アルパカのいる庭
(14)インティ王子 成長記(2023年11月〜2024年7月)
アルパカのいる庭 |
アレキーパ市の北東、 Aguada Blancaのアルパカたち (2001年ごろ) |
やんごとなきあたりのお嬢さんが、先だってクスコで、「アルパカはどんな味ですか?」とご下問になったそうですね。 それが話題になったせいで、「ペルー人はモルモットだけでなく、あのかわいいアルパカまで食うのかっ!何と野蛮な!」的イメージが、日本で定着しそうで困ったものです。 いえいえペルーでも、アルパカ肉食は、まったく一般的ではありませんので!念のため! 当地ペルーでの各種お肉の、ひとりあたり年間消費量は、だいたいこんな感じだそうです。 (2020年前後のネット記事からテキトーにとってきましたので、おおよその雰囲気のみ、お汲み取り下さい) 鶏 49キロ 豚 10キロ 牛 6キロ クイ(モルモット) 1キロ弱 アルパカ 390グラム リャマ 120グラム |
一年で390グラムといったら… 日常的には食べない人がほとんど、ということでしょう。それどころか、一度も食べたことがないペルー人のほうが、たぶん多数派です。 (ペルーに次ぐアルパカ大量飼育国、オーストラリアでのほうが、よっぽど食われてるんじゃないかという気がしますが、あいにく良いデータが見つかりませんでした) アンデスでは、アルパカは高価な毛をとるための貴重な家畜です。また親戚のリャマも、かつては荷運びに欠かせない大切な動物でした。 どちらもむやみに食ってしまったら、昔のアンデスでの暮らしは成り立ちません。なので当時は、事故死したり、年を取って実用性を失ったものを、泣く泣くおいしく頂いていた程度だろう、と想像します。 それがここ数十年、どちらのお肉も「脂やコレステロールが少ないので、とても健康に良い」(ウソつけ!(*))とのことで、宣伝されるようになったのですが… 脂とコレステロールが少ないお肉ねえ…。つまり、あまりおいしくないお肉、ということじゃないでしょうか?アルパカ食肉協会?の方ごめんなさい… 当地でのアルパカ肉の値段は、他のお肉に比べて安いほうなのですが、にも関わらずぜんぜん定着していないのは、そのあたりにも関係がありそうです。 |
古典的な色とりどりの群れ。 左はしに、背中に鞍をのせたような、 かわいいブチの仔がいますね。 |
生まれてまもない仔アルパカを、 大事に抱える娘さん。 この仔は親からはぐれたのかな? |
現に消費されているアルパカ肉の大半は、アレキーパ、プーノ、クスコ...などなどアンデス南部の、アルパカ飼育がさかんな地方で、昔ながらの習慣にそって食べられているのでしょう。 またリマなど都市部では、例のよくわからない&わかりたくない新作料理の世界で、何とかアンデスらしさを出そうと、ほぼ無理やりにアルパカ肉をメニューに取り入れている、という印象はありますね。 私は1995年から今にいたるペルー暮らしのあいだ、たしか2回だけアルパカを食べました。 最初はリマ市のラ・モリーナ農科大学のフェリアで売っていた、アルパカ肉の串焼き。牛のあっさりした赤身に近く、そうですねえ、別にとりたてておいしくもまずくもなかったですね。 その次は、2001年ごろのアレキーパ。 コルカ渓谷のホテルで、アルパカ肉の、やはり串焼きが出ました。屋台のお肉よりは厳選されていたのか、とてもやわらかく、若干シカ寄りの味わいはあったかな…? でも、脂ののったおいしい牛豚や、コレステロールたっぷりな魚介類が好きな私には、さほどピンとは来ない味でした。 |
そんなでしたので、その後もわざわざ探してまで食べようとは、まったく思わず現在にいたっております。 もちろん今はもう、ぜったいに食べません、ペットの犬猫を食べるのと同じになってしまいますので。(かといって、アルパカを食肉として売ったり食べたりする人を、批判する気もぜんぜんありません) (*)なお、さきほどのコレステロール云々のお話ですが… そこそこ健康な人の場合、「食事から摂るコレステロール量は制限しなくてよい(制限してもほぼ意味がないから)」、というのは、2015年ごろにはもう常識化していますよね。 にも関わらずいまだにやたらと、低コレステロール食品がありがたがられているのが、ちょっと不思議です。世間には、低またはゼロ・コレステロールを売りものにした大手メーカー商品が多いので、そのへんの大人の事情なのかな… 良いコレステロールたっぷりの食材こそが、この世でいちばんおいしくて、元気も出るのに!と個人的には思います。カラス各自の勝手ですけれど。 |
25年ほど前、 ラ・モリーナ農科大のフェリアにて。 「目新しく、柔らかく、 ライトなアルパカ肉」と謳う広告。 |
そしてこちらが、アルパカ肉の串焼き(アンティクーチョ)屋台。4ソルとありますが、たしかそれで、小さいのが2本来たと思うんですよね。いい時代でした。 そしてむこうのケース内には、なにやら大きなお肉が見えていますね。そうか、体当たりされると痛いチャスキのあばら肉も、中はこうなってるのね…… |
左の屋台は、展示用アルパカの囲いの、目の前に設置されていました… アルパカたちの、この非常に冷ややかな視線を浴びながら、アルパカ肉を立ち食いするのは、かなり居心地わるかったです。味よりも、そっちのほうをよく覚えています。 このときの祟りで、今や私は、アルパカたちにお仕えする立場となってしまいました。 |
インティ君は、母コヤチャのミルクが豊富なおかげで、たいへんな早さで成長しています。 でも今日のところは、インティ君続報の前に、誕生前夜のお話をさせていただきます。そうしないと例のおがくずの説明ができませんので。 |
10月中は、前庭の芝の植え直しをしました。 過放牧やらいろいろで、カチカチになった土をほぐすのが、とても大変そうでした。フランクリン君とその御一行、ありがとう。 右端でただ見ているのは、ベンハー君。今回は監督役なので、手は出しません。 手前の小山は、8月に井戸を掘りなおしたときに出た土砂です。ここにもあとで、土を足してから芝を植えます。 |
次いでそこに、大量のおがくずを撒きます。園芸上のおがくず使用は、賛否両論あるようですが、フランクリン君は何にでも使って、良い成果を出していますね。 少なくとも、半沙漠リマの特殊な環境下では、おがくずが使えるのはまちがいないようです。 |
そこに芝を持ってきて、ぽんと載せ、軽く踏んで落ち着かせたら、植え付け完了。 あとは毎日水だけしっかりやっていれば、3週間ほどで根付くはずです。 |
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さてアルパカたちは、根付く前の芝をひっこぬかないように、裏庭に隔離されています。 |
チャスカ様の視線の先には、 うまそうな緑のじゅうたん… |
鼻息も荒く、前庭の緑を ガン見するチャスカ様 |
でも、どんな状況にも、すぐ順応するチャスカ様ですので… |
