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パチャカマックのシジミチョウ
Lice'nidos de Pachacamac, Peru


2022年5月6日更新

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ランタナでお食事中のカクモンシジミ君


<パチャカマックの蝶々>最新ページはこちら

・学名や和名その他いろいろの情報は、手に入ったわずかな資料からの推定にすぎません。どうか、もしかしたらそうかも、程度におとりください!
・写真は、おことわりがない限り、すべてうちの庭で撮影したものです。食草なども、うちの庭限定の観察記録です。
・また蝶の数え方については、「頭」が私にはしっくりこないので、勝手ながら「匹」で押し通します。




パチャカマックのシジミチョウ
(1)庭いちばんの美形、オオルリフタオシジミ君(Pseudolycaena marsyas)
(2)カクモンシジミ(Leptotes)のどなたか(たぶんLeptotes trigemmatus)
(3)カラスシジミ族の名前わからん君(Gargina humber?)
(4)たぶんパレゴン(シラホシカラス)シジ(Rekoa palegon)
(5)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon daraba)
(6)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon bubastus bubastus)
(7)ベニシジミ亜科の和名わからん君(Chlorostrymon telea)
(8)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon davara)
(9)ヒメシジミ族の和名わからん君(たぶんHemiargus ramon)
(10)カラスシジミ族の和名わからん君(Nicolaea heraldica)





1) 庭いちばんの美形、オオルリフタオシジミ君(Pseudolycaena marsyas)

2018年10月26日作成


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本日のゲスト、オオルリフタオシジミ君(♂)


 さいしょの出会いは、まだ家を建てる前。
 暑い一月の真昼に、隣家からたれさがるワランゴの木陰で、ゆらゆら揺れる花に涼しげにとまっていました。



オオルリフタオシジミ(Pseudolycaena marsyas)
 ★分布……南アメリカ(コロンビアからパラグアイまで)
 ★庭でよく見かける季節……1月〜5月はじめ
 ★成虫が特に好む花……モリンガ(インド原産Moringa oleifera)、アロイシア(中南米原産の灌木Aloysia gratissima)
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



 蝶の大きさはいろんな測り方があるらしく、どうもよくわかりません。
 だいたいが数字で言われても、素人としてはピンときませんし…
 そこで、自分の手と比べてみることにしました。

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日本女性のSサイズの手と比較すると、だいたいこんな感じ、かと思います。

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ちらっ!(♂)


 水玉模様の翅もきれいですし、黒いお目々もぱっちりして、たいそうな美形です。

 でもこの蝶の真の美しさは、ぴったり閉じた翅の内側(つまり表側)に隠されています。
 飛び立つ瞬間にしか見えないのですが、それはもうはっとするほど鮮やかな、金属的な光沢を帯びた青色なんです。


 じっと花にとまったオオルリフタオシジミは、ゆっくりと左右の下翅をすりあわせ、こうしてちらっ、ちらっ…とだけ青色をのぞかせてくれます。

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またちらっ!(♂)


 オスはメスより大きめで、このように前翅が、サメの背びれのようにぐっと弓なりになっているのが特徴です。

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アロイシアの蜜を吸うオオルリフタオシジミさん(♀)


 こちらは前翅が丸みをおびているので、メスのようです。
 翅の形が違う上に、メスのほうがやや小ぶりなので、すぐ見分けがつきます。


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オオルリフタオシジミさん(♀)


 しっぽ(尾状突起)のついた下翅が、ひらひらしたフラメンコ衣装みたいです。
 メスは、青色の彩度がオスより低いらしいですが、たしかにフリルの内側の青、少し淡いようにも見えますね。


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 真上から見たところ。
 しっぽとフリルに、ずいぶんボリュームがあるのがわかります。


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 失礼して真下から見た、しっぽ(尾状突起)とフリル。
 きれいな小鳥の羽毛のようですね!
 尾状突起は細くて切れやすいのか、このように片方がちぎれている個体もよく見かけます。


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オオルリフタオシジミ君(♂)


 このオスは、小鳥にでも襲われたのか、気の毒に翅の一部が破けて、表の青色がのぞいています。
 幸いこれでも生活?に困ることはないらしく、ずっと同じ破れ付き個体が、同じ花木に日参していたので、安心しました。


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 翅の水玉模様(裏側)は、こうしていくらでも写せる蝶ですが、とまっているときはぜったいに、もう頑として翅を開いてくれません。
 また飛び立つときはいつも突然で、しかも猛烈に早く、どっちに行くのかぜんぜん予想がつきません。
 かれこれ5年近く追い回していますが、どうしてもきれいな青色を、はっきり写すことができずにいます。


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モリンガの花からとつぜん飛び立つオオルリフタオシジミ君


 これなんかも美しき失敗作…
 何か美しく輝くものが、目の前をさっと横切って、
 「今のいったいなに?!青いハチドリ?!」
 と驚くその気持ちだけは、けっこうよく写っているかも…


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アロイシアの蜜に夢中で、迫る魔の手に気づかないオオルリフタオシジミ君たち(♂)

