたびにぎょっとします、こんなに背が高い人間、うちにはいませんもの。
 その上この格好で、前後左右によろっ…よろっ…と歩くんですよね…
 毎日笑わせてくれてありがとう、チャスキ!



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 こちらはヒメノウゼンカズラの藪。花に蜜が多いので、もともとハチドリのために植えたのですが、葉や枝は家畜の飼料になるそうですね。
 うちの二頭は、甘くておいしい花しか食べませんが…


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「チャスキちゃーん!
それ、よこしなさい!」


 アルパカは口先をとても柔軟に、表情豊かに動かすことができます。


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 「きれいなお花ね!」と、乙女らしく見とれるチャスカ…
 ではまったくなくて、これは「ずいぶんうまそうだこと…チャスキが来て枝へし折ってくれないかしら?」と思っている顔です。



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 散った桜を拾って食べてくれるのは、むしろありがたいですし、また下のほうの花をちょっとついばむくらいなら、かまわないのですが…


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体当たりするのはやめてー!!


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あーあ…折っちゃった…


 ペルーに来たはじめから、いつかアルパカは飼ってみたいと思っていましたが…
 ミチカ桜がもっと細かったころ、アルパカを連れて来たりしなくて本当に良かったです、育つ前に倒されたでしょうから。
 でも今の太さがあれば、今後もなんとかアルパカ体当たりに耐えてくれることでしょう。



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 アルパカはミモザも食べます。かたい葉もやわらかい花も、両方食べます。
 でも立ち上がれないチャスカは、花のほうにせいいっぱい鼻づらを伸ばして、食べようとしています。
 あら、しっぽにまで力が入ってますね!



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「えいっ!」


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「取れた…満足……」


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 黄色いものといえば、チャスカはルクマも大好きです。
 人が食べるには熟しすぎた実をやってみたら、その瞬間から大好物になりました。
 でもチャスキはずーっと警戒していて、ルクマの季節が終るころ、やっと少し食べるようになりました。



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「ところでチャスカ、それはうまいの?」
「お母さんがさわった花や
果物の香りがついてて、
なかなか味わい深いわ…」


 アルパカたちは目がいいので、ときどきとんでもないものに目を付けて、味見を始めます。
 人間も花もようの服など着ていると、追い回されて齧られたりします。アルパカに会うときは、緑色の服もやめたほうが無難です。
 草食動物は一日中お食事中だから、おそらく頭の中も一日中、食べ物のことでいっぱいなのでしょうね。



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「こっちは……残念、
すじっぽいだけだな」



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 いろいろ荒らしまわってくれるアルパカですが、ついでに雑草駆除もしてくれるのは大助かりです。
 庭中にはびこって困っていたこの草(たぶんウマゴヤシ)も、いまや囲いの中でしか育たない貴重品ゆえ、アルパカ用にちょっと大事にしたりしています。
 つまり、切ってアルパカに与えるときも、少し根を残すようにしていますー



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「ウッシッシッシ…
いろいろおいしい一年でした!
きっと丑年もうまいでしょうね!」


 (お食事中のチャスカの脚を、うるさくつついていたチャスキ、予想通りこのあとバシっと蹴られてました。
 小学生男子気質なので、それくらいではぜんぜん懲りないんですけどね)



2020年12月17日(木) 午後4時の室温24.1℃ 外気温23.3℃ 高曇り
<アルパカ小ネタ 「ニアミス」>


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 「アルパカの小道」を疾走してくるチャスカ。
 その手前には、迫りくる危険にいまだ気づかぬモナルカさま(オオカバマダラ)が…



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ぎりぎりですれ違いました、
あぶないあぶない。


 チャスカの毛皮には、モナルカ蝶のオレンジ色がよく似合いますね。
 どちらもペルー原産の仲ですし、作り物のモナルカ蝶を並べた頭飾りなんて、年末のお祝いにぴったりかも。



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同じ日にチャスキは
鳩とニアミス


 …ニアミスというより、意図的に追っかけているようにも見えますが。
 野良猫が侵入してきたときも、いつもアルパカたちがダーっと走って、猫を壁際まで追いつめて、庭から追い出してしまうそうですし(永吉君目撃談)。
 アルパカは見知らぬ動物をきらうので、実はけっこう良いドロボウよけになる、と聞いたことがありますが、本当なのかも知れません。



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元気いっぱいなチャスキ、
うしろ脚が両方、
ぽーんと浮いてますね!