柵のこちら側に隠しておいたムラサキウマゴヤシも、たちまちチャスカ様には見つかってしまいました。 気づいたときには、ひとり食べ放題パーティやってました。 |
コヤチャは、前庭の緑をじーっと見て、それを梅干し代わりに?乾燥ムラサキウマゴヤシを食べています。 |
さて、ある朝起きたら、チャスキに雪がつもっていて驚きました! |
原因はこれです。 新しい芝がよく根付くのを待ってから、前庭にアルパカたちを移すつもりです。それと入れ替わりに、今度は裏庭の芝も部分的にはりかえようと、ベンハー君が張り切って土起こし中なのです。 そこにたっぷりおがくずをまいたのを、転げまわるのが大好きなアルパカたちが見逃がすはずもなく、すぐ集まってきました。 |
ひさびさの登場。 新体操の女王、チャスカ・コイユル! |
今のところ、お乳には変化が見られないので、チャスカ様は妊娠していないようですね… 出産するまでわかんないのがアルパカですけど、まあ今のところはたぶん… |
よーく転がって、おがくずを裏表によーくまぶして、アルパカフリャーの準備おわり。 |
毛にしっかり絡むので、 なかなかとれそうにありません… |
おがくずは香りもいいので、 チャスカ様、気持ちよさそうに うたたねしています。 |
ただコヤチャだけは転げまわらず、どしたのかな?と思っていましたが、大絶賛妊娠中で身体が重かったのですね。あんなに大きく育った仔が入ってたんだものね。 でもコヤチャはもともと少しものぐさで、おやつも芋虫スタイルで、こんなふうに座りこんで食べるのが好きでした。…と思ってましたが、そういえば妊娠したはずの一年前から、ちょうど芋虫スタイルも始めたような気がしてきた… |
あるときからチャスキも まねするようになりました。 |
さらにハスミニにもうつった… 「ころがって食べるアルパカ、かわいいね」と家で話していたら、やきもち焼きのハスミニも「私だってできる!」と言い出して… 以来、水だけですが、必ずごろんっと横座りして飲みます。 |
裏庭には芝がほとんど残っていませんし、ムラサキウマゴヤシだけではアルパカたちも飽きてしまいます。 そこで花壇などの芝を切っては、少しずつ食べさせています。 これがちょうど、インティ君誕生の、丸一日前の写真です! |
次回は、インティ君のかわいい写真をたくさんお届けします。 |
11月10日夜、とつぜんわが家に降ってきたインティ君。 その翌日のお昼ごろには、すでにお乳を飲むのもとても上手になりました。 「私の永遠の赤ちゃん」と思っていたコヤチャも、一晩でおかあさんの顔に変わってしまいましたし! |
お乳を飲むあいだ、コヤチャはインティ君のおしりをチェック。 おかあさんアルパカが、優しくこどもの匂いをかぐときの、フッ……という静かな鼻息、いいですねえ。 |
それから親子でお散歩へ。足取りもしっかりして、もうぜんぜんよろけたりしません。 |
小鳥の羽音にハッとするインティ。早くも、ちょっと走って鳥を追いかけたりします! |
「小さな家」から、ぞろぞろと見物客がやってきました。 |
警戒心の強いチャスキから、きびしい尋問を受ける一家。関所みたいですね。 そんな緊迫した?空気の中、末っ子のマグノリアちゃんは、興奮して「オベハ!オベハ!オベハ!(雌羊!)」と連呼。 チャスキはかなり気を悪くしたみたいです。チャスキって、男尊女卑の頭ガチガチなおっさんぽいものねー |
夕方のおやつを食べるコヤチャ。たいへんな食欲です。 でも今日は珍しく、立って食べています。インティ君がお乳を飲めるように、そうしているのでしょうね。 |
お乳を飲んだら、またひと眠り。 インティが座ると、後ろ脚がうさぎの白いしっぽみたいに見えて、ますますかわいいです。 |
三日目の朝。インティ君に会いに行くと、もうお乳をたっぷり飲みおえて、くつろいでいるところでした。 |
口元がミルクで白くなっています。 とても満足そうな顔です。 |
インティ君がおかあさんから離れると、コヤチャのお乳から、ぽたぽたっとミルクが地面に滴ることがあります。それくらいふんだんにお乳が出ているのですね。 お母さんは若くて健康、気候は穏やか、刺す虫なんかもいなくて、インティ君はほんとうに良いときに生まれてきました。 |
かわいい口元にぐっと接近… ミルクがいっぱいついてます。 |
また頭がぐらぐらと揺れ始めました。 |
経験上(三頭目ですもんね…)、こういう幼いかわいい表情は、最初の数日しか見せてくれないとわかっています。 なのでせっせと写真を撮っています。 |
あ、初あくび! |
少し日が射してくると、ガバっと立ち上がり、意気揚々とひとりで散歩にでかけたインティ君。 |
初めて見る世界に、夢中になっているインティ君。母コヤチャは、むこうから心配そうに見ています。 |
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生後三日目にして、 いっちょまえに走ってます! |
この、茶色の半ズボンを履いたみたいな後ろ姿、かわいいなあ。お父さんのチャスキは、前脚のほうが半ズボンなのですが。 |
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インティ君、早くも小学生男児っぽさを発揮しはじめましたね… これからいろいろ、おもしろいものを見せてくれそうです。期待と不安がないまぜ… |
初トイレ姿もつかまえた! 仔アルパカは、さいしょの数日はなかなか出るべきものが出ないらしく、この格好で真顔をして、ずーーーーっと立っていることが多いです。すごくかわいいです。 |
コヤチャのときは心配しましたが、今はもう、そういうものだとわかっているので安心です。 でもチャスカとチャスキは気になるようです。こうもいちいちチェックされると、ますます出るものが出なくなりそうですけど… |
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かくして三日目も、穏やかに過ぎていきました。 お父さんのチャスキは、今のところけっこう大人しくしています。仔アルパカがオスなので、ちょっとテンション下がってるのかも(笑)。 コヤチャやキヤチャが生まれたときとは、明らかに態度が違います。平和で助かります。 |
きょうは少しだけ日も射しましたが、おおむね明るい高曇りの、暑くも寒くもない気持ちのよい日でした。 この独特の、黄みを帯びた空気の色に、じわじわと近づいてくるクリスマスを感じます。私はもう天から、大きなクリスマスプレゼントもらっちゃったなあ。 |
11月13日(月)、生後4日目。インティは、朝もはよからトイレの特訓中。 |
母コヤチャと祖母チャスカは、おしりだけ見ると、全体に白っぽくてとてもよく似ています。 それでインティ君も、ときどき間違えてしまうようで… |
でもアルパカは、おしりのほうから近づかれるのを、非常に嫌います。 特にチャスカは、カッときやすいので、たいへん危険です。 |