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 でもこの敏捷な蝶にも弱点があり、好きな花にぶらさがっているときは、蜜に夢中で心神喪失状態に陥るので、けっこう簡単に素手でつかまえられるのですよね。

 そこで二人組作戦を考案。
 一人がカメラをかまえておいて、もう一人がつかまえた蝶をそっと放し、その瞬間に翅の表側を連続撮影する、という計画です。


 が、問題は、蝶をつかまえられるのも、写真を撮るのも、私だということ。
 宿六に蝶を渡そうとして、すいっと逃げられる、というのを、昨夏は三、四回繰り返してたいへん悔しい思いをしました。



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 次に考えたのが、ビデオで撮って、静止画を切り出す方法。
 こちらはまあ、辛うじてちょっとだけ青色が映りましたので、いちおうお目にかけますね…


 真後ろに飛びすさっているところが写っていて、驚きました。宇宙もの映画に出てくる、かっこいい戦闘機みたい。
 ぱっちりお目目の真顔も、妙に人間ぽくておかしいです。猫をうしろから羽交い絞めにしたときも、こんな顔しますよね。



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こちらは最後のところで、やっと青と黒の翅がちらっと見えました。

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 いちばん青がよく写っていたのが、これかなあ…
 ハイビジョンモードなるもので撮って切り出しても、こんなブレた写真しかないのですから、いかに敏捷な蝶かということですね。


 ビデオじたいは、蝶のあまりの速さに、まるで何も映っていないように見えるんです。
 コマ送りして調べて初めて、ちゃんと姿が映っていたとわかります。その速さおそるべし!



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 ふふふふ…いくらコマ送りして探しても、こんなのばっか。

 以上お粗末さまでした…
 まあその、とてもきれいな蝶だということは、うすうすとわかっていただけたでしょうか…



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 翅の表側をちゃんとお目にかけられなくて、なんとも残念なので、標本を参考に絵を描いてみました。
 だいたいこんなふうな配色になっているようです。
 ボケボケ大失敗写真も、並べてみると確かにこんな感じですね。


 基本、濃い青に黒いふち、ですが、地方や個体によって、だいぶ色は違うようです。
 また光のかげんでも、濃い紫や濃紺や青緑や、いろいろに見えるようです。


 一説によると、南限のウルグアイ産のものは、ぐっと緑に寄った、かなり明るいターコイズグリーン。
 いっぽう北限のコロンビアのものは、濃いウルトラマリン寄りだそうです。
 パチャカマックのは、いくぶん紫がかったコバルトブルー、かな?


 このオオルリフタオシジミさん、翅をぱーっと全開にしたときは、4〜6センチほどあるそうです(測り方しだいでだいぶ違うらしく、諸説見つかりましたが…)
 可憐なミニミニ蝶々さんが多いシジミチョウとしては、これはとても大きな部類なんだそうです。


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夏の終り、各種蝶だらけになる夢の灌木、アロイシア


 蝶がたくさん来る季節が、だんだんと近づいてきて、ちょっとそわそわしております。
 なんとかうまく、標本とかにはしないで、生きたオオルリフタオシジミ君の青を撮る方法、ないものかなあ…
 とりあえず今度の夏も、ビデオ作戦はしばらく続けてみます。
 (むしろこのさい、ビデオをそのままご覧いただいたほうが、マシかもしれませんね…)


 オオルリフタオシジミ君の、数じたいを増やすことも考えたいですが、幼虫の食草は調べてもよくわかりません。
 (食草のひとつがグアバの葉らしいのですが、うちのグアバについてるのは見たことがありません)。


 でも成虫は、モリンガとアロイシアの白く香り高い花が、もうめちゃくちゃ好きなのは確かです(毎回そこで私につかまってましたので)。
 特にアロイシアは、挿し木が容易に根づきますから、うんっと増やそうと思い、ただ今せっせと作業中です。


 もし運よく、もうちっと良い写真やビデオが撮れましたら、またここでご報告いたします。


シジミ・ニュース 21-05-17 <続々再会の秋>
オオルリフタオシジミ(Pseudolycaena marsyas)


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あいかわらずお美しい
オオルリフタオシジミ君(♂)
(例のヒユ科の雑草に来たのは初めて)



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満足そうにこすり合わせていた翅を、
少しふくらませた、と思ったら…



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あっ飛んだ!
そして一応写った!
(胴体の輝く水色も美しすぎ!)