 ところでおととい無事に、年末最大のイベント、アルパカの毛刈りを終えました。
 そのせいでクタクタなので(主に耳が……)、今日は短い更新ですが、年内にもう一度、アルパカ更新しようと思っております。できれば猫更新も…



2020年12月23日(水) 午後9時の室温23.7℃ 外気温21.0℃ 曇り
<シチメンチョウもいる庭>


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クリスマス直前、ご近所で唯一?
生き残ったシチメンチョウ夫妻


 クリスマスなので、急にシチメンチョウがほしくなりました!
 食べるためではなく、庭のペットとして、ですが。
 でも思いついた時期が最悪でしたー、12月に入ると、ほどよい大きさのシチメンチョウは、みんなもう冷凍されちゃっていますから……


 それでも永吉君が聞き込みをして、パチャカマック界隈で唯一?生き残ったシチメンチョウ夫妻を探し出してくれました。
 よく太って羽根もたいへん美しいシチメンチョウです、オスのほうは9キロくらいはありそうです。
 しかし飼い主の言い値は……なんと二羽で360ソル!(約1万円)でした。うーんいくらクリスマス直前といっても、それはちょっとないなあ…


 というのもシチメンチョウは、高級スーパーでの末端価格(切り身(涙))でもキロ17ソルどまり。
 ふつうはまあキロ10ソルくらいですから、これはどう考えてもふっかけすぎなのです。
 そこで近所で探すのは諦めて、ネットで調べたところ、2,3ヵ月の若いシチメンチョウ(オスとメスの二羽)が120ソル(配達料別)、という良心的な売り手が見つかりました。



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 その売り主さんは、ピウラとリマで、シチメンチョウやニワトリ、羊、山羊、および羊と山羊のあいのこ?!の飼育をしているそうです。
 とても熱心な人で、電話するとすぐ、オスを一羽うちまで持ってきてくれました。
 やはりクリスマス前で品薄なため、メスは年明けに改めて、ピウラから持ってきてくれることになっています。
 しばしのあいだ、シチメンチョウ君も寂しいと思いますが、しかたありません。



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 もちろん私たちは、シチメンチョウを飼うのは初めて。
 いったん放したら、二度とつかまえられないかもしれないので、まずは売り主さんにニームオイル噴霧をしてもらいました。
 放し飼いをする場合、ニワトリとは違って、シチメンチョウにはまずダニ類はつかないそうですが、念のためです。
 シチメンチョウ君、おとなしくされるがままになっています、想像していたよりずっと、人なれした様子の鳥さんです。



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 シチメンチョウを放すとすぐ、物見高いアルパカたちがやってきましたー!
 大いにびびりつつも、興味津々です。



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 あまりこわくなさそうだ…と悟ると、すぐに追跡を始めるチャスカとチャスキ。


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どうにも気になる…


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気になる気になる…


 「なんか追っかけてますね?大丈夫なのかな…」と売り主さんはちょっと心配そうでしたが、「アルパカは完全な草食です」と説明するとほっとしたようでした。
 ふつう若い七面鳥は、数か月太らせてから食卓に上る…もしくは殖やしてから食卓に上る…のが宿命です。なので私たちに食べるつもりがないと知って、売り主さんびっくり。
 「ペットになるこいつは、これからは王様暮らしだなあ〜、とりあえず足りないのは、王妃だけだなあ!」と笑います。



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アルパカに追われ、
いったん隅っこに退避した
シチメンチョウ君。
まあじきに慣れるでしょう。



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「勝手にこういうものを
持ち込まれては困る!」
チャスキ君かなり不服そうです。



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 こういう黒いシチメンチョウはとても丈夫なので、世話もいたって簡単で、毎日水をとりかえ、ひきわりトウモロコシを少しやるだけです。
 専用の総合飼料もありますが、うちでは虫やカタツムリ、芝など食べ放題なので、たぶん必要ないでしょう。
 (害虫とカタツムリ駆除も、シチメンチョウ導入をとつぜん決めた理由のひとつです。
 今年は、いなくていい虫とカタツムリが変に多いんですよね…)



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 しばらくすると、シチメンチョウ君、興味深そうに庭の探検を始めました。
 シチメンチョウは若鳥でもこんな見た目で、かわいいというよりは、どっちかというと気持ちわるい寄り…かと思いますが、これがいざ本物が来てみると、とてもかわいいんです!