そして予想通りの結果に… チャスカは振り返りざま、トゥッとつばを吐き、かわいそうなインティ君は人生初の、香り高い「アルパカ式洗礼」を受けてしまいました。 |
顔とくびに、チャスカが吹きつけた葉っぱのかけらが飛び散っています。ショックをうけたインティ君は、口を開けて呆然自失状態。 生後わずか4日目にして、アルパカづきあいの難しさを学んだインティ君。かわいそうですけど、まあこういう経験は早いほうがいいかもしれません。 キレやすいチャスカは、うちの庭いちばんの危険物ですから。 |
優しく穏やかなおかあさんにぴったりくっついて、心を鎮めるインティ君。 ついでにおかあさんの毛皮で、顔を拭いてるっぽくもありますね… |
ちょうど折よく、コヤチャのミルク(実質ただの岩塩水)の時間となりました。 おかあさんが立ち上がったので、インティ君もいっしょにミルクタイム。 |
充電完了!元気回復! 探検再開! |
庭の探検中、気になった丘に、そうっと登ってみるインティ君。 母コヤチャがベイビーアルパカだったときは、丘にのぼる勇気が出るのに、19日もかかった!のですが、これもオスとメスの違いでしょうか。 |
今日のところは、チャスキに邪魔されて、頂上制覇は叶いませんでした。 |
生後数日間は、いつも眠そうだったコヤチャやキヤチャと比べると、インティ君のほうはいつも目をぱっちり見開き、周囲に興味津々という感じです。 |
夕方のミルク。 この三角形のしっぽがかわいくて 見飽きません! |
11月14日(火)、生後5日目。 私は犬も猫も、オスを飼った経験がありません。メスの多くに共通する、ちょっとややこしい性格が好きなものですから。 でも、オス一般の単純明快なかわいさについては、よくいろんな方からお話は聞いておりました。 どうやらアルパカも、そこんところは同じらしく、おかあさんに全身で甘えるインティ君(♂)のすなおさには、毎日びっくりの連続です。 |
おかあさんが好きすぎて、じっとしていられないらしく、しょっちゅうおかあさんに体当たりしています。 コヤチャも小さい頃、ときどきチャスカにどん!とぶつかっていましたが、ここまでしつこく?はなかったです。 |
コヤチャもまた、面倒くさがらずに、インティにこたえてやっています。 そうか、腕でぎゅっと抱きしめられないかわりに、長ーい頸をまきつけるんですね。本当にいいおかあさんですねえ… |
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背中を湾曲させてドン!とぶつかる、このインティ君の甘え方、なんだか猫を見ているようです! |
コヤチャのほうも、足元にまといつかれて歩行の邪魔をされても、まったくいやがりません。 |
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おなかも心も大満足! …なんでしょうね。 |
口先についたミルクを、小さなピンクの舌で、ぺろりとなめるインティ。 アルパカは、犬猫のように舌をだらんと出すことはないので、これはなかなか珍しい一瞬です。 |
夕日に映えるぽわぽわ毛皮! |
カランカラン、カランカラン…と小さなカウベルも鳴って、なんとまあ平和な風景でしょう。 アルパカを衝動飼いして、本当に良かったです。庭をぜんぶ作りかえたりとか(今もまたそれやってますし)、実にいろいろありましたけれど……結果的には大正解。 |
11月15日。インティ君は生後6日目。 元気いっぱいにぴょんぴょんぴょんぴょん…そこらじゅう駆け回っています。 |
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昼前に、裏庭のチャスキの「国見の丘」で、父子対決が勃発…しそうになっていました。 大きなチャスキを前に、ぐっと踏ん張って一歩も引かないインティ君、かわいいねえ。 |
そこにとつぜん、ドンッ!とジャンプして割って入る母コヤチャ。 |
アルパカのいる庭は、時としてたいへん騒々しいです… |
同日午後、場所をかえて、親子対決の仕切り直し。 今度は、もう少し小さな丘をめぐる攻防戦です。 |
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インティって、うしろにも顔がついてるみたいでおもしろい… |
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同じ仔アルパカでも、メスとオスとで性質がこれほど違うとは、びっくりです。 生後6日目のコヤチャとキヤチャなんて、本当におっとりとしていたのにねえ。 |
コヤチャはインティを気遣うあまり、aguafiesta(パーティに水をぶっかける人=場をしらけさせる人)っぽくなりつつあります。 チャスキのほうは、やっとおつむのレベルがぴったりの相手ができて、けっこう嬉しそうです。 |
11月16日、生後7日目。 朝、自室の窓をあけると、この眺め。今日もいちおう、まだこのアホ星で目を覚ますことにして良かった、と思う一瞬です。 |
私の部屋の外に、良い日陰ができるので、コヤチャ親子のお休み処となっています。 |
あ、窓からやきもち焼きのハスミニ(ハスミン2世)が顔を出しました! アルパカたちはまだ気づいていません。 |
これはハスミニが、「ゆるせにゃい!私というものがありながら!」という気分のときの、物凄い目つきです。 |
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インティに熱視線を送るハスミニ。 |
飼うっていうか…… 庭で自然発生したもので… |
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2匹が初めて出会った「あのころ」の様子は、こちらのページに載っています。 |
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11月17日(金)、生後8日目。 きょうもきょうとて、おかあさんが好きでならないインティ君。 |
この日は曇って薄暗く、またインティ君も動きが速すぎて、ピントの合ってない写真ばっかり。 |
インティのバルタン星人足は、おかあさんのピンク色ではなく、父チャスキと同じ黒でした。どっちもかわいい。 |
アルパカがごきげんなときに見せる、たまらなくかわいいこの格好。 一瞬のことなので、なかなかピシっと写せませんが、明日からはカメラをスポーツ連写モードに固定して、機会を狙いましょう! |
11月18日(土)、インティは生後9日目。 前庭の新しい芝は、三週間のあいだ私とベンハー君とでせっせと水を撒き(宿六は長期出張で不在…肝心な時に限っていないよね…)、しっかり根づいたので、今朝はいよいよグランドオープン! インティ君の新品ぴかぴかの毛皮が、どんなにか緑に映えて見えることでしょう。楽しみです! |