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も一度飛んだ!
今度は頭の上の青色や、
翅のふちの黒色も一応写りました。
隅から隅まで美しい蝶ですね。


 おそろしく敏捷で、いつ、どこに向かって飛ぶか、まったく予想のつかないオオルリフタオシジミ君。
 生きたままおもて側を撮るのは至難の業ですが、今季は辛うじてスナップが撮れたので、次季以降も楽しみにねばってみます。



その他のシジミチョウのみなさん(6種類)

2018年11月27日作成


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本日のゲストその1
ヒメシジミ族のたぶんカクモンシジミ君


 夏の日盛りにルリマツリのところへ行けば、必ず見つかるかわいい蝶です。

 遠目にはパッとしないので、はじめは気に留めてもいませんでした。
 でも写真を撮ってよくよく見たら、夏雲がぽっかりと浮かんだような、とてもかわいい模様でした。



(2)カクモンシジミ(Leptotes)のどなたか(たぶんLeptotes trigemmatus)

  ペルーには、Leptotes callanga、Leptotes bathyllos、Leptotes lamasiの三種のカクモンシジミがいるらしいですが、その内のどなたかでしょうか…
  いくらネット上の写真を見ても、どれも微妙に違ってぴたっと来ませんが、似ているのは確か。


 追記。
 チリのカクモンシジミLeptotes trigemmatusが、少なくともペルー南部のアレキーパにはいると知って、ネット上で写真を確認すると、うちのカクモンシジミ君そっくりでした。


 ★分布……(Leptotes trigemmatusだとしたら)ペルー、チリ
 ★庭でよく見かける季節……12月〜5月はじめの昼前後
 ★成虫が特に好む花……ルリマツリ、アロイシア(中南米原産の灌木Aloysia gratissima)
 ★幼虫の食草……たぶんルリマツリ
 ★庭内繁殖……産卵までは確認




今回登場の6種類のシジミチョウは、どれもだいたいこれくらいの小ささです。

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ルリマツリに産卵中のカクモンシジミさん(♀)

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こちらでも鋭意産卵中

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産卵中のメスを観察していると、よくオスがやってきます(上が♀、下が♂)


 オスの翅のおもて側は、全体にきれいな輝く紫色。
 いっぽうメスのほうは、濃い茶色の模様が目立ちます。


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 バサバサとはばたくオスの、紫や金茶に光る翅がとてもきれいです。
 チラチラするその輝きを日向で眺めていると、これぞ夏!という感じがします

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 ほかによくカクモンシジミ君を見かけるのは、アロイシアの藪と、日盛りの芝草の上です。

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アロイシアで陶然となったカクモンシジミ君(♂)



 本当にアロイシアは、小ぶりな蝶たちの楽園ですね。
 カクモンシジミ君も、アロイシアの蜜のおいしさに陶然としてしまうのか、翅を広げてじっと動かなくなります。
 おもてのきれいな色を、じっくり観察するチャンスです。


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「おいしすぎてたまらん!」(♂)



 蜜に夢中になるあまり?花に翅でひしっと抱きついているカクモンシジミ君も、よく見かけます。
 なにしてるんだか???


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ぼろぼろになったカクモンシジミ君。
人生の真夏を存分に生きたようですね!



シジミ・ニュース 19-01-19


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庭でいちばんよく見るシジミチョウは、このカクモンシジミさん(♀)(たぶんLeptotes trigemmatus)


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アリッサムにとまったカクモンシジミさん(♀)
この蝶は、メスも翅の表側がきれいですよね。


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シロツメクサにとまったカクモンシジミさん


シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>


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香り高いローズマリーの
茂みでデート中



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ほぼ通年庭にいるカクモンシジミも、この秋初めて、かわいらしくくっついているところを見せてくれました。



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本日のゲストその2
カラスシジミ族のもしかしてGargina humber君ですか、きみは?


(3)カラスシジミ族の名前わからん君(Gargina humber?)

 模様が微妙〜に違う、でもそっくりな蝶が多くてすぐ降参!
 でもおそらく、Garginaの仲間のどれか、がいちばん近そうな気はします…


 ★分布……(もしGargina humberならば)ベネズエラからペルー南西部まで
 ★庭でよく見かける季節……4〜5月はじめ(まだ観察数が少ないため、詳しくは不明)
 ★成虫が特に好む花……アロイシア(中南米原産の灌木Aloysia gratissima)
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認


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 シジミチョウはみなさんほんとに小さくて、遠目にはみんな同じに見えてしまいます…
 この(2)番君を含む、以下四種の茶色のシジミチョウは、今回写真を整理していて、初めてそれぞれ違う蝶だと気づきました!


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地味な茶一色と見えて、実はなかなかの美形…

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意外にくっきりした模様もきれいですし、角度によってはキラキラと金色に輝きます。

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下から失礼して、尾状突起を拝見。
(尾状突起って、今年新しく覚えた四文字熟語です)


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しかしみなさん、アロイシア好きねえ。
あまりのご好評ぶりに、うちでは新たにもう三本植えました。


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でもトウワタの蜜も、まあまあいけるそうです。

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 この蝶の模様、私とても好きです。
 山型のぎざぎざ模様と赤の使い方が、アンデスの織物そのものですよね。
 というか大昔のアンデス人が、蝶の模様を参考にしたのかも?