 人の口笛そっくりな、澄んだきれいな声で日のあるあいだじゅう啼く上に、人間がいるとすーっと寄ってきて、うしろをついて歩きます。
 もしかすると、おしゃべりで明るい人が多いピウラ生まれだから、このシチメンチョウも特別におしゃべりで人懐こいのかも?しれませんが。
 いえもうシチメンチョウは、たぶん私は一生食べられませんね…



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 「アルパカのほうがずっとかわいいんだから、あなたもシチメンチョウなんかやめて、アルパカを飼いなさい」と、シチメンチョウ屋さんに熱心に助言するチャスカ。
 ふだん、よその人が来ると逃げてしまうアルパカたちですが、やはり動物好きの人はすぐわかるらしく、とても愛想よく応対していました。



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「あの大きいの、
食べられるの?!」


 アルパカだけでなく、猫たちのあいだにも一大センセーションを巻き起こしたシチメンチョウ君。
 (なおソファカバーの後ろが破けているのは、先代猫たちのお仕事です。二代目も、もちろんすぐ引き継いでくれました……)



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 シチメンチョウが澄んだ声で啼いてかわいいので、きのうはポーチの前でトウモロコシを与えたところ、そこで明るいあいだずっと楽しそうに歌っていました。
 おかげで猫たちも、休みなくポーチにはりついていて、とうとう昼間は一睡もできず……


 なので今日は、餌場を遠くに移しました。
 これからシチメンチョウのきれいな羽根が伸びて、大きく育っていくのが楽しみです、名前など決まったらまたご報告します!



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「今年かぎり…ではなく、
毎年お目にかかれそうなのが
嬉しいわたくしです。
なおただいま花嫁募集中です!
新飼い主さん、できたら二羽よろしく!」



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「みなさま楽しいクリスマスと新年を!
(私…アルパカじゃなくてごめんなさいね。
今年の毛刈りニュースは、
飼い主さん来週載せると言ってます)」



2020年12月29日(火) 午後11時の室温24.3℃ 外気温22.3℃ 曇り
<ヒキガエルもいる庭>


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 クリスマスの前に、園芸店のフランクリン君のお父さん(アレハンドロさん)が、このバケツを届けてくれました。


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 中味は7匹のヒキガエルです!
 すぐ池に放してやりました!


 熱帯睡蓮が爆発的に育つにつれて、どうも何かが足りない…と思うようになり、あるとき気づきました。池に足りなかったのはカエルだ、ということに。
 でもリマのペットショップでは、外国種の、テラリウム用の高級?カエルしか扱っていません。
 池で飼える「ペルーのふつうのカエル」は、いったいどうやって見つけたらいいのか、手掛かりがなくて長年の課題となっておりました。


 ところが先日、宿六がふと思いついて『困ったときのフランクリン君』に電話してみたところ、
 「ちょうどうちの育苗場に、ヒキガエルが出始めたところです、おやじに言って集めさせましょう」
 との、夢のような返答が!



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 そうして届いたこのヒキガエル(Rhinella limensis)は、ペルー海岸部の固有種で、「リマのヒキガエル(sapo de Lima)」というおおざっぱな名で呼ばれています。
 じっさいにはリマだけではなく、ピウラのセチューラ沙漠からピスコあたりまで分布しているそうですが。
 川や池から海辺の砂地まで、かなり順応力のあるカエルだそうです。



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「15年間、毎日ここで働いているので、
こんなに緑豊かになりました!」
とアレハンドロさん


 数日後、「あと9匹つかまえたので、取りに来てください」と、アレハンドロさんから連絡がありました。
 どんなところにカエルたちが潜んでいるのか、ぜひ見たかったので、大喜びでおじゃまします。


 フランクリン君の育苗場は、うちと同じパチャカマックにありますが、もっとずっと川に近いところ(川岸からわずか400mほどのところ)です。
 3000平方メートルほどの土地を、もう15年も借りていて、そこでありとあらゆる木を育てているそうです。



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 アレハンドロさんが「ジャングルみたいでしょう?」と自慢するとおりで、木々が鬱蒼と茂ったこの景色、ちょっとリマ離れしています。
 フランクリン君に植物を注文すると、「今どれくらいの大きさか、見てこないとわからないので、確認してからまた連絡します」といつも言うのですが、その理由がわかりました。
 足の踏み場もないほど植えこまれていて、どこに何があるか、覚えておくだけでも大変そうです。