パレット製の簡易柵をあけると、チャスカとチャスキはすぐに入ってきました。 |
でもコヤチャは、こどもが生まれて用心深くなっているのか、なかなか踏み込んできません。 躊躇しているのを、ベンハー君が押してやっています。 |
でも入るとすぐ、足元の青々した芝を食べ始めます。 昨夏の厳しい残暑以来、これくらいフサった芝はなかったので、きっとすごくおいしいはず。 |
しかしチャスカ様は…… 芝には見向きもせず、まっすぐハイビスカスの生け垣に突進!…おいおいおい!それはないでしょ! チャスカ様のこの、びろうどのような毛で覆われたかわいいお口が、それはそれは破壊的で……ちょっと!芝食べなさい芝を!!! |
こちらの元・生け垣は、昔むかしハイビスカスの小さな苗を買ってきて、小まめに切って枝を増やし、目隠し用に仕立てたものだったのですが… アルパカたちが下のほうを食い荒らし、スカスカにしてしまいました。でもこの3週間アルパカを遠ざけた結果、また新芽が出始めていたのを、チャスカが容赦なく摘み取っていきます。 なおチャスカのセリフは、ベンハー君が自分で言った冗談です。 「きっとアルパカたち、『ベンハーは結局、何も仕事してないじゃないか!』と呆れているんでしょうね!」 |
チャスカのせいで、ほかの二頭もハイビスカス味を思い出してしまい、みんなここに集まってきました。 インティだけは、生まれて初めて踏む緑のじゅうたんの上で、なにやら呆然……としています。 |
心を鎮めるために、 とりあえずお乳をのむインティ |
緑を背景にすると、 いっそうかわいいなあ! 「えっ?私?照れるわね…」 とチャスカ様… |
いっしょけんめい 鼻をひくひくさせて、 あたりの匂いを嗅いでいます。 前庭は初めてだものね。 |
心を鎮めるために、 またお乳をのむインティ |
ここもBA時代(アルパカ到来以前)には、オオイタビが一面を覆う、ちょっとみごとな緑の壁でした。その後、アルパカたちの口が届く高さまで、葉っぱは全部はがされました。よく枯れなかったなと思いますけど。 そして、この3週間であちこち新芽が吹き始めていたのを(植物って強靭ですね)、チャスキがせっせと刈り取ってはおなかにおさめています。 コラ!!お前たちのために植えた芝を食え!芝を! |
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休みなく芝草を食むコヤチャを、じーっと見ていたインティ君。自分もまねして食べ始めます。 |
おや、気に入ったみたいです。がりっがりっ…と顎の音を響かせて、ちゃんと噛んでから飲み込んでいます。ほんとインティの成長は、なにもかも早いなあ。 |
新食材を試したあと、 心を鎮めるために お乳をのむインティ |
だんだん余裕が出てきたインティ、今度は丘に目をつけました。 井戸掘りとかいろんな工事が重なった結果、いま前庭には四つの小さな丘があります。 |
丘の上で、仔ヒツジみたいに跳ねるインティ! アルパカは起伏があると、なぜかテンションが上がるようです。コヤチャも小さいころ、よく丘で踊っていました。 幸いチャスキは食事に集中していて、インティ君の邪魔はしませんでした。 |
新しい丘を制覇したあと、 心を鎮めるために、 お乳をのむインティ。 おかあさんもたいへんだ。 |
興奮してちょっと疲れたのかな?石を敷いた小道で一休み。 ここはひんやり気持ちいいのか、アルパカのみなさんにたいへんご好評頂いているスポットです。 |
一か月ぶりに、大好きな前庭の砂場と再会し、しみじみ喜ぶチャスカ様。 今は砂だけでなく、香り高いおがくずも混入しているので、もっとお気に召したようです。なんのこたあない、フランクリン君の配下たちが、めんどくさがっておがくずの残りをここに捨ててっただけですが。けしからん。でもアルパカが喜んだので許す。 |
この表情がいいねえ。 |
でも、ウザいチャスキが来たとたん、そそくさと立ち去るチャスカ様…… 最近おっさんくささが極まっているチャスキですが、今日はよほど嬉しいのでしょう、久しぶりにかつての剽軽さが戻ってきました。 |
前脚をきちっと揃えたところが、おなかを見せる小犬みたいで、おっさんなりにちょっとかわいいです。 でもアルパカの場合、おなかを見せたとしても、「飼い主への信頼、服従」等の意味はまったくありません。単に背中をゴシゴシして喜んでるだけです。 |
ぶるぶるっとやって、つきすぎたパン粉を少し落として、アルパカフリャ−の準備終り。 |
そのころ、すっかり調子づいたインティ君は、びゅんっ!…びゅんっ!…と超高速で走り回りはじめました。 |
そのへんをニ、三周するとおかあさんのところに戻る、というのを繰り返していますが、そのたびにコヤチャは、「チッ、チッ、チッ…」と舌鼓のような音をたててインティを迎えます。 「あんまり遠くに行かないで!おかあさん心配してたよ!」と言っているようです。なんとも優しげで胸を打たれます。 チャスキはまだ小さかったころ、庭で私たちに会うたびに、同じ音をたてていました。たぶん、少し不安な気持ちをあらわすのでしょう。 でもチャスカは全くやったことがないので、どうやって娘のコヤチャが覚えたのか、とても不思議です。 |
インティはすぐまた、残りの丘の探検に出かけます。コヤチャはひんやりした芝に、気持ちよくつっぷして休みます。 もうすぐ毛刈りの季節。コヤチャの被毛はめいっぱい伸びて、こうしているとムートンの敷物が落ちているみたい。ちょっと上に座ってみたくなります。 |
人間でも座りたくなるほどですから、遠慮のないインティ君は、平気でポーン!と飛びのってしまいました! リラックスしていたコヤチャが驚いて、長い頸をパっともたげます。 |
あはははは、コヤチャ、へんな顔! かわいそうに、ものすごく驚いたようですね。 |
そして、攻撃者に向かって、トゥッ!とつばを吐くコヤチャ… |
でもすぐに、かわいいわが子と気づいてやめました。 これを書いている今日、インティは生後36日目ですが、これまでにコヤチャがインティにトゥッ!とやったのは、このときだけです。今では突然背中に乗っかられるのにも、慣れてしまったようです。 |
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コヤチャがまた、あの最高に優しい目つきをしています… 日ごろから飼い主にも優しかったコヤチャですが、今はふだん以上におっとりしていて、さわり放題です。 |
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前庭の砂場は、ナツメヤシの木陰にあって涼しくて、たぶん庭でいちばん気持ちのよいところ。 できることなら私もここで転げまわりたい。 |
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宿六も私も、ちゃんとした休暇というのがまったくありませんが、猫とアルパカは年中無休でバカンス中。いいなあ。 |