 2010年ごろ、米国のイエール大学からやっとこさ返還されmariposa075.JPGたマチュピチュ出土品の中に、こんな蝶が描かれたお皿(ティティカカ湖畔で製造されたと推定されるもの)がありました。
 (私のおおざっぱな模写。実際には黒の輪郭線はなし)

 描き手が蝶の幾何学模様を、はっきり認識していたのは確かですね。

 インカ期よりはるか昔の人たちが、蝶を見ていて、アンデス史上初の山型ぎざぎざ模様を思いつき、織物に取り入れてみた…なんて想像するのも楽しいです。

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こんなシジミチョウ柄の帯、アンデスのどこかにきっとありそうです。



シジミ・ニュース 19-01-19

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 ローズマリーの茂みでリラックスしたアンデス帯蝶さんが、表側も見せてくれました。たぶんこれはメスですね。


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 この写真、とてもアンデスらしくて気に入っております!
 アンデスの帯模様そっくりな蝶が、アンデス原産の赤いトウワタで吸蜜中。
 まずまちがいなく、インカやそれ以前の人たちも目にした光景ですね



シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>


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 この秋、庭でいちばんよく見かけるのは、アンデス帯蝶君です。
 沙漠のオアシスたるパチャカマックでは、大抵の蝶は(モナルカ蝶や今年殖えているワタリオオキチョウ以外は)、ふつう一度に一匹しか見かけません。
 でもアンデス帯蝶君は、珍しく3,4匹いっしょにいるのを何度も見ました。うまく庭内で殖えてくれているのかもしれません。



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 リュウゼツランの上に、ちょこん…ととまっているのを見て、初めて脚のチャーミングなだんだら模様に気づきました。


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 この個体には、毎日何度も会っています。
 下翅の付け根に、よく光る玉虫色の模様があるので、すぐ見分けがつきます。



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 小指の爪ほどしかない蝶なのに、この凝りに凝った模様をご覧ください…
 これまた秋の気分にぴったりな色模様です。


 四月もそろそろ終りに近づき、パチャカマックもだいぶ朝晩ひんやりとしてきました。
 あと二週間ほど、楽しく蝶の観察を続けます。また何かありましたらご報告します。



シジミ・ニュース 21-05-17 <続々再会の秋>


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 何度もご紹介しているアンデス帯蝶君ですが、羽化したてらしいぴっかぴっかの個体に会ったので、また載せてしまいます。
 朱色がとても鮮やかで、別の蝶かも?と一瞬期待してしまいました。若いってすばらしい!



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おもての金茶色もちらっと見えました。


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 すこーし古びた顔馴染のみなさんも、明るい秋の残りの日々を楽しんでいます。


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こんなにちっちゃくても、サルビアの蜜に
ちゃんとストローが届くのですね!




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本日のゲストその3
パレゴンシジミ君


(4)和名よくわからないけどたぶんパレゴン(シラホシカラス)シジミ(Rekoa palegon)

 ★分布……メキシコからアルゼンチン北部まで
 ★庭でよく見かける季節……5月はじめ(まだ観察数が少ないため詳しくは不明)
 ★成虫が特に好む花……ランタナ
 ★幼虫の食草……たぶんランタナ
 ★庭内繁殖……産卵までは確認


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 通好みのニ毛トラ猫(黒トラ茶トラmix)みたいに地味ですし、逆光のはっきりしない写真ばかり、名前の探しようがない気がしましたが…
 日があたると、こうしてふちが金色に光るところは、たぶんパレゴンシジミ君のようです。


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ランタナの葉に産卵中のパレゴンシジミさん(♀)

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正面からのパレゴンシジミさん
金色のぽわぽわ感が、意外にゴージャス!

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 ちゃんと意識して撮ったことは、一度もない蝶ですが(ごめんねパレゴンさん)、この夏はもう少し気をつけて見てみます。


シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>

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 これまた、ちゃんとした写真がなかったパレゴンシジミとも、この秋は何度もお目にかかることができました。
 とても地味な印象の蝶ですけれど、日向で向き合っていると、だんだん金属質の美しさが見えてきます。



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 ランタナに産卵中。ということはメスですね。


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アフリカンデイジーで
逆立ち中


 パレゴンさんがランタナ以外の花にとまったところも、初めて見ました。


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 アフリカンデイジーの深い赤紫と、パレゴンさんの控えめな金銀が、秋にぴったりな組み合わせです。



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本日のゲストその4
カラスシジミ族のStrymon daraba君


(5)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon daraba)

 ★分布……ペルー、エクアドル
 ★庭でよく見かける季節……4月(まだ観察数が少ないため詳しくは不明)
 ★成虫が特に好む花……アロイシア(中南米原産の灌木Aloysia gratissima)
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



 ネット上の情報では、「標高1400〜2000mの乾いた荒れ地限定らしい」とありましたが、標高100m以下のうちの庭にも確かにいます。
 私の勝手な仮説は…
 ここパチャカマックは、ルリン川とそのまわりの緑地によって、アンデス西斜面としっかりつながっています。
 そのため、一般に考えられているより多くのアンデス西斜面の蝶が、海岸部が夏になると、川沿いに花を求めて下ってくるのではないでしょうか?


