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・学名や和名その他いろいろの情報は、手に入ったわずかな資料からの推定にすぎません。どうか、もしかしたらそうかも、程度におとりください!
・写真は、おことわりがない限り、すべてうちの庭で撮影したものです。食草なども、うちの庭限定の観察記録です。
・また蝶の数え方については、「頭」が私にはしっくりこないので、勝手ながら「匹」で押し通します。



パチャカマックのシロチョウ仲間
Pie'ridos de Pachacamac, Peru


2020年8月18日作成

2022年5月6日更新


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猛暑でお疲れのみなさまに、ビタミンC色の蝶たちを!



パチャカマックのシロチョウ仲間
(1)アンデスシロチョウ属の和名わからん君 (Tatochila)
(2)通称「キャベツのシロチョウ」、Leptophobia属の和名わからん君 (Leptophobia aripa)
(3)キチョウ属の和名わからん君 (Eurema paulina)
(4)たぶんPyrisitia属の和名わからん君 (Pyrisitia dinaまたはEurema dina)
(5)オレンジオオキチョウ (Phoebis argante)
(6)ワタリオオキチョウ (Phoebis sennae)
(7)マルバネウスキチョウAphrissa)



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アンデスシロチョウ属の和名わからん君(Tatochila mercedis?)


 まずは庭に来るシロチョウ仲間のうちで、いちばん好きな蝶を!


(1)アンデスシロチョウ属の和名わからん君(Tatochila)

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 小粋な矢羽根もようの、色鮮やかな蝶です。少なくともアンデスシロチョウ属なのは確かと思います。
 「南米大陸の山岳地帯の蝶」だそうで、手持ちの本には、マチュピチュのインカ道やワイナピチュ頂上!での観察記録や、富士山級のフニン平原での写真が載っています。
 標高100メートルに満たないうちで見たのは、たまたま気が向いて、ルリン谷沿いに山を下って来た蝶なのかもしれません。



 ★分布……アンデスシロチョウ属の11種は、ベネズエラからフエゴ諸島までの山地に分布
 ★庭でよく見かける季節……夏の1月2月と晩夏5月に数回見ただけで、めったに飛来しません
 ★成虫が特に好む花……ブッドレア、アリッサム
 ★幼虫の食草……不明、でもたぶんアブラナ科
 ★庭内繁殖……ケールへの産卵までは確認


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一瞬ちらっと開いてくれました…
(この模様の鮮やかさから
Tatochila mercedisと推測)



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低地に珍客を
呼びよせる
ブッドレアのこの威力!



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表も裏もきれいな蝶です


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産卵場所を探す、
ぼろぼろのお母さん…



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ケールがお気に召した模様


 長いことケールのまわりを飛び交って、あちこちに産卵していましたが、残念ながら幼虫は確認できませんでした。
 これがまぐれの訪問だったとしても、食草がじゅうぶんあれば、今後もっと来てくれる可能性はありそうです。よく調べて、アンデスシロチョウ好みの庭にしていきたいと思います。(とりあえず、アルパカに殲滅させられたケールを蒔きなおしました)



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いざ次の産卵場所へ!
まだまだがんばるお母さん



シロチョウ・ニュース 21-04-06 <秋のキチョウ祭 開催中>

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アンデスシロチョウ君(Tatochila)


 21年4月、めったに来てくれないアンデスシロチョウがやってきました。
 ランタナにとまったところを見るのは、初めてです。



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釣竿をたらしたような姿で
一心に吸蜜中



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 翅を開いたところは…
 惜しい!今回もピントが合ってませんが、今までうちで見てきたアンデスシロチョウ(左)より、ずっと白いです。
 裏側の模様も、気持ち淡いような気がします。