ああ眠くなってきちゃった… |
半分眠ってしまったコヤチャが、無意識にゴロン!と転がって、あやうくつぶされそうになったインティ君。 あわてて立ち上がります。 |
砂場に立つと、足元がよく見えるので、この機会によく観察。 白いタイツに、焦げ茶のショートソックスを重ね履きしているのは、父チャスキの前脚と同じです。でもインティのはもっと凝っています。後ろの白タイツには、なんとワンポイントも入っていて、特に左脚のはとてもきれいな星模様! まったくインティは、えらいおしゃれしてこの世に出てきましたね。 |
砂場は人気スポットなので、利用者がひんぱんに入れ替わります。コヤチャが芝を食みに行くと、すぐチャスカ様が戻ってきました。 |
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インティが生まれたあと、祖母チャスカは最初の二日ほどだけは、とても優しく接していました。でもまもなく、キレやすいチャスカ様が戻ってきました。 もちろん、たまにインティの姿が見えないときなど、顔色変えて探し回ったりはしますけど、ふだんはチャスカもチャスキも、けっこうインティにはきつく当たっています。 それに怖いものなしのインティのほうも、しばしばチャスカやチャスキのおしり側から接近するので、ねんじゅうトゥッとやられています。 |
なお、祖母と父によるこの「つば吐き集中講座」のおかげで、インティは生後たったの19日で、トゥッ!というようになってしまいました!(幸いまだ出るのは音だけですが…) コヤチャのときは、8、9ヵ月目までしなかったのに、なんという早熟さ。ベンハー君も、20日目にインティを捕まえようとして、小さくトゥッ!とやられたそうです。 今のところ私たちはまだ被害にあっていません。 |
おがくずを背中にくっつけたインティ。 ちょっとバンビみたい。 おとなたちは存分に新鮮な緑を食べて、インティはすべての丘を制覇、私もたくさん写真を撮って、みんなが嬉しい一日でした。 |
10月に、この前庭の芝貼り直しに取りかかったときには、年内に仔アルパカが生まれるなんて、夢にも思っていませんでした。 ほんとやっといてよかったです。これでしばらくは、エサ不足の心配はしなくてすみそうです。 今げんざいは、アルパカたちを前庭に閉じ込め、裏庭の貼り替え作業をやっています。たぶん年明けには、裏庭も再オープンできそうです。 |
1月9日(火)、オスの仔アルパカ、インティ君は生後ほぼ二か月となりました。。 12月に芝を植え直したあと、一か月ほどアルパカを入れず休ませておいた裏庭に、いよいよ本日、アルパカたちを戻してやります。 |
簡易柵をあけると、すぐ気づいたアルパカたちがぞろぞろとやってきます。 |
インティ君も大きく育って、「群れ」感がぐっと増しました。 年末年始に毛刈りを終えたばかりなので、アルパカというより、短毛のリャマの群れっぽいですけれど。 |
こういう何気ない瞬間に、各アルパカの個性がよく出ます。 おずおずと入ってくるコヤチャ、ただちに芝を食べ始めるチャスキ、そして新しい芝には目もくれず、「芝ではない何か」を探すチャスカ様。 |
インティ君は「裏庭生まれ」ですが、ここに戻るのは一か月ぶり。特大の瞳をキラキラさせて、周囲を見まわしています。 |
急に世界が広がったせいか、まもなく手のつけられない興奮状態に陥ったインティ君。おとなアルパカたちに、見境なく体当たりしはじめます。 仔アルパカ時代の、おっとりしていたコヤチャやキヤチャと、同じ動物とは思えません! |
あっ、チャスカあぶない! |
チャスカうしろー!! |
すぐキレるチャスカも、怒るのを忘れてつい見とれる、バンビ風ジャーンプ! うしろに跳ね上げた脚と、きりっとした三角形のしっぽが、ものすごくかわいいのです! |
ぴょーんぴょーん! 四ツ脚が宙に浮いてます。 |
逃げ切ったインティは、 このへんで大きくターンして… |
再びチャスカを狙います。しつこいねえ。 |
ドーーーンッ! (これかなり痛いですよ…) |
いつも真先に 疑われるチャスキ。 |
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インティ君の逃げっぷり、おみごと。 |
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ドーーーンッ! |
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驚いたチャスカも大きく跳ねて… |
なぞのダンスパ−ティが始まりました… |
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二頭から銃口?をつきつけられては、さすがのインティ君も降参するほかありません。 |
一瞬だけ反省するインティ君。しかし… |
次に狙いをつけたのは、 かわいそうなお母さん… |
かわいそうなコヤチャ…… 胃のあたりを直撃されて、ぜったい痛いはず。アルパカはふわふわの見た目に反し、身体が石のように硬いですから。 |
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そしてまた、ひとまわりしてから駆け戻るインティ君… |
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うわあああ……とうとう優しいコヤチャが怒り出しました!めったに見られないから、カメラ持ってて良かった! (私の血の半分は岡山系なので、隔々世?遺伝がコヤチャに出たようですね…) |
インティ君の、ビビりぶりにご注目。 こわいのに、まるでお母さんをなだめようとするかのように、ピタッとくっついて離れないのがかわいいです。祖母チャスカが相手のときとは、全く態度が違います。 |
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だめだこりゃ。 |
さて、インティに妨害されつつも、美食の探求を地道に続けるチャスカ様。「芝ではない何か」を求めて、庭をすみずみまで調べています。 せっかく芝、植え直したのにね…… |
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右の写真でチャスカがむしゃむしゃ食べているのは、ポプラの子樹。 わずか一か月のアルパカ不在のあいだに、裏庭はポプラの芽生えだらけになってしまいました。 ポプラは一度植えたらさいご、地下茎でいくらでも増えて厄介ですが、いつもはアルパカたちがちゃんとコントロールしてくれていたのですね。 |
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「クリスピー!」 枇杷の枯れ葉も見つけて ご満悦のチャスカ様。 |