 蝶の宝庫ペルーで、蝶の少ない海岸部をわざわざ選んで調べる物好きさんが、そうそういるとも思えません(もしいらしたら物好き扱いゴメンナサイ…)
 なのでこういう可能性も、けっこうあるんではないかと楽しく想像しております。



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まだアロイシアでしか会ったことがありません。
風にゆらゆら揺れて、ほとんど写真も撮れていません〜


シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>


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 ローズマリーの蜜を吸うこのシジミチョウ。鮮やかな銀色の縞模様が目を引きます。
 もしや新しい種類?!…と活気づきましたが、よーく見たら、前にも数回だけ会ったことのある、高地の
Strymon daraba君でした。


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 今回は数日滞在してくれたので、落ち着いて写真が撮れました。
 とても地味なシジミチョウと思っていましたが、日の当たり方でずいぶん違って見えるものですね!



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 正午の光の下では、全体がふわっと銀色に輝きます。


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 翅のおもても、ちらっと見せてくれました。



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本日のゲストその5
カラスシジミ族のStrymon bubastus bubastus君
地味だけど、どこかケモノっぽくて、じわじわとかわいくなってきます。


 さいしょに会ったのは、まだ何も植えていない、カラカラの荒れ地だった庭でのこと。
 当地ではLucracoと呼ばれる灌木ワルセリア(Waltheria ovata)で、一心不乱に蜜を吸っていました。


 ガラパゴス、ペルー、チリに分布するというこの植物、どっから見ても雑草ですが、半沙漠が多いペルー海岸部では、なかなか貴重な蜜源のようです。


(6)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon bubastus bubastus)

 尾状突起のないところや、おもて側の翅の色は、ランタナによく来るというStrymon bazochiiにそっくり。
 なので、たぶんカラスシジミ族のStrymonの仲間であろう…というところまでは、とりあえず見当がつきました。


 でもそこで行き詰ってましたが、これを書く数分前、あきらめずにあちこち検索していて、たまたまぴったりな写真を発見!
 Strymon bubastus bubastusという蝶の、ちょっと模様が変わった変異種で、それでなかなかわからなかったようです。あーすっきり!!
 (私にとっての学名って、「突き止めたときの嬉しさ」だけに意味があるような...)



 ★分布……プエルトリコ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、ドミニカ共和国、グレナダ
 ★庭でよく見かける季節……1月〜5月
 ★成虫が特に好む花……不明(わりとなんでもありっぽいですが、観察数が少ないので今後の課題とします)
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認


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青みがかったおもて側も見せてくれました。

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このぽわぽわ羽毛感がいいのですよねー

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家の建築後も、たまに来てくれているようです。

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小さなランタナの花にとまると、その小ささ、可憐さが引き立ちますね


シジミ・ニュース 18-12-04
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意外な夜の訪問者…蛾かと思ったらシジミチョウ!


このところ、シジミチョウのことばかり考えていたら、前の金曜の晩、台所の窓に一匹やってきて、びっくりしました。
よく見えませんが、名前探しに苦労した
Strymon bubastus bubastus君?に似ています。

うしろの白い光はお月さんではなく、ぶどう棚に新しくとりつけたソーラー電球です。
その明るさに惹かれてやってきたのかな?



シジミ・ニュース 19-01-19

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 薄紫のヤグルマギクにとまった、「カラスシジミ族の和名わからん君(たぶんStrymon bubastus bubastus変異種)」(うー、まだるっこしい…)

 アンデスでは、どういうわけか蝶の通称名というのがほとんどないらしく、それはとっても不便で、かつ物足りないです。
 観察力にすぐれたインカ以前の人たちは、きっと名前をつけていたろうと思うのですが、植民地時代以降は天下大動乱で、もうそれどころじゃなかったのかもしれませんね…




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きのう芝の上であやうく踏みそうになった、Strymon bubastus bubastusご夫妻


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 小さな蝶がくっついている姿って、なんとも愛らしいです。
 午後、このまま長い時間じっとしていましたが、夕方遅くもう一度見に行ったら、片方だけが同じ場所に取り残されて?いました。
 そして、交尾中は近づいても逃げなかったのが、今度は大あわてで飛び去りました。


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 こうしてよく見ると、この蝶はオスとメスとで、だいぶ大きさや翅の形が違うのかもしれません。
 翅の裏の模様は、メスのほうが濃いらしいので、たぶん左がメス、右がオスなのでしょう。



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Strymon bubastus bubastus君の表側
…だと思います、たぶん。



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夕方、枯れ枝にじっととまっていたStrymon bubastus bubastus君。
これが落ちつく格好なのかな…
おやすみなさい、またあした!