 アンデスシロチョウ属(Tatochila)は軽く十種かニ十種はあるらしいので、ちがう種かもしれません。
 のちほどじっくり調べてみます。



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 ランタナは一年中、まーったく同じ顔で咲き続けてつまらんのですが、蝶たちがあまりにも好むので、なかばいやいや植えています。
 このアンデスシロチョウも、ランタナの魅力にとりつかれ、ぼんやりしていたので、いつになく接近できました。
 そして真上からそーっと見ると…
 顔みたいなものが見えません?大きな黄色い瞳と黒い鼻、きりりとした口元…猫っぽい顔ですね。





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Leptophobia属の和名わからん君(Leptophobia aripa)
大きな黄緑の目が印象的です



(2)通称「キャベツのシロチョウ」、Leptophobia属の和名わからん君(Leptophobia aripa)

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 リマ市内の草木の少ないところでも見かける、リマ一帯でいちばんありふれた蝶です。
 うちの庭も作ってすぐは、このシロチョウとセセリチョウ数種しか来ませんでした。


 この蝶の通称は、Mariposa Blanca de la Col(キャベツにつくシロチョウ)。完全に害虫扱いですが、よく見ると細部はなかなか美しいです。
 また、冬も滞在してくれること、リマの蝶にしては珍しく群舞が見られることも、良い点かもしれません。庭でキャベツやケールを育てていなければ、の話ですが…


 ★分布……広く中南米に分布
 ★庭でよく見かける季節……年中無休
 ★成虫が特に好む花……ランタナ、バーベナ
 ★幼虫の食草……ナスタチューム、キャベツ、ケールなど
 ★庭内繁殖……いやになるほど確認



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ストローを使っているような
蝶の吸蜜姿は
何度見てもかわいいです



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芝生でデート相手待ち


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交尾中のシロチョウ+おじゃま虫


 オスは翅の黄みが強く、メスは緑がかっている、との記述を見かけましたが、残念ながら私にはまだよくわかりません。逆のような気もしますし…


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 寒い9月、霧雨に濡れたナスタチュームのあいだを飛びまわり、産卵場所を探すシロチョウ。

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 落ち着ける場所が見つかったようです。
 じっくり時間をかけて、たくさんの卵を産み付けています。



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ぐいっと近づいても逃げません。


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 当然の結果…嬉しいような悲しいような…
 キャベツを植えていたときも、よくこうなってました…



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 無数に生まれた幼虫たちは、悲しくなるほど数を激減させながら、それでも残ったものはコロコロ太ってゆきます。
 この幼虫はさいごの脱皮を終えて、無事蛹化しましたが、残念ながら羽化はしませんでした…
 いくらでもいる蝶なのに、なぜかまだ羽化の瞬間を見たことがありません。たぶん見ようと思っていないからかな……



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 この地味な蝶のいちばん好きなところは、光のかげんで、ときどきこんなふうに青みがかって見えることです。


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 曇天下では、特にその青白さが引き立ちます。美しい眺めです。

 アルパカたちがナスタチュームとケールを食い尽くしたあと、うちの庭ではぱったりと見かけなくなりました。正直なものですねえ。
 でもアンデスシロチョウ誘致のため、ケールとナスタチュームをまた増やす予定なので、そうしたらシロチョウもすぐ来てくれる(来てしまう)ことでしょう。





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キチョウ属の和名わからん君(Eurema paulina)


(3)キチョウ属の和名わからん君(Eurema paulina)

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 水まきしたあとの外の通路(いかにもミネラル分が多そうなところ)で、地面を子細に探って歩く、小さな小さな探検家を発見!
 たぶんオスでしょう。
 標高200mから1400mの蝶、だそうですので、このキチョウ君も、上天気に釣られてシエネギージャあたりから下りてきた、ちょっとした珍客だったのかもしれません。



 ★分布……ペルー、エクアドル、およびブラジルのアマゾン地方
 ★庭でよく見かける季節……まだ二回しか見たことがありません(4月と6月)
 ★成虫が特に好む花……不明
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



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手前の朽ちた花はモリンガです。

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 モリンガの花はこんなに小さいので、愛らしいミニキチョウのミニぶりもご想像いただけることでしょう。