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 ヒキガエルたちは、用水路にルリン川の水が戻るこの時期、目を覚まして這い出してくるそうです。
 昼間は、こういう朽ち木や石の下で眠り、夜になると起きて虫やカタツムリを食べます。
 そして6月ごろ川の水が干上がると、穴を掘ってまた眠ってしまうそうです。



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 今年の長い長いロックダウンのあいだ、アレハンドロさんはこの広い育苗場に引越してきて、近所の人たちと助け合って、でもマスクとかは使わず気楽に過ごしたそうです。ここだったら密どころじゃないですものね。(でもいいマスクですね)。


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あちこち取り木中のクロトン


 それにいくらでも打ち込めることがあって、退屈したり不安を感じたりするひまもなかったのではないかと思います。
 ロックダウン中は庭仕事をするのがいちばん、というのは私もまったく同感です。



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 ロックダウンのときもそうでないときも、アレハンドロさんが毎日こまめに作業して、木々をどんどん増やした結果が、この立派なジャングルなんですね。


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「葡萄も勝手に育っちゃった」
と笑うアレハンドロさん



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 帰り際、アレハンドロさんはカエルの入ったバケツを、ありあわせの紐と袋で、持ちやすいように上手に包んで渡してくれました。
 アンデス出身の、それも古い世代の人たちは、こういう地味な手作業を、本当にまったく厭わないのですよね。


 もう長いこと会っていない山の知人の顔を思い出しながら、アレハンドロさんの手元を眺めていると、そこに1900年生まれの祖父の手も重なって見えてきました。祖父もまた、ちょっとしたものをゆわえたり修繕したりが、上手な人でした。


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 家に戻るとすぐ、前の7匹(…ぜんぜん見かけませんが、そのへんにいるはず…)と同じところに、9匹のカエルたちを放しました。

 自分ではカエル捕りの苦労をしていないフランクリン君は、「ヒキガエルは当店のサービス品、ということで(笑)」と言ってくれましたが、それではアレハンドロさんにわるいので、ラム酒&パネトンのクリスマスセットと交換してもらいました。
 アレハンドロさんたいそう喜んで、年末年始もカエルをじっくり集めておいて下さるそうです。



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 昼間はたぶん、おそろしく眠いのでしょう。
 とつぜん池に放り込まれたカエルたちは、しばらくそのままじっとしています。



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 だいぶたってから、睡蓮の葉陰に泳ぎ去りました。
 ついでながらこの赤い葉の熱帯睡蓮は、さいきん新しく手に入れた品種で、ピンクの花が咲く…はずなので、とても楽しみにしています。



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 さてそれから十日間ほど、16匹のヒキガエルはまったく姿を現しませんでしたが、昨晩初めて、一匹だけ睡蓮の上に正座しているのを見つけました。
 夜行性ですし、きっと昼間は、そのへんにひそんでいるのでしょう。雑草だらけ石だらけの庭なので、隠れ場所には困らないと思います…


 カエルの合唱にも大いに期待していますが、今のところはぜんぜんです、まだ一声も、ケロっとも鳴きません。
 気温がもう少し上がらないと気分がのらないのか、あるいは数が少なすぎるのかもしれません。


 永吉君の実家あたり(同じパチャカマックでも山側)では、やはり今ごろ、ルリン川の水を引く用水路によくヒキガエルが流されてくるそうです。
 そう聞いて色めき立って、「20匹ばかし捕ってこれない?」と頼んでみましたが、「……ヒキガエルは…ちょっとこわくて…」と気が進まない様子です。


 どうもペルーの人たちは、sapo(ヒキガエル)への偏見が強いですね、sapoという言葉じたい、「ずる賢い」という意味がありますし。
 カエルカエルと騒ぐ私に、宿六もうっすら警戒感を漂わせていましたが、実物を見て意見が変わったらしく、「sapoがこんなにかわいいとは知らなかった」と言っています。さわるのはまだ怖いようですが。
 そのうち永吉君にはヒキ出没ポイントだけ教えてもらって、宿六にバケツ持たせて、自分で取りに行きます。



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「ここ、アルパカページなのに…
私、アルパカじゃなくて
すみません!」


 と、三つ指ついて?(ほんとは四本だけど)お詫び中。
 でもヒキガエルは縁起物ですし、それにペルー海岸固有種のヒキガエルなんて、あまり目になさる機会もないかと思います。
 ここをご覧下さったみなさま、年明けにはなにかパーッと心が生きカエルような、すごくいいことがたくさんありますよ、少なくとも16匹分ほどは。



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