シジミ・ニュース 21-04-29 <もひとつ再会の秋>


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 この春〜秋にはまだ会っていなかった、地味かわいいシジミチョウ、Strymon bubastus bubastus君が、さきほどセンニチコウに来ていました。
 センニチコウ、ほんと強力です、植えて良かった。


 一説によるとセンニチコウは、もはや除草剤もきかないほど強い植物らしいですが、庭の中で大いに雑草化して繁茂してほしいです。
 アルパカも喜んで食べるので、うちでは必要以上に増える心配はありませんので………



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 庭に来る10種のシジミチョウのうち、オオルリフタオシジミはここ数日、バラの茂みでチラチラ光るあの青を見かけます。
 ということは、あと再会できていないのは、赤い縫い取りがすてきなポンチート蝶君(Nicolaea heraldica?)だけですね。


 リマの鉛色の冬はすぐそこまで来ていますが、海霧が空を覆いつくす前に、ポンチート君とも再会できるかな?



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本日の主賓!
ベニシジミ亜科のChlorostrymon telea 君
前の夏に初めて見つけました!!


(7)ベニシジミ亜科の和名わからん君(Chlorostrymon telea)

 ★分布……ブラジル南部からメキシコ北部(まれに迷蝶がテキサスに出現、とのこと)
 ★庭でよく見かける季節……5月はじめ(まだ観察数が少ないため詳しくは不明)
 ★成虫が特に好む花……アロイシア(中南米原産の灌木Aloysia gratissima)
 ★幼虫の食草……不明(ペルーではCentral American soapberry、との記述を見つけましたが、どんな植物なのか探し中です)
 ★庭内繁殖……未確認


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 前の夏のおわり(五月はじめ)、いつものようにアロイシアを見あげていて、
 「あ、またいつものシジミチョウ?……うーん、なんか違うみたい、どうも気になる…」
 と思ったのがこの蝶々さん。


 毎日決まって昼食準備&片付け時刻に(11時から2時ごろまで…迷惑なやっちゃ…)、アロイシアの高みで吸蜜していましたが、超小さい上に逆光でよく見えません。
 それに必ず3メートルくらいのところに留まり、ぜんぜん下のほうには来てくれないのです。


 この悪条件下、ど近眼の私にしてはよく気づいたなあ、と思います。
 ちょうどこのころ、お友達のご子息がシジミチョウ研究者を志していらっしゃると伺ったので、シジミチョウのほうから、「こんなのもいるよ!」とあいさつに来てくれたのかもしれません。


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ついに色を確認!どうやらきれいな若草色のようです!


 脚立をアロイシアの根元に置きっぱなしにして、危なっかしい姿勢で追い回すこと一週間。
 (50歳もすぎたら、こういうことは本当はやめたほうがいいと思う)
 とうとう少しはっきりした写真が撮れました。
 嬉しいのでありったけ載せてしまいます。


 (まさにこいつのおかげで、この冬はシミが増えてたいへんでしたが、まあ本望です。
 …が、本望とはいえやっぱりいやなので、今ひまし油とシアバターで治療をこころみていますが、なかなかいい感じです)


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軽やかな足つきのChlorostrymon telea君

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 逆光でも、下翅の模様ははっきり見えます。
 アロイシアの枯れかけの葉っぱ(左の写真)と、色も大きさもそっくりで、すごく紛らわしいです。


 葉っぱじゃなくて蝶、と確信したあとも、もしかして下翅が大きく欠けているのかも、と疑っていました。

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よしよし、だいぶ接近成功…(ありがとうアロイシア!)
胴体は、ちょっと青みがかっているように見え…るような気がします。


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光のかげんで、キラキラした金銅色に光ります。

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こちらも金銅色に一瞬光ったところ。

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あ、だいぶ色がはっきり撮れた…
灰色のぱっちりお目々も、着込んだ白いもこもこセーターも、みんなかわいいです。

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 今のところ、いちばんよく色と模様がわかるのは、この写真かな?
 指先ほどの小ささなのに、本当にすみずみまで丁寧にできていて、感心してしまいます。


 残念なのは、その後半年あまり、学名がわからないままだったこと。
 でもきのうふと思いつき、ちょっと河岸をかえて米国南部の蝶リストにあたってみたら、とうとうそっくりなのを発見!


 ぴったり閉じた翅のすきまや胴体の一部に、鮮やかな青色が見えるような気がしていましたが、標本写真を見ると、翅のおもては輝く青のようです。
 いつの日か、じかに拝見させていただきたいものです。


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 この蝶の模様も、非常に気に入っております。

 万年雪を頂くアンデスの山並みを映した、冷たい高地の湖…アルゲダス言うところの、亜麻の花色の湖……のように見えるのですが、いかがでしょうか?
 静かな湖面には、音もなくさざなみが立っています。
 また山すそには、点々とボフェダル(アルパカが好む湿地帯)もあるようです。


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 季節は、この緑色ならまちがいなく、暖かくみずみずしい雨季ですね!
 どこかの村の祭礼に向かう家族が、にこにこ嬉しそうに笑いながら、若草色の翅の上をゆっくり横切っていきそうです。



シジミ・ニュース18-12-04



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 追加写真を少し。未整理写真のファイルを見ていたら、出てきましたので。
 夏の終り、五月はじめの強い陽射しを受けて、緑がかった銅色に輝いています。
 うしろの空が青いなあ。