シロチョウ・ニュース 21-04-26 <小さなお客さん再訪>


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 今まで二回しか見たことのない、可憐な小さな小さなキチョウが、久しぶりにやってきました!
 前に見た個体より、下翅に角があるようにも見えますが、模様がそっくりなのでたぶん同じ蝶でしょう。



シロチョウ・ニュース 21-05-18<小さなキチョウたち定住化?>


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花の黄色が白いお顔に映って、
全身黄色に染まったキチョウ君


 今までめったに来なかった、この小さなキチョウ君。この秋は、毎日のように庭を飛びまわっていました。
 植えたばかりのメキシカン・マリーゴールド(
Tagetes lucida)がお好みのようです。




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たぶんPyrisitia属の和名わからん君
模様からは♀らしいです。



(4)たぶんPyrisitia属の和名わからん君」
 (Pyrisitia dinaまたはEurema dina?)

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 そっくりだけれど微妙に違う蝶、というのが実に多いので、まあこのへんが近いのかな、という程度の推測です。
 うちではまだ一度しか会ったことがありません。バーベナの花でわかる通り、とても小さな蝶です。
 朽ちかけた枯れ葉のような模様が、なんとも味わい深いです。



 ★分布……米国南部からアルゼンチン
 ★庭でよく見かける季節……2018年4月に一度会っただけです
 ★成虫が特に好む花……不明
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



シロチョウ・ニュース 21-04-06 <秋のキチョウ祭 開催中>

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ラベンダーにとまる
Pyrisitia dina君(♂)


 まだ庭で一度しか会ったことのない、可憐な小さなキチョウと、ついに再会できました!
 この秋はほんと、キチョウ祭り開催中です。



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 黄色い花びらが、端のほうから少し朽ちかけたような、絶妙の色あい。
 初秋の気分にぴったりです。



シロチョウ・ニュース 21-05-18



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 もとは珍客だったこちらのキチョウ、メキシカン・マリーゴールドが気に入ったようです。
 アニスのような甘い香りのハーブで、人間用のお茶や料理にも使えるので、これからは庭に欠かさないようにします。



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蝶が喜ぶ秋のぽかぽか陽気も、
今年はそろそろ終りかな。





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下翅に花粉をくっつけた
オレンジオオキチョウ(Phoebis argante ♂)



(5)オレンジオオキチョウ(Phoebis argante)

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 庭に来る蝶の中では、特に見栄えのするオレンジオオキチョウさん。鮮やかな山吹色の、大きな蝶です。
 でもいつも高いところを、ヒラヒラヒラ〜っと飛んでいってしまって、めったにとまってくれません。またとまっても、近づくとすぐ逃げてしまいます。


 ★分布……メキシコからウルグアイまで。アンデスでは海抜0mから1600mまで。
 ★庭でよく見かける季節……夏(11月から4月まで)。でも冬でもカラッと晴れると、どこからか出てきます。
 ★成虫が特に好む花……ルリマツリ、ランタナ
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



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一瞬見えたおもての翅は、
おいしそうなアプリコット・オレンジです



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ルリマツリの涼しい色が
よくうつりますね



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 この蝶は、オスとメスがまったく違う色をしています。
 あるときこうして二匹、桜の葉陰でよりそっているのを見て、初めて気づきました。
 それまで別種と思っていた薄黄色の蝶が、オレンジオオキチョウのメスだった、ということに…



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珍しく中庭のゼラニウムにやってきた
オレンジオオキチョウ(♀)


 オレンジオオキチョウのメスは、薄い黄色から白まで、実にいろいろだそうです。

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 ゼラニウムで吸蜜する蝶は、あまり見たことがありませんが、おいしいのかな?
 昨年の夏の終り、もうすぐ旅立つ猫たちを、窓辺でそっと撫でているとき、ふわっと飛来してくれました。



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このメスのおもての翅は、
クリーム色がかっています



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こちらは別のメス

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このメスのおもて側は
真白のようです



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 以前、この変な写真を撮ったときは、シロチョウを大きなキチョウが追っているのかと思いました。
 でも本当は、白いメスを追いかける二匹のオスのオレンジオオキチョウ、だったようです。