これは芝ではないイネ科の雑草… とにかく芝だけは食べない チャスカ様なのでした。 |
オリーブの胴吹き枝も見逃がしません。 |
丁寧なお仕事。 |
こちらではチャスキが、アミごしに 青りんごを見つめています。 |
ガブッ!とやりましたが、 アミに歯形がついただけ。 ま、そのうち破くでしょうね… |
アルパカの不在中に、柳のひこばえもこんなに伸びました。日ごろいかにアルパカたちが仕事していたか、よくわかりました。 |
アルパカ留守中に、ランタナも笑っちゃうくらい満開になりましたが、さっそくコヤチャが剪定に取り掛かります。 |
長年、うちのランタナってあんまり咲かないところがあるなあ、日当たりの関係かな?とか思っておりましたが… |
アルパカたちが、咲いた花だけ食ってたんですね… |
オレンジの木も、アルパカの口が届くところまで凹んでしまって、変な樹形になっています(矢印のところ)。 コヤチャが、不在中に伸びた枝葉を狙っています。 |
やはりアルパカが食い荒らした糸杉の根元には、目隠し用にヒメノウゼンカズラが植えてあります。 でもなぜか赤い花がいっこうに咲かず、へんに思ってましたが、これもやはりアルパカたちが、こまめに花だけ食ってたのでした…。アルパカ不在中に咲いた花を、チャスカ様が味見しています。 |
インティ君の演習が終り、平和が戻り、ふたたび仲良くぴったりくっついて、庭を散策するコヤチャとインティ。 コヤチャのお乳がふんだんに出ているおかげで、インティ君、ほんとに大きくなりました。すっとばしてしまった二ヵ月分の成長記は、いずれまたご紹介します。 |
さいごに、夏の夕日を浴びてますますかわいいインティ君の、スナップを少し。 |
ベイビーアルパカならではの、このポワポワ、毎日さわりまくっています。なんたる幸せ。 「庭でベイビーアルパカが三度も生まれた」だけでも、ペルー移住後の無数の苦労は、いちおう帳消しかな?? |
夕方は芝生でごろごろしながら、インティ君をからかって過ごすのが日課です。 インティ君がいま気に入っている遊び、「長靴との対決」の詳細は、次回ご紹介します。 |
インティ君の顔のぶちは一色ではなくて、いろんなトーンの茶色がまざっています。育つにつれてはっきりしてきました。 よくうまいところに、ぶちが飛んだものですよね。 |
なお前庭は、アルパカたちが集中的に食い荒らした左半分だけを、今こうして閉じて休ませています。 幸い芝生はすみやかに回復中なので、二週間もしたら再オープンの予定です。そのときにはインティ君も、ベイビーアルパカ時代のコヤチャのように、晴れて庭をエンドレスにぐるぐる駆け回れるようになります。それを見るのが今から楽しみです。 |
「かわいいの大渋滞」という、奇妙な表現がありますが… いま私のパソコンは、まさにその状況。新旧の猫とアルパカのかわいい写真が、もう手の付けようがないほど、たまりにたまっています。 でもとりあえず、インティ君の先月4月分だけ、なんとか整理しました。 まだ生後6か月、でももうこんなに大きくなりました! ひとむかし前のペルーだったら、記念撮影アルパカとして、観光地でしっかり稼いで来れるレベルのかわいさだと、飼い主は思っております。 |
毛刈り未経験の 仔アルパカ限定の、 このなめらかなもこもこ感! |
秋の心地よい日ざしをあびて、 ごきげんなインティ君 |
前髪がもこもこ伸びて、 羊に似てきました |
仔アルパカの口元のかわいさは、 猫のと良い勝負です! |
特にインティ君の口は、日があたると銅色にキラキラ光って、さわらずにはいられません。 あたまのダチョウ風のぽわぽわも、たまりませんね! |
アルパカは栄養状態がいいと、鼻づらが長く伸びる、というのは本当のようですね。 よそで育ったチャスカとチャスキが来たときは、あんなにぺったんこな顔だったのに。(あの二頭の気が少々荒いのは、幼少期の空腹経験も関係あるかもしれませんね…) 茶一色と思ったインティ君の顔のぶちも、実はこんなに複雑な色合わせでした。一家の中で、インティがいちばんお化粧濃いめです。 上下のまつげも、目頭寄りのところだけ、ちょっと白くなっているのが凝っています。 |
お母さんのお乳と芝だけでなく、葡萄や桑の葉、ちょうど熟し始めたナツメヤシの実なども、バリバリと食べるようになりました。 でもまだニンジンやリンゴ、ザクロには興味を示しません。 |
インティの祖母のチャスカ様。 性格はかなりきついけど、 たしかにお美しい… |
インティの母、コヤチャ姫。年末に、チャスカと同じベリーショートにして大失敗!(白リャマになってしまいました…) こういう薄化粧アルパカの場合は、毛刈りのときも、前髪は残すべきですね。次回は気をつけます。 |
私の長靴の底のにおいを嗅いで、フレーメン反応(たぶん)を起こすインティ君。 たぶん私、どっかでアルパカのフンを踏んでたかな…(うちの庭では回避不能)。 フレーメン反応までかわいらしい、というのも、アルパカと猫の共通点かも。チャスキがやるとあまりかわいくないけど。 |
インティ君は、私の長靴をかじったり、長靴あいてに相撲をとるのが大好きです。 ベンチに座って長靴をポンポン打ち合わせると、瞳をきらっきらさせて、急いでやってきます。 |
オスの仔アルパカ同士の遊びをまねて、インティの前脚に長靴をひっかけ、ひざが地面につくよう前へ引っ張ってやります。 すると、「お!こいつ話がわかるな!」とばかりに、嬉しそうに全身をくねらせ飛びあがります。 |
嬉しすぎて、 画面からはみだしちゃった |
むかしアンデスで、雨の前に仔羊が興奮して、こんなふうに跳ねて踊りまわるのを、何度も見ました。 |
それからかわいい跳び箱ジャンプ。母コヤチャも小さかった頃、よくやっていたなあ。 |
そしてすぐまた、 もっとかまって! と戻ってきます。 |
本来ならば、同い年の仔アルパカたちと、毎日ぴょこぴょこ跳ねまわっているはずのお年頃。 でもインティ君には、この長靴しか友だちがいません。できるだけ毎日、一度はかまってやるようにしています。(でも後日、ベンハー君の偽クロックスも、インティ君の新しい友人になりました!良かった!) |
二足歩行…? |
そんなに嬉しいの?! 良かった良かった! |
ぴょーん! |
ぴょーん! |
嬉しさのあまり、 こうしてひょこひょこ跳ねながら、 幸せいっぱいなインティは、 去っていったのでありました。 |
FIN |
でもすぐ庭を一周して、今度は王者モードになって戻ってきました。今日の攻撃目標は、どのアルパカ? |
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チャスキにはしょっちゅうガブっと噛まれたり、トゥッとやられたりしていますが、まったく懲りていないインティ君。 |
ひとたびは、見て見ぬふりをしようとした母コヤチャでしたが、やはり心配になったのか、引き返してきました。 |
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インティ君アルパカなのに 表情ありすぎ。 |