 …日本の夏休み時期にペルーにみえる方が多いせいか、「リマは一年中どんより曇っている」という珍説、なかなか根強いようですね。
 でもそれ、まったくの嘘ですので!
 だいたい12月半ばから5月はじめまでは、こんな感じに、もういやっというほど毎日晴れます。
 (ご年配の方の話を聞くと、数十年前はちょっと違ったらしいのですけど、少なくとも最近はそうです)


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Chlorostrymon telea君の正面。
蝶がストローでちゅーっと蜜を飲んでいるところも、かわいいですよね


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おしりのところの、極彩色のキラキラ、みごとですよね。
クリスマス飾りのようです

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「アンデスの山と湖」の絵みたいなところも、こんなにキラっと輝くのですね!
蝶の美しさって見飽きませんね!


シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>


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 18年の秋(5月)に、アロイシアの茂みの高いところで見つけた、きれいな若草色のシジミチョウ。
 久しぶりに、今度はヒユ科の雑草(alternanthera halimifolia)の茂みで再会。



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 低いところにとまってくれたので、脚立なしでゆっくり眺められるのが嬉しいです。
 お目目がこんなにぱっちりしているんですね。



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 翅に破れがあって、内側の薄紫色がのぞいています。きれいなものだなあ…
 まるで平安時代の襲(かさね)の色目ですね、若草色と薄紫だから、葵の襲ですね。



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 あ、もしかして翅を開いてくれるつもりかな?


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 やはり表側は、紫がかった銀色です。
 ということはメスのようですね。オスはもっと鮮やかな光る青だそうですので。



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 あっ、飛んで行っちゃった!
 次回はぜひお連れあいの、青く輝く光る君も連れてきてくださいね!



シジミ・ニュース 21-05-17 <続々再会の秋>


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 大好きな若草色のシジミチョウが、また雑草の茂みに飛来。
 今回は、もっとはっきりした写真が撮れました。この蝶もまたなんという美しさでしょう。



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 先月会った、翅に破れのある個体とは別のようです。
 キズ一つないこの蝶は、羽化したてらしく……ということは、どこか近くで繁殖しているのでしょうか?この子たちの食草もぜひ探さなくちゃ!


 上の翅のベージュと灰青色も、ちらりと見せてくれました。
 次の夏には、おもては輝くような青だというオスに、ぜひお目にかかりたいです


きょう8種類目のシジミチョウ、確認しました!

2018年12月4日作成


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やっぱりいました!カラスシジミ族のStrymon davara君


(8)カラスシジミ族の和名わからん君(Strymon davara)

 既出のStrymon darabaと、めちゃくちゃ紛らわしい名ですよね。ぜったい覚えられない。
 素人の私は、「学名って、しょせん人が決めたものでしょ?」という思いが強いですが、情報を得るためには、やはり調べる必要がありますね…

 ★分布……ペルーだけ。標高500m〜2000m(とネット上で読みましたが、標高100m以下のうちにも出現)
 ★庭でよく見かける季節……(きょう12月4日、初めて写真が撮れたのでわかりません)
 ★成虫が特に好む花……不明
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認


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 先月ちらっと見かけて、小さくてもくっきりした模様だったので、とても気になっていたシジミチョウ君。
 本日、まったく同じ時刻に同じ場所で再会できました!
 あー今日はいい日!


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 裏庭のリュウゼツランのまわりに、当地ではhierba blancaと呼ばれる、どうしようもなく厄介な雑草(alternanthera halimifolia)が繁茂しています。
 いつも見ると引っこ抜いていますが、このシジミチョウ、二回ともそこにいたのですよね…
 困ったなあ…


 蝶のための庭作りには、当地原産の雑草は、やっぱり大切です。ほどほどに残したほうがいいのか……
 いえ、残したくなくてもどうせ出てくるから、増えすぎない程度に間引けばいいか。



シジミ・ニュース 21-04-26 <再会の秋>

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 心の中でこっそり「鳥のフン蝶」と呼んでいたこの蝶も(ごめんね…)、この秋、美しさを再確認。
 よく見ると、豪華なアニマルプリントになっています。秘密の名前は、鳥のフンから「ハスミニ蝶」に改名します。



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 翅のおもても、感じの良いココア色で、白のフリンジがきいてます!


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 見るからに若々しいこの蝶は、下の翅がキラキラ七色に光っています。


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 いっぽうこちらは、もうかなり鱗粉が落ちてしまったようですが、それでも銅色の輝きがきれいですね。



9種類目のシジミチョウ、確認しました!