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 こちらは、うんと寒かった昨冬、どんより曇って冷え込む園芸店で見た、まるで真夏のような光景。
 これもたぶん、オレンジオオキチョウのオスです。
 オスのブチ模様も、個体差がとても大きいそうです。



シロチョウ・ニュース 21-04-06 <秋のキチョウ祭 開催中>

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ルリマツリの花に没入する
オレンジオオキチョウ君(Phoebis argante ♂)


 今年はオレンジオオキチョウも、例年よりたくさん飛び回っています。これはそばかす模様の多い個体ですが…


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 こちらは、ほとんど模様のないオス。
 庭の、こういう芝がはげてしまった部分は、私たちには悩みのタネですが、蝶にとっては絶好の水分&ミネラル補給所となっております。
 だからまあいっか。このまま、はげたまま放っておくか。



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 こういうときのオスは、ぜんぜん逃げませんね。


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 レンズがすぐ横まで伸びてきても、悠々としたものです。
 私は蝶は取らないけど、ほかのとこではもうちょっと気をつけてね、オレンジオオキチョウ君!





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ワタリオオキチョウ君(Phoebis sennae ♂)


(6)ワタリオオキチョウ(Phoebis sennae)


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 今までオレンジオオキチョウと見分けがついていませんでしたが、じっくり写真を見ているうちに、違う蝶と気づきました。
 たぶんワタリオオキチョウでしょう。英名はCloudless Sulphur、ほんとうにオスは目の覚めるような硫黄色です。


 ★分布……米国南部からアルゼンチンまで
 ★庭でよく見かける季節……夏(なんとか撮れたこの数枚の写真は、冬の6月と7月のものですが)
 ★成虫が特に好む花……ルリマツリ
 ★幼虫の食草……不明
 ★庭内繁殖……未確認



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ワタリオオキチョウの、こちらはたぶんメス


 オレンジオオキチョウ同様、メスはオスよりも淡い色だそうです。
 ブチ模様は、オスメスとも実にさまざまなパターン、個体差があるようです。



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 ワタリオオキチョウは、幼虫もとても鮮やかな黄色だそうです。見てみたいので、これもぜひ食草を調べなくては。
 当地で入手しやすい植物なら、たとえばパカイは、ワタリオオキチョウとオレンジオオキチョウ、双方の食草に使えるそうですが、大きく育つ木なので躊躇しています。アルパカに荒らされる木かどうかも、確認しないとなりませんし…



シロチョウ・ニュース 21-04-06 <秋のキチョウ祭 開催中>

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 庭にもっとキチョウを呼ぶために、春(11月ごろ)、カッシアの小さな苗を植えました。



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 …すると植えたとたん、すぐやってきましたーーー!
 変な写真ですけど、たぶんワタリオオキチョウ。まだ花も咲いていなかったのに、どうしてすぐ気づくのでしょう…
 食草の威力、おそるべし!です。



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ルリマツリの茂みで蜜を探る
ワタリオオキチョウ君(Phoebis sennae ♂)



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 ワタリオオキチョウは、とても目をひく硫黄色です。
 人間にとっては、ハっとして思わず追いかけたくなる色ですが、でもこうしてみると自然の中には、同じ鮮やかな黄色が多いですね。
 意外に身を隠すのには、都合の良い色なのかもしれません。



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 そして3月には、カッシアにとりついたワタリオオキチョウの幼虫を見つけました!バンザイ!
 このかわいいシマシマを見たくてカッシアを植えたので、ほんと嬉しいです。



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 幼虫のかわいらしさでは、じゅうぶんモナルカ蝶と張り合うレベルではないでしょうか?
 残念ながら翌日には姿を消してしまいましたが、終齢だったようなので、どこかでうまく蛹になったでしょうか?