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…と、めずらしくはりきって、全速力でインティを追っかけていった祖母チャスカでしたが… |
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おやおや… なぜかチビに追われて 戻ってきたよ… |
ドドドドド… |
あれ、コヤチャも参加?! |
うざルパカ、チャスキも参戦。 これは面倒なことになりそうです。 |
これは二周目… まだ追われているチャスカ。 |
ドドドドド… |
あ、インティ君、追い抜きにかかります!というか、そういう遊びだったの? |
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チャスカの軽やかな走りっぷり、いいなあ。 ありがたいことに、この夏はチャスカ様、ご出産なさらなかったのですよね。今もこれだけ走るということは、少なくとも出産間近ではありえません。 おかげでしばらくは、安心していられますー |
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ということで、いつものように四頭入り乱れての、大アルパカ争議が勃発。 それぞれが勝手なことをわめいている、という風なので、喧嘩よりも争議という言葉がぴったりきます。 |
さいごは全員キレて、みな上を向いてトゥッ!トゥッ!トゥッ!…と、空に向けての威嚇射撃を始めると、もう誰にも止められません。この大気のかぐわしさ、お届けできなくて幸いです。 (日本のイラスト界でよく見かける、ふわふわと優しげなアルパカ、あんなのほんとにいるのかいな?それともうちのアルパカだけが変なの?) |
インティ君もいっちょまえに、「トゥッてやるぞ?」というポーズをとりますが… |
チャスカ様から、厳しいお叱りを受けてしまいます。 |
アルパカたちはいよいよ本当に怒ると、相手の頸の上部を狙って、至近距離からトゥッとやります。(いつまでもくさければ、ちょっとは反省するだろう!ということなのか?) ショックを受けたインティ君の、おおげさな表情がいいですね。後ろでげっそりしてるコヤチャの横顔も、味わい深いです。 |
コヤチャだけはこんなときも、けっこうおっとりしていて、「イラストによくあるようなアルパカ」にだいぶ近いです。 でもこのところ耳が長くなった上に、内向きに湾曲してきたみたいで、どうも一抹のリャマ感が漂うのだなあ… |
突然のかけっこと一大争議のあと、おとなたちはしばらくゼーゼーハーハーしていましたが、インティ君はすぐ元気回復。 毛皮のよごれも砂場できれいに落として、意気揚々としたかわいい姿で、「もっと遊ぼう!」と近づいてきます。 今年は去年とは打って変わって、ラ・ニーニャの寒い冬となりそうですが、インティ君はすでにこれだけもこもこしているので、とても安心です。 |
さてこちらは、朝のお食事風景。一日中、何かしら食ってるアルパカではありますが、これは朝いちばんの嬉しいムラサキウマゴヤシ。 インティ君も先月から、ちゃんと自分用の食器を出してもらうようになりました。 |
昨年11月には、その器に入るくらい小さかったのにね! |
お食事中は特に怒りっぽいチャスカ様が、不穏な気配を漂わせ始めたので、いったん退散。 エサをあげて怒られるのは、どうにも納得できず腹がたちますが、美アルパカのすることだから許す。 |
そして午後は、バラ園の雑草とりを兼ねた、アルパカ餌付けショー。 |
アルパカたちが入れない花壇のまわりだけは、芝が長く伸びすぎるので、ときどきこうして刈り取って食べさせます。 たっぷりチャスキの背にまぶしてやると、ひんやりして気持ちがいいのでしょうね、ぜんぜん動こうとしません。 |
「高さがあって食べやすいわね」 と寄ってきたチャスカ様 |
自分の背の刈り芝を、器用に食むチャスキ。これはアルパカくらい頸が長くないと、ちょっとできない芸当かも? |
日暮れ時の、仲良し親子の記念写真。 インティ君は8、9か月くらいには見えますが、まだたったの6か月。少なくともあと数か月は、コヤチャからお乳をもらえるはずです。 |
アルパカたちは、薄暗くなった庭を、精霊めいた姿でまた走りまわってから… |
バラ園前に戻って、食べ直しです。ときどき短い居眠りや、反芻時間をはさみつつ、むしゃむしゃ、むしゃむしゃ… なので夜中に目をさますと、大抵どこかからか、カランカランカラン…と、頸のカウベルが涼しく鳴るのが聞こえます。リマのはずれのパチャカマックという、とっても半端なへんな町に住んでいることを、完全に忘れるすてきな一瞬です。 |
6月なかば、インティ君の母コヤチャが、ついに断乳を決意! インティ君は8か月目なので、月齢に不足はありません。そもそもがもう、大きすぎるくらいよく育っていますし。 右の写真でわかるように、歯も長く伸びて、コヤチャも毎日これでお乳に噛みつかれては、たまらなかったのでしょう。6月12日ごろからきっぱりと、お乳をほしがるインティ君を追い払うようになりました。 |
長く伸びた下の歯にご注目。 これで噛まれるとけっこう痛いです。 |
インティ君は、急にお乳をもらえなくなったのが納得できず、何度でもお母さんにねだりにいきます。 |
生後23日目、うしろからお乳を飲むのを覚えたばかりのインティ君。 ふつうは母アルパカの横から飲みますが、お母さんが芝を食みつつ移動しているときは、こうして飲むほうが安全です。 お母さんが前進するたびに、後ろ脚でグイっと押されなくて済みますから。 |
アルパカ繊維の世界では、2歳までがベイビーアルパカ、ということになっています。 アンデスでは、ふつう2歳になったときに、初めて毛刈りをするからです。 |
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インティ君、なんと母コヤチャの長い頸に、全体重をかけて抑え込みます。いやーこうなると断乳も、命がけですねえ。 |
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互いに噛みついてますけど、超厚地のダウンコートの上から噛みつくようなものですね。 |
でも耳はとても痛そう! |
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温厚なコヤチャも思わず理性を失う、インティ君のこのしつこさ。父親譲りですね。 |
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インティ君は、お母さんの耳を噛もうとして、大口を開けているのですが、写真だとまるで吠えてるみたいに見えますね。 |