2019年1月19日作成


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ヒメシジミ族の、たぶんHemiargus ramon(♀)


(9)ヒメシジミ族の和名わからん君(たぶんHemiargus ramon)

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青色が美しいHemiargus ramon君(♂)


 しばらくはカクモンシジミと見分けがつきませんでした。
 でも、オスがはっとするほどきれいな青なので、もっと紫に寄ったカクモンシジミとは、なにかが違う…と気づきました。


 Hemiargusの分類については、専門家のみなさんが大いにモメているらしいです。
 ネット上の写真を見た限りでは、Hemiargus ramonがいちばん似ているので、ここは一応ラモン君、ということにしておきます。



 ★分布……エクアドルだけ、いやいやペルーにもいる、と諸説あるようです。
 ★庭でよく見かける季節……(1月16日に初めて写真を撮ったので、まだわかりません)
 ★成虫が特に好む花……不明
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認


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ラモン君(♂)



 今まで庭で出会ったシジミチョウの中では、いちばんあっさりと、すぐ翅を広げてくれる蝶です。
 というか、とまるとすぐ翅を開いてしまうので、かわりに裏を撮るのがむずかしくて…
 裏を見ないと、いったいだれなのかわかんないものね…


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オスよりもぐっと地味なラモン嬢(♀)

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 とまった美しいオスのまわりを、メスがせっせと飛び回っていましたが、蝶によってはそういうケースもあるのかな。
 人間と同じで?蝶も基本オスのほうがうるさいものと、勝手に思っておりましたが…


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ニゲラのタネにとまったラモンさん(♀)


 1月16日から今日までの四日間、毎日同じところでお見かけしていますが、いつもアスクレピアスの葉や芝、枯れ枝などにとまっているだけ。
 どの花の蜜を吸うのかは、まだぜんぜんわかりません。
 (あんなに長時間、芝などの上にばかりいて、おなかすかないのかなあ…)




10種類目のシジミチョウ、確認しました!

どうもいま、うちの庭では「シジミチョウ祭り」開催中らしく……

2019年2月1日作成


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カラスシジミ族の和名わからん君(もしかしてNicolaea heraldica?)
赤がとってもきいています!


(10)カラスシジミ族の和名わからん君(もしかしてNicolaea heraldica?)

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 アンデスには、これと似たりよったりの模様の蝶がとても多いので、さいしょから同定はあきらめていますが…
 でもNicolaea heraldicaによく似ているのは確かです。


 ただ、下翅の朱赤の丸い模様が、ネット上のNicolaea heraldicaの写真では、朱赤に黒のくっきりした目玉模様になっているところが違います。
 また尾状突起も、長いものと短いものと二対あるらしいのですが、写真の個体には長い一対しかありません。
 (尾状突起は取れてしまうことも多いようなので、一例だけではわかりませんけれど)
 あるいは雌雄の違い、ということもあるかもしれませんね…



 ★分布……(Nicolaea heraldicaだとしたら)ブラジル中部からメキシコまで
 ★庭でよく見かける季節……(おととい2019年1月30日に初めて写真を撮ったので、まだわかりません)
 ★成虫が特に好む花……不明
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認


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 シジミチョウはほんと小さくて(小指の爪くらいですもんね)、それがまた落ち着きなくチラチラ飛び回るので、写真をじっくり見ないとなかなか見分けがつきません。
 でもだんだんと、違いが「見える」ようになってきた気もします…
 特にこの蝶は、朱赤の色が鮮やかなので、「あ、10番目登場かも!」とすぐわかって嬉しかったです(^.^)


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「シジミチョウ祭り」の会場はこちらになりまーす


 裏庭のこの場所で、現在「シジミチョウ祭り」絶賛開催中です。

 例の厄介な雑草hierba blanca(alternanthera halimifolia)が、いまや大きなリュウゼツランを覆い尽くしかねない勢いですが、どうもいろんなシジミチョウが、この雑草を好むようなのですよね…
 いつもなら取り払ってしまうのですが、今はじっとがまんです。冬になってあまり蝶を見かけなくなったら、少し間引きます…


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 既出のアンデス帯蝶君(下)と似ていますが、こちらのほうが朱赤の線が太く、また白との境の黒線もくっきりしています。
 翅の地色もグレー寄りなので、そのぶん朱赤が引き立って見えます。


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 こちらはアンデス帯蝶君こと、「カラスシジミ族のもしかしてGargina humber?」君の模様。
 山型ギザギザ模様がもっと鮮やかで、また地色も金茶色寄りです。



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シジミチョウ祭りへ向かう、エントリーナンバー10のポンチート君


 ちょうどアンデスはこれから、長いカルナバルの季節。
 お祭り用に、黒いポジェラに縫い付けた赤と白のリボン…
 もしくは、カルナバルのために赤い糸を混ぜて織ったポンチョ…いえ、うんと小さいので、縮小形でポンチート…という感じもします。


 (白・黒・赤の模様が国旗のようにも見えるので、エジプト君かイエメン君と呼ぼうかな、とも思いました。
 でもよく見たら、色の並び順が違ってました…(国旗はどちらも白がまんなか))


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ポンチート蝶君の正面。
(しっかりストローを伸ばして、どうやらこの雑草、蜜はおいしいようですね)



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ポンチート蝶君のうしろ姿。
翅の表側は濃い茶色で、そこに光る青が入っているらしいです。
いつか見せてね、ポンチート君!




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