 ともかくカッシア導入初年度?としては、上出来です。
 いずれは蛹…いえ、あわよくば羽化まで、確認できるといいな。



シロチョウ・ニュース 21-04-26 <ベビーラッシュのワタリオオキチョウ>


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カッシアの花のつぼみと
みごとに同色の幼虫くん


 カッシアの絶大なるキチョウ引き寄せ効果に、たいへん気をよくして、あと二本追加で植えました。
 すると1週間後には、さまざまな大きさの幼虫がとりついているのを発見!
 孵化するだけで三日から五日かかるはずなので、計算が合いません。たぶん最初から卵や幼虫がついていたのでしょうね。ふつうの園芸家なら怒るでしょうが、私はおまけに大喜び。



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 鮮やかな黄色い幼虫は、脱皮を繰り返し、そのたびに次第に模様が濃くなっていくようです。


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 特徴あるシマシマ模様がはっきりしてきました。でもまだシマの色は薄いですね。


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 そのシマシマが、紫がかった黒に変わった幼虫。おそらくこれが終齢の姿です。


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 ワタリオオキチョウにはもう一種、まったく違う色模様の幼虫もいます。
 左は黄色の若齢幼虫ですが、右の緑色の幼虫も、ワタリオオキチョウです(初めて見たときは、別の蝶かと期待しちゃいました…)


 はじめは黄色い幼虫が、その後、黄色い花を食べつづけると黄色いまま育ち、またもし葉っぱを主に食べると緑色になるそうです。おもしろいなあ。
 好きな食べ物に合わせた保護色、ということなんでしょうか。二種類あると、危険分散にも役立ちそうですね。


 黄色いほうも緑のほうも、ほんっとうにカッシアの色そのもので、非常に見つけにくいです。大したものです。


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 黄色から緑色になりつつある幼虫。いったい何齢くらいで、黄色か緑かが決まるんでしょうね?
 ワタリオオキチョウは、成虫の色もさまざまですが、それと幼虫の色には、何か関係があるのでしょうか?


 幼虫と花と葉っぱをたくさん用意して、途中でエサを変えつつ実験したらおもしろいかもしれません。もしカッシアが食い尽くされずに大きくなったら、試してみたいです。


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 終齢近くと思われる、緑バージョンの幼虫。
 いやあ、カッシアの葉のふちが黄色くなったところまで、みごとに再現していますねえ!すごいなあ。



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 こういうのを見て、ギャッ…と思う方も多いかもしれませんが…私は美しいと思います。
 紺色の模様のまわりに、ちょっと水色が入っているところなんて、たまりません。


 造化の妙とよく言いますが、でももしかしたら、本当は私たち自身が造化主なんじゃないでしょうか。
 こうして地上にいるときは忘れていますが、あっちに戻っているときは、暇つぶしにあらゆる自然界の生き物のデザインなどして、楽しんでいるんですよ、きっと。
 そしてまた人間として生まれて来ると、自分で色を塗った蝶や小鳥を見つけては、ああ自然の力はすばらしい!とか感心しているのだろうと思います。



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 暑い真昼に、カッシアのさやと一体化して、ゆらゆら休憩中の幼虫君。
 まちがいなく、黄色い大きな蝶になった夢を見てますね!



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 こちらは葉っぱをちょいと糸で綴って、寝袋にしてお休み中。今は花はあまり咲いてないので、この子は緑色に育つのかな。
 かわいさでは互角のモナルカ蝶の幼虫は、こういう身を守る工夫はぜんぜんしませんね。
 どちらも食草の毒を身体にためこむ蝶なので、鳥から見たまずさは同等かと思いますが。



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 ワタリオオキチョウの親御さんたちは、その後も毎日、せっせと産卵中。
 若い葉っぱの芽か、つぼみに産みつけることが多いようです。



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 そこに鮮やかな硫黄色のオスがやってきました。メスはすかさず、「お断りポーズ」をとります。


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 オスはめげずに、しばらくメスのまわりを飛び回っていましたが…


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 やがて諦めて飛び去ると、メスは別のつぼみに移動。
 「あーうるさいのがやっと消えた」とでも言っているかのように見えました…