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うしろでチャスカとチャスキが、呆然と断乳ドラマに見入っています。 アルパカのこの物見高さ、おかしくてほんと大好き。 |
結局は土俵、というかリングで話をつけはじめた親子。 なんか観客席も盛り上がってますね? |
アルパカの弱点は耳とひざなので、双方そのあたりを狙っています。なんと過酷な断乳現場でしょう… |
母チャスカと娘コヤチャのときは、今回とはまるで違ったので、チャスカの記憶にないのも当然です。 コヤチャが7か月めに入ったころ、チャスカはお乳をやらなくなりました。でもコヤチャは哺乳瓶でもミルクをもらっていたので、インティのように食い下がることもなく、ごく平和に断乳プロセスが進んだようです。 なので私たちも、チャスカのお乳がすっかり乾いたあとで、「そういえば最近、チャスカお乳やってないね?」と気づいたのでした。 |
これってペルー関連ニュースを報道するキャスターたちの、偉そうな決まり文句ですけど… ぜったい見守ってなどいないので(見守って頂く必要もないわけだが)、状況が良くなってからの報道は一切なく、おかげでいつまでもペルーでは超インフレが進行していたり、誰かが自分クーデターやって議会を閉鎖していたり、タイヤが黒煙上げて燃えていたりする、というイメージがあって、まあ私の生活には影響ありませんけど良い気分はしませんね…) |
リングでは決着がつかず、場外乱闘へ。 |
ふたたび得意技、アルパカ固めを 繰り出すインティ君 |
しかし反撃に出た母コヤチャ、 インティの脚にガブリッ! (アルパカは手が使えないので、そのかわり 噛むのは反則じゃないそうです) |
コヤチャの口にぶらさがっているのは、 インティ君の白い脚の毛… |
見るからに疲労困憊… おつかれさまコヤチャ… |
しかしインティ君は まだまだ食い下がります |
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断乳が始まってすぐは、インティ君は昼夜問わず、「ムームー、ひもじいよう、ムームー、ムームー」と、なんとも悲しそうに鳴き続けるので、それには私たちも参りました。 自然な成り行きとはいえ、やっぱりかわいそうでしたから。 |
もちろんインティ君は、一日中たっぷり草やアルファルファを食べているので、ほんとはひもじくはなかったはず。 ただ口寂しかったのは、確かでしょうね。 |
ところで、アルパカは哺乳瓶で誘導できると何かと便利なので、インティ君も生後すぐから訓練を始めました。 でもうまくいきませんでした。お母さんのお乳がたっぷりあったので、インティ君はいつも満腹で、哺乳瓶には見向きもしませんでした。 断乳直後の今は、いよいよ訓練のさいごの機会です。なので気合を入れなおし、日に二回ずつインティ君をとっつかまえて、少量の山羊ミルクを飲ませています。すると少しずつですが、自分で吸い始めたので、もうちょっと続けてみます(人間にとっては楽しい作業なんですよね、これ!)。 インティ君をそろりそろりと庭の隅に追い込む、いわゆる「チャク」も、私たちはへんに上手になりました。もうポルコン農場にバイトに行けそう。 |
私たちがこうやって毎日押さえつけて、哺乳瓶を口につっこんでも、インティ君は決してトゥッ!とかいいませんし、そのそぶりさえ見せません。じっとがまんしています。 親たちに向かっては、事あるごとにトゥッ!トゥッ!トゥッ!トゥッ!と派手にやってますけれど、私たちには少し遠慮があるようです。 そういえば生まれてすぐのインティ君は、母コヤチャに哺乳瓶を与える私たちのことを、なんともいえない尊敬のまなざし??で見上げていました。 たぶんそれが一種のすりこみとなって、いまなお無条件の信頼があるのかもしれません。 |
コヤチャに哺乳瓶で 岩塩水を飲ませていると… |
インティ君がやってきて、 尊敬のまなざしで 見上げてくれるのでした |
今もまだ時々は、お乳をめぐって 軽いケンカはしています… 母コヤチャ、決死の断乳作戦開始から、半月あまり過ぎた今では、ありがたいことにインティ君もだいぶおちついてきました。 たまに思い出したように、お母さんのお腹の下に頭をつっこんで、怒られたりしていますが、トゥッ!といわれるとすぐ引き下がります。 思えば母コヤチャ自身は、本当の断乳は経験していないのですよね。 それなのに仔の断乳はきっちり遂行できたわけで、本能とは大したものですね。 |
もうお乳はやらなくなっても、やっぱりコヤチャとインティは、いつもなんとなくいっしょにいます。インティ君がチャスキやチャスカともめているときも、やっぱりコヤチャがすぐに駆けつけます。 でもいずれインティ君が大人になったら(あと一年半ほど先)、アルパカたちはオスとメスと分けて飼おうかな?…あるいはインティ君にはお嫁さんを探して、新婚夫妻だけほかの場所で飼おうかな?…等々と、なんとなく先のことも楽しく想像しています。 まあ名案はいつも、ぎりぎりさいごになって浮かぶので、今はゆったりかまえて、ひきつづきベイビーアルパカとの同居を楽しみます。 |
(左)推定8ヵ月ごろのチャスキ (右)もうすぐ満8ヵ月のインティ君 インティ君の鼻づらが、一段と長くなったような気がするので、同じ月齢ごろのチャスキの写真と比べて、驚きました。 まさかここまで違うとは!別の動物ですよねこれ。仔羊と仔リャマくらい違いますね。 |
(左)推定8ヵ月ごろのチャスカ様 (右)8ヵ月ごろのコヤチャ姫 チャスカと娘のコヤチャも、こんなに違います。 短い顔独特のかわいさもあって、チャスキとチャスカは鼻が短いぶん、大人になるまで山羊のように受け口気味で、それがとても愛らしかったです。 コヤチャとインティには、ついにそういう時期はなかったですね。 |
今までペルーのいろんなところで見た仔アルパカも、大抵は短い鼻づらでした。 |
この群れの仔アルパカも、みんな短い顔です。 |
アヤクーチョのこの仔も、短くて、ちょっとくしゃっとした顔です。それがまたかわいいんだなあ。 |
でもコヤチャは、生まれた落ちた瞬間から、こーんなに長い鼻づらでした。 (2歳の今はもう、馬なみに顔が長くなっており、「これは私が前世スペインで所有していた白馬『プリンセサ』だ!」ということを、先日とつぜん思い出しました(笑)) |
コヤチャの妹のキヤチャも、右のインティも、揃って立派なお鼻で生まれてきました。 「アルパカの栄養状態は、鼻づらの長さで判断できる」というのは、どうも本当らしいですね。 |
とすると(先日も同じことを書きましたが)、チャスカとチャスキのキレやすい性質は、幼少期の空腹体験と栄養不足が、やっぱり関係あるのかもしれません。だとしたら仕方ないなあ… それにブチキレやすい2頭がいるからこそ、コヤチャとインティの性格の良さが引き立つ、なんて面もありますし。 動物にまつわることって、本当に何もかもおもしろくて、飽きるということがありません!(人類一般には、いいかげん飽きましたが…) |