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 そしてまた卵を生み始めます。
 このメスは、ベージュにピンクがかった模様が入った、とても上品な美人ですね。


 …それにしても、カッシア足りるかなあ?
 モナルカ蝶と同じ、食草ジレンマに陥りつつあります。
 食草を増やせば増やすほど、卵を生みにくるメスも増えて、結果食草はもっと足りなくなる、という永遠のくりかえしです。嬉しいけどちょっと苦しい。



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 こちらは別の、ほとんど真白のメス。
 まわりの緑の反射か、青みがかって見えていますが。
 ワタリオオキチョウとオレンジオオキチョウは、オスメスおよび個体ごとに、みんな色模様がちがっているので、探し甲斐があって楽しいです。



引き続きワタリオオキチョウ(Phoebis sennae) <アルパカとの共生?>



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 米国の蝶々サイトで、「家畜の糞尿で栄養補給する蝶がいる」という話を読み、うちのアルパカトイレもだれか利用してくれないかな、と思っていましたら…
 翌日さっそく、ワタリオオキチョウが期待に応えてくれました。


 アルパカトイレのまわりは、栄養豊富だからでしょう、少し芝の緑色が濃くなっています。
 でもフンが積み重なる中央あたりは、芝がしだいに枯れこんでくるので、迷惑に思っていましたが、蝶はまさにそこにとまっていますね。
 蝶にしてみたら、土とアルパカのおしっこと、両方の水分とミネラルを摂れて都合がいいのかもしれません。



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 アルパカの丸いフンの上にちょこんととまって、地面を探っています。


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アルパカトイレでミネラル補給中の
ワタリオオキチョウ君(Phoebis sennae ♂)



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 そのあと同じ個体を、ルリマツリで見かけました。もしかしてお口直し……?




シロチョウ・ニュース 21-04-26<新顔さん登場?>


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 先週、一度だけ見た、鮮やかなレモン色の蝶。


(7)マルバネウスキチョウ(Aphrissa)属のどなたか


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 この鮮やかな黄色、ワタリオオキチョウのオスに似ていますが、でもずっと小ぶりで、模様もほとんどありません。
 いちおうAphrissa属?とあたりをつけましたが、写真も少ないので保留としておきましょう。(これもカウントできると、「庭の蝶探し、ついに40種達成!」なので、できれば新顔さんと思いたい…)

 もしAphrissa属とすると、ちょうどこの夏植えたカリアンドラやカッシアが食草だそうですから、それに惹かれてやってきた可能性はありそうですね。


シロチョウ・ニュース 21-05-18<マルバネウスキチョウの新顔さん>



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 先日、マルバネウスキチョウ(Aphrissa)属の新顔さんと推定した、この鮮やかな硫黄色の蝶。



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赤紫のサルビアにとまると
もうまぶしいほど鮮やかです


 その後も何度も出会っています。
 ワタリオオキチョウのオスに近い色ですが、もっと明るく、かつ緑がかっていて、大きさも確かにひとまわり小さいです。
 やはりワタリオオキチョウではなさそうです。



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 蝶ニュースをまとめていたきのう17日は、終日曇ってうすら寒く、庭もしんと静まり返って、蝶は一匹も見ませんでした。
 でも夜になって、トウワタの枯れ枝で眠るマルバネウスキチョウ君を発見!こういう偶然って本当に嬉しい。
 黄色い花びらと思ったのか、チャスキがパクっとしそうになりましたが、それを追いやってじっくり観察。



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 懐中電灯で透かして見ると、独特の蛍光グリーンがかった翅の色がよくわかります。チャスキが花と勘違いするのも無理ないなあ。
 表側は、上の翅のふちに細い黒線が入っているほかは、模様はなさそうです。ますますマルバネウスキチョウっぽいです。
 マルバネウスキチョウ8種のうち、ペルー海岸部にもいてお
かしくないのはAphrissa fluminensisのようですが、情報がなくてよくわかりません